齋藤和哉

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ロッキー不在でまさかの平凡なスピンオフに【映画「クリード 過去の逆襲」】

過去2作のクリードシリーズ ロッキーのライバルであり盟友であったアポロクリード。彼の血を受け継いだ息子アドニスクリードを主人公に据えたロッキースピンオフ映画シリーズ。 一作目「チャンプを継ぐ男」でクリードはプロボクサーとして生きるためそれまでの独学ではなく、ロッキーを師事し次世代のチャンピオンとして地位を作ることに成功する。 一時はボクシング界から完全に身を引いていたロッキーがトレーナーとして返り咲き、リングではセコンドとして過去に辿った魂をクリードに継承していく。

    • 実は完結に失敗して黒歴史化しかけていた「ロッキーシリーズ」まとめ【映画】

      わざわざ書くほどもない誰もが知っている作品だが、その世代を除くと全作追いかけられる人はもう少なくなるだろう。 https://a.r10.to/h5shGJ そもそもロッキーが誕生した理由 まだ無名だったスタローンがモハメドアリの試合をみて感銘を受け、後のロッキーとなる無名ボクサー映画の構想と脚本を書き上げスタジオに売り込んだことから始まっている。 自分が主演であることを条件に売り込みが成功し制作、公開までこじつけて大ヒットした。 無名だったスタローンはホームレスも

      • 自主制作にしてはリアルな半グ〇映画【JOINT】

        ここ数年話題になった闇バイトからの特殊詐欺や地面師との付き合いなど、半グレの動きを知る入門として教材になりうる映画だったと思う。 配給はなかなか出ないのか大手含めて半グレ映画はほとんど作られていないが、振り返った時に一つ風穴をあけた立ち位置にはなりそう。 中古スマホ、名簿売買、投資家、地面師 出所した主人公石神は友人支援の下に上京し名簿ビジネスから始めて資金を作り始めようとする。 彼は裏組織の類には属していないが過去に悪さをしていた経歴から組織の人間らにも顔が利く存在

        • 悪魔祓いの「お決まり」を現代版に更新させたが、危ない続編に【映画「エクソシスト 信じる者」】

          無数に存在する悪魔映画の祖となった「エクソシスト」の続編とあって、21世紀版の指針にする気概は見られたが微妙な作品に終わった。 https://a.r10.to/hkP33R 今作は公開前から少女二人に悪魔が憑依することから現代の新しさが多く見える期待が大きかった。 亡くなった家族を降霊しようとしたら悪魔が降りてしまったという始まりは定番である。 少女をあえて人種で分けて二人にしたのは多様化した宗教性や文化の現代社会で、悪魔とどう向き合うのかという話に更新させたかった

        ロッキー不在でまさかの平凡なスピンオフに【映画「クリード 過去の逆襲」】

        • 実は完結に失敗して黒歴史化しかけていた「ロッキーシリーズ」まとめ【映画】

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        • 1stアルバム「地方でも鬱」
          8本

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          推し活は孤独だが、ヲタ活は一生の仲間に【映画「あの頃。」】

          原作も読んでいないのでどこまでが脚色があるのかについてもよくわからない。 映画をそのまま受け取ってみたうえで見ると羨ましくも思う反面、確かな疎外感の上で築き上げられた濃い関係性だったとも思える。 「アイドル好き」はあくまで最大公約数 ハロプロ全盛期は幼稚園から小学生だったのでリアルタイムな熱量はテレビ画面越しでしか自分は知らない。そんな自分でも朝から晩まで映されるあのムーブメントの密かな虜になっていたから、成人近くだったらやばかったかもしれない。 主人公は友人からもら

          推し活は孤独だが、ヲタ活は一生の仲間に【映画「あの頃。」】

          大人の抑圧は無垢な少女をシリアルキラーに変える【映画「PEARL パール」】

          A24制作映画「X エックス」から始まるシリーズ前日譚となる2作目。 エックスについても記事で書いたが、マキシーンの同一の人物と観られた老婆パールの過去編となった。 正直シリーズとしてみると微妙な作品だったが、単一として見ればそこそこ楽しめるものだったのではとは思う。 女性が何を考えているかは基本的には分かるはずはないが、家族が向き合うことを放り出すと大変なことになるのはよくわかる。 絶望的に困難な母親支配からの対立 今作はなぜあの老婆であるパールが殺人鬼へと変貌し

