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記事一覧

dom/subを体験してみました。-短編-

dom/subを体験してみました。-短編-

今日は久しぶりのオフ日だ。

佐々木さんからは、3日間羽を伸ばしてと言われている。
「そうは言われてもなぁ。」
こんな日は何をして良いか分からないな。仕事が趣味みたいなところがあるから家に居たって結局台本読んだり役作りの資料を纏めたり。休みか…休み休み…。

チュン太は今日まで仕事で明日から休みらしい。
「チュン太んち行って待ってるか。」

俺はさっそく身支度をしてタクシーを拾ってチュン太の家に向

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未来への切符―環状線の少年―短編

桜日脚立先生の読み切り漫画、「環状線の少年」は、原作の裏側から一本の細い糸で繋がっているんじゃないか。と思って書き始めました。私の自己満足の代物です。原作コミック3巻に続く感じで書いてみました。ご興味があればどうぞ♡

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目を開けると電車の中。

タタ、カタンコトン、タタ、カタンコトン

誰もいない。
誰も乗り込まない。
止まらない。

いったい何故こんな場所

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ごめんなさいと、桜とあなた。-短編-

ごめんなさいと、桜とあなた。-短編-

本当に嫌な時の高人さんは、怒るとこわい。

「高人さん、ごめんなさい。」
しょぼんと、背中を丸めて縮こまる。

「何がごめんなさいなんだ?」
俺の部屋のリビングで台本を読みながら、目線は台本のままで聞いてくる高人さん。本気で怒ってる。

「その、高人さん嫌だって言ってたのに…お医者さんプレイ強要しちゃいました…」

「台本入れてる時に何で手が出るんだよお前は。仕事する気あんのか大根が!やらねぇなら

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桜の想い人ー短編

桜の想い人ー短編

「いたた……マンホールの蓋でも開いてたのかな」

俺は撮影の帰りだったはずだ。暗い夜道をスマホを、眺めながら歩いていたはずだった。
突然足元がふわりと空を掠め、そのま真っ逆さまにここまで落ちてきてしまったのだ。
幸い身体は頑丈な方で骨が折れたりなどの大怪我はしていないようだ。

身体がきちんと動作するかを、手を握ったり腕を回したりしながら確認していく。
そしてゆっくりと立ち上がる。
「…は?」

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