ラスボスが高人さんで困ってます!32
眼下には紅葉が秋の山々を彩り賑やかす。
この地に生きる命達が、冬に向けてその身を肥やす時期だ。秋の恵みを持ってその冬を乗り切る。それは亜人も変わらずの事だ。
風を切る音が耳を掠めていく。
俺は翼を水平に保ったまま気流に乗って目的の村、つむぎ村を目指していた。
昼間といえど、空の上は空気が冷たく掠めていく風は身体を心地よく冷やした。しかし、これは龍の身体だからであって、人間だときっともっと寒いのではないだろうか。俺の周りは風が緩やかになるようになっているので、風が直接当たる事