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マネジメントに求められる2機能・4領域とは?〜マネプロ#2

こんにちは! DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。

前回より、マネジメントの進化を探求する連載note「マネプロ」が始まりました!

このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。

さて、前回は、マネプロを始めるに当たっての”このシリーズの読み方”的な内容だったので、今回からが本編です。

今回のテーマはマネジメントに求められる2つの機能と4つの領域

目次はこちら!

<マネジメントとは>

このnoteで扱う題材はマネジメント。
なので、まずはマネジメントの意味について改めておさらいです。

語源から説明していきたいと思います。

英語のmanageという言葉の起源は16世紀中ごろのラテン語にあり、「馬を手で馴らす」「馬を手で調教する」というところから来ています。転じて、「物事をうまく扱う」「なんとかする」という意味も持つようになりました。

鞭ではなく手で直に馬に触れながら心を通わせ、やがて乗れるようになり、行きたい方向に自在に馬が走るようになる、そんなイメージです。そのため、マネジメントを「経営する」「管理する」と訳すだけだとニュアンスがズレてしまう場面があることは伝わるでしょうか。

マネジメントの概念を発明したと言われているドラッカー。そのドラッカーの著作のほとんどを翻訳してきた上田惇生氏は「私は自分の翻訳の中で“management”という言葉を『管理』と訳したことは一度もない。“management”という言葉に対応する適切な言葉は漢語にも大和言葉にもないのです」と述べています。

じゃあ、マネジメントという言葉を日本語ではどのように解釈すれば良いんだ、、、と心の中でモヤった記憶があります(笑)


その後、ドラッカーの著作を読み進める中で、
“これだっ!”と思う表現に出会います。

マネジメントとは「成果をあげるための機能」
というニュアンスの表現です。これが私の中では一番しっくり来ているマネジメントについての解釈です。

<マネジメントの4領域>

マネジメントが「成果をあげるための機能」であるとした時に、もう少し解像度を上げたくなりました。マネジメントは「何」によって成果をあげるのか?についてです。

私は成果をあげるために、マネジメントすべき領域が4つあると思っています。その4領域とは、事業・組織・人材・業務のことです。
 
マトリックスに落とし込んで考えると分かりやすくなります。「影響の対象」が社内に向けてのことなのか社会に向けてのことなのか、「立場の違い」が経営寄りなのか現場寄りなのかで4領域に分けることができます。

マネジメントとは、この「4領域」によって成果をあげることが求められるのではないかと。つまり、マネジメントの4領域を上手く扱うこと、なんとかやり抜くことで成果をあげるのが重要である、と考えるに至りました。

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<マネジメントの2機能>

さて、マネジメントとは「成果をあげるための機能」であり、成果をあげる上でマネジメントは4領域に分けることができるというのがここまでの話でした。

今度は、マネジメントの「機能」の部分を切り出して解像度をあげてみたいと思います。

私はマネジメントの機能を2種類に分類しています。
それは、未来志向のマネジメントか現在志向のマネジメントか。

まずは先にスライドにまとめたものを見ていただけるとイメージしやすいかもしれません。マネジメントを2つの視点から機能として見たものがこちらです。

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ここからマネジメントを2つの機能に分けて説明していきます。

まず、マネジメントの2つの機能とは、
未来への予応という「戦略実現機能」

現在への適応という「価値拡大機能」
があるってことです。

漢字の羅列ですみません。。。
ただ、そんなに難しいことを言っているわけではありません。

うんとざっくり言ってしまえば、マネジメントには、
創りたい未来を牽引するマネジメント

目の前の課題を解決するマネジメント
があるということです。

・未来への予応「戦略実現機能」とは

企業や事業には必ず何か成し遂げたいことがあって、その使命を果たすために存在していますよね?

