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配られたカードで勝負するしかないけれど

「配られたカードで勝負するしかないのさ」

この言葉は世界で一番有名かもしれない犬・スヌーピーの名言だ。

あの見た目ゆるふわな感じの犬がめちゃくちゃ深いこと言うやんけ、と驚愕するが心に刺さる言葉だ。

「もっと〇〇だったら良かったのに」

「なんであの人みたいになれないのだろう」

どうしたって人はないものねだりをするし、自分にないものを欲してしまう。

だけど現状を悔やんだってしょうがない、今の自分にできることしかないのだ、ということを思い出させてくれる。

ただ、この言葉を聞いて僕は最近少し別のことを考える。

この言葉は(おそらく)、ポーカーなどのゲームを想定した言葉のような気がするのだが、僕が連想するのは大富豪だ。

大富豪をご存知だろうか?

大富豪、もしくは大貧民。

大富豪では3がいちばん弱く、2がいちばん強い。※ジョーカーを除く

そのルールのもと、プレイヤーが順番に他のプレイヤーより強いカードを出していき、いちばん最初に手札が無くなった者が勝利だ。

大富豪の特筆すべき点はローカルルールの多様さだ。

どのルールが標準ルールかわからないほど、細かいルールや地域やコミュニテイ独自のルールが存在する。

例えば、7を出すと自分のいらないカードを1枚次のプレイヤーに渡せる「7渡し」

8を出すと、強制的に場が流れる「8切り」などが有名だ。

もはやなんでそんなルールが生まれたのか突き止めるのは困難だろうが、おそらくそんなルールが生まれたのは自らの手札が弱いプレイヤーが

「自分の地元ではこんなルールがあってね、、」とありもしないルールをでっち上げたのではないだろうか。

それが倫理的に許されるか行為かどうかはさておき、何もしなければただ弱いだけだったカードに意味を持たせたのはクリエイティブな行為だ。

(実際、僕の知る限り、クイーン、キング、エース、などの強いカードには特殊な効果がある大富豪のルールをきいたことがない)

また、大富豪のもっとも有名なルールに「革命」がある。

「革命」が起きると同じ絵柄のカードを4枚同時に出せば、3が一番弱く2が一番強いというルールが逆転し、2が一番弱く3が一番強くなる。

そして革命は必ずしも自分で起こす必要はない。

他人が起こしたっていい。

それだけで、自分の弱かった手札が最強になることもある。

これはまるで現代社会のようだなと思った。

多様な生き方や働き方を実践する人が増えている。

例えば、YouTuberやインスタグラマー。

でも、大人気のYouTuberやインスタグラマーだって、

YouTubeやInstagramというプラットフォームがなかったら、

ちょっと面白い人や、ちょっとおしゃれな人で終わっていたかもしれない。

自分が変わらなくても、誰かが世界を変えてくれれば、自分の世界は劇的に変わることだってあるのだ。

配られたカードが弱かったり、何の意味もないように思うこともあるかもしれないけど、そこに意味を持たせたり、世界が変わることでカードの意味が変わることがある。

配られたカードで勝負するしかない、これは真理だ。

いきなり手札を増やしたりすることは出来ない。

でも、そこで諦める必要はない。

弱いカードだって、強くなることが出来る瞬間が来るかもしれない。

勿論、世界が勝手に変わってくれることもあるけど、それをただ待ち続けていたら一枚もカードを出さずに終わってしまうかもしれない。

だから、自分のカードにどんな意味が持たせられるか、考え、悩み、実践することが大切だ。

時にはハッタリだって必要かもしれない。

ハッタリや、虚勢の先に何か意味が生まれるかもしれない。

配られたカードで勝負するしかないし、

ジャムおじさんのいない僕らは傷ついた顔のまま戦っていくしかないけれど、諦めずもがき続けていきたい。

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