ZUUMA|新解釈キングダム・中国古代史妄想局

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読めば漫画キングダムがより楽しくなります。日本と中国を行き来するアントレプレナー。福島県出身。猫が大好きです。勝者によって書き換えられた敗者の歴史を紐解きます。

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キングダム関連インデックス

記事のインデックスページです。 ヤングジャンプで連載中のキングダム考察をまとめました。ネタバレ情報がかなり含まれていますので、読む際にはご注意ください。一応記事内にネタバレ注意と記載してあります。 キングダムに登場する人物等についての考察をまとめました。 キングダムと直接は関係ありませんが、間接的に関係してくるトピックスをまとめました。 考察については、私の妄想がふんだんに盛り込まれています。史実の空白部分を深読みしたり、史実とは異なる見解をあえて考察しています。その

    • 4年かけた執筆が完成

      前回の記事からなんと4か月も経過していました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 実は以前から執筆してきたものがありまして、その最終仕上げに没頭していました。 費やした時間は4年。と言っても本業ではないので、時間を見つけては書いて…の繰り返しでした。A4で86ページ。謎多き呂不韋について、今まで誰も成しえなかった壮大な考察になったと自負しています。ただ、自分は考古学者でも歴史学者でもないので、素人なりに常識を疑ったアプローチをしたいとずっと考えてました。 実は先日、あの御大

      • キングダム第757話考察・三晋の都

        さて、壮絶で感動的な桓騎軍の奮闘に涙した人も多かったのではないでしょうか。本題に入る前に少し振り返ってみましょう。 私は今までの経緯から、「史記・始皇本紀」をベースにして話が進むと思っていました。つまり、桓騎は敗走するものだと考えていました。 原先生は史記・始皇本紀と戦国策・趙策四をブレンドした形で、李牧軍が桓騎を含め桓騎軍の将たちを殲滅することにしました。 こうすることで、桓騎は伝説の秦将となり(敗北し、どこかへ逃亡したというストーリーにしなかった)、李牧率いる趙軍強

        • 時事|桓騎いよいよ…歴史でAIを活用すると酷い結果に

          キングダムでは、桓騎がいよいよ人生最大の傾奇者を演じるところです。楚攻略における名場面になりそうですね。桓騎に従ってきた面々の想いも、