          大人の抑圧は無垢な少女をシリアルキラーに変える【映画「PEARL パール」】

          ある村のスケープゴートを救うのは偽司祭だった【映画「聖なる犯罪者」】

          実話であったことが鑑賞後の余韻にのってくる。 少年院から仮釈放されたダニエルがある村で司祭として偽り、村からも慕われて行ってしまうという話。 仮釈放後就業予定だったある村の製材所をドタキャンし、その足で教会に行きつき、話しかけられた司祭の娘に嘘をついたことからの始まりだった。 ダニエルは元からいる村の司祭の家に泊まったことをきっかけに、病が治るまで代理として村の司祭を任される。 最初はスマホで規定を調べながら正しい司祭として振舞うものの、早々に無知である自分を偽ること

          ある村のスケープゴートを救うのは偽司祭だった【映画「聖なる犯罪者」】

          ジャンルは絞らない「サブ垢的」YouTubeチャンネル開設のススメ

          昨年まで離れていたYouTube運営を使い方を変えて4か月ほどのデータがそろってきたので、分かったことを共有したい。 きっかけは友人の仮説と実験模様が面白かったのでそこに乗っかってみたところからである。 これまで動画媒体の発信はいくつかやってきたがすべてジャンルに特化した専門的なチャンネルだけを運営してきた。あるチャンネルでは全体で50万再生ほどの数字も取れた。 これはインフルエンサーからの流れを汲んだ完全に数字だけに特化したやり方であり、素人が参入する動画運営としては

          ジャンルは絞らない「サブ垢的」YouTubeチャンネル開設のススメ

          【FF15クリア】未完成じゃなければ名作になれたレガシー。有料コンテンツ8個買って真相が分かるストーリーはダメよ。

          「やっぱり辛ぇわ」のセリフだけ一人歩きして、発売当時は酷評されたファイナルファンタジー15を8年後に初見プレイしてみた。 発売当時は10年待ったファンにバグだらけの未完成品をリリースして大変怒りを買った作品でもあったが修正された今やるとまた違う景色も見える。 今もセールでワンコインで買えてしまう扱いだが、正直例のセリフも何も知らない状態だったのでそこまで先入観なく令和にプレイできた感想を。 クリア時間は金策にサブクエをチャプターごとで費やしても20時間程度で終わった。サ

          【FF15クリア】未完成じゃなければ名作になれたレガシー。有料コンテンツ8個買って真相が分かるストーリーはダメよ。

          Lはなぜ夜神月をキラとして疑うことができたのか。映画版と異なった最終判断の意図。【アニメ「DEATH NOTE デスノート」】

          アマプラにアニメ「デスノート」が解放されたので見た。 十数年ぶりの鑑賞となると月の手口よりはLがいかにして捜査し本人が語る5%の確率で彼を疑うことができたのか見るようになる。月の世直し正義の過程に熱狂するのはやはり高校生までのガキだけだろう。 Lがキラ事件に関わり始めるのはインターポールが謎に満ちた能力による事件だと認知したところで捜査協力の依頼が来る。Lは全世界の警察を唯一動かせる探偵である。 Lはこの時点でプロファイリングによりキラの人物像を「極めて優秀な頭脳を持っ

          Lはなぜ夜神月をキラとして疑うことができたのか。映画版と異なった最終判断の意図。【アニメ「DEATH NOTE デスノート」】

          西部劇から読むプレデター。エイリアンほど評価されなかった「プレデターシリーズ」とは何だったのか。【映画・考察】

          ディズニープラス独占配信「プレデターザプレイ」による新作の影響か、アマプラでシリーズ全作解放されたので見てみた。 率直に見て感じたのは、同じ地球外生命体を描いたエイリアンよりも時系列設定や背景が曖昧でシリーズとしての深みが感じられないということである。 公開年を見てもエイリアンのヒットから後追いで製作されたのは分かる。 公開はジェームスキャメロンが指揮した「エイリアン2」がR指定ながらSF映画の新境地を示し大成功した1年後に制作されたのがプレデターだった。 当時もSF