つまり、すべての企業・事業は生まれた瞬間から独自の「どうなりたいか?」を持っているわけです。創りたい未来像を持っているとも言えます。時に忘れていたりするかもしれませんが。

「未来への予応」というのは、その創りたい未来(どうなりたいか)を見据えてあらかじめ準備・対応していくものと考えてもらえば大丈夫です。

具体的な例として挙げるならば、戦略がまさにコレです。

戦略とは、成し遂げたいことを実現するために、現在と未来を結ぶ具体的なストーリーとゴールが描かれたもの。
要するに、戦略は「どうなりたいか?」の実現ロードマップであり、未来への予応を描くものが戦略と言えます。

マネジメントの機能として求められるのは、この戦略を実現させること。
なぜなら、「戦略の実現=期待した成果をあげた」ことになるからです。

さて、続きまして2つ目の機能のお話、、、

・現在への適応「価値拡大機能」とは

先ほどの戦略実現機能が未来志向の話なら、今度の価値拡大機能は現在志向の話です。

どーんと未来を見据えて実現ロードマップが描けても、目の前の課題は山ほどあるわけです。課題のない組織はないので今の現状も見ないといけない。

ただ、ここでいう目の前の課題への解決というのは、問題が発生した時の対処を指しているのではありません。現在の目標をいかに上手く扱うか、目標をいかにやりぬくか、という話です。

企業であれば常に成長を求めるので目標が現状維持ではNG。常にストレッチでチャレンジングな目標を掲げ、大きな成果を追求していると思います。

そういった高い目標は一人で叶えられるものではありません。一人ひとりが成長して大きな成果を出す必要があります。

そして、1人ひとりの生産性を高めるだけでなく、1+1が2以上になるように、組織全体の相乗効果によって生産性を高めることが求められます。

つまり、1人ではできない大きな成果を生み出すには、人や組織のパフォーマンスを最大化して価値を拡大するマネジメントの機能が必要ということです。

これがもう一つのマネジメントの機能として求められる「価値の拡大=大きな成果をあげる」ことの意味合いにつながります。

私は「Fast Alone, Far Together 」、日本語でいうと「早くやるなら1人でやる、遠くにいくなら皆でやる」というマネジメントの言葉が好きなのですが、まさにコレですね。

ということで、この2つの機能の話から伝えたかったことは、マネジメントには「期待した成果」と「大きな成果」をあげるための機能を果たす必要があるというお話でした。

<今回のQuestions>

以上が2回目のマネプロでお届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?

さいごに、マネジメントの4領域に合わせてQuestionsを考えてみました。

これらの問いかけをコミュニケーションに活用したり、ご自身の状況に合わせて新たな問いを考える機会としていただき、日々のマネジメントにおける変化の起点になれば幸いです。

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※「自分はこう考える」「自分ならこれを問いかける」という考えはぜひTwitterにて「#マネプロ」を付けてつぶやいていただけたら嬉しいです!

<次回にむけて>

マネジメントに求められる考え方について共通理解を持つことはとても大切です。

しかし、考え方は同じで実際に見ている物事も同じはずなのに、人によって捉え方の違いから議論が進まなかったり話が噛み合わないことがあります。

進むべき方向性に対して最初は同じベクトルを向いていたのに途中からベクトルがズレてしまうなんてことも多々あります。私自身もメンバーとの認識の小さなズレから大きなズレに発展してしまい苦い経験をしたことがありました。

このズレの原因は、「視座と視野の問題」が関係していると考えています。
次回のマネプロではこのテーマを深掘りしていきます。

・経営視点と現場視点の視座の違い
・リーダーとマネージャーの視野の違い

次回は2週間後の水曜日。
良かったらぜひnoteのフォローやシェアをお願いします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

読者のみなさんと共にマネジメントの進化を探求できれば何よりです。Twitterのフォロリツ大歓迎です!DMでの感想も是非!(@tsubot0905)

noteで取り上げた内容について、みなさんの持論や新たな問いかけの視点をもらうことでマネジメントの探求がもっと楽しくなるはず。ですので、みなさんからのリアクションを心待ちにしております。よろしくお願いします!

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