          西部劇から読むプレデター。エイリアンほど評価されなかった「プレデターシリーズ」とは何だったのか。【映画・考察】

          【プレイクリア】ウィッチャー3は戦後の悲鳴を剥き出しに全てを委ねられる。JRPG漬けのプレイヤーほどやるべし

          友人も薦めて気になっていたウィッチャー3をプレイしクリアした。 メインクエストとサブクエ7割ほどはクリアし50数時間でメインシナリオは終えた。 先月で発売から9年前のゲームになるがPS5やスイッチ、steamの移植発売は続き未だプレイするファンや新規の圧倒的な高い評判も根強い。 自分はdlcも入ったPS4のコンプリート版をゲオセール980円で買えたので一番安価で始めるならこちらを薦める。 後に詳細も書くと思うがロード時間以外はストレスはなく、よほどサクサクプレイにこだ

          【プレイクリア】ウィッチャー3は戦後の悲鳴を剥き出しに全てを委ねられる。JRPG漬けのプレイヤーほどやるべし

          大統領選挙に揺らぐ国政の裏で「北風」を吹かせる【映画「工作 黒金星と呼ばれた男」】

          光州事件を描いた「タクシー運転手」などをはじめ、ここ10年韓国の社会派サスペンスも素晴らしく日本ではすっかり太刀打ちできない領域に達している。 18年に公開されたこの「工作」も南北の緊張が高まっていた中で大統領選と共に錯綜した90年代のある韓国諜報員の書籍や証言をもとに描かれた気骨ある政治サスペンスである。 ここ数年配信がなくようやくアマプラにも追加されたが個人的にはベスト3に入る映画だと改めて確認した。 テンポ間が早く時代背景とともに1度では理解が追い付きにくいのでざ

          大統領選挙に揺らぐ国政の裏で「北風」を吹かせる【映画「工作 黒金星と呼ばれた男」】

          日本の女帝の歴史から解くラクスと女王アウラの決戦で終わる最終章【映画「ガンダムSEED FREEDOM」】

          ガンダムSEEDFREEDOMがアマプラに早くも追加されたので早速見た。 大絶賛されていた割にはストーリーは若干蛇足感もあり終わりもあっさりしていて、20年間待ちわびていたファンのために注力したファンさ映画だったなと思う。 そういう意味ではひどかったDISTNYから上手く原点回帰してくれた作品ではあった。 普通に作品内容やキャラクターをいじった話やエンタメ性について触れた感想はすでに溢れていると思うので、自分はもう少し引いて見てしまった今作の主な「女帝同士の争いの異様さ

          日本の女帝の歴史から解くラクスと女王アウラの決戦で終わる最終章【映画「ガンダムSEED FREEDOM」】

          無音で言語制限して子供の邪悪さを強調させただけのサバイバルホラー【映画「クワイエットプレイス/破られた沈黙】

          クワイエットプレイスの新作がそろそろ公開されるということで、全く触れていなかった過去のシリーズを観てみた。 正直ホラーとしても「ドントブリーズ」の二番煎じ感はぬぐえていないし、パニック映画としてもクリーチャーや展開の詰めが甘くて駄作としか思えなかったのだが、 新作はまた雰囲気や表現性を180度変えて期待はできそうなのでここまでのシリーズはどういうものだったのか一応整理しておきたい。 子供の行動にイライラさせられるアメリカ映画の伝統芸 一作目からクリーチャーが街を占拠す

          無音で言語制限して子供の邪悪さを強調させただけのサバイバルホラー【映画「クワイエットプレイス/破られた沈黙】

          インバウンドから逃れて心を清める京都旅【貴船神社・鞍馬寺(叡山電鉄)蛍を見る夜の上賀茂神社】

          先日家族の都合により数年ぶりの京都に訪れた。ほとんどは家族行事による手伝いの日々だったが一日だけ何もない時間ができたので疲労した身体と心を清める旅にできたのでその記録を記したい。 噂に聞く通り現在の京都の繁華街はインバウンド客で溢れかえっておりどこを歩いても8割は占める外国人と既に蒸し暑い盆地を肩を寄せ合いながら歩くことになる。 京の台所もすっかり洋の台所に変わり果てようとしていた。 自転車でそこら中をノーヘルトップスピードで駆け回る移住者も増えてより忙しない街になった

          インバウンドから逃れて心を清める京都旅【貴船神社・鞍馬寺(叡山電鉄)蛍を見る夜の上賀茂神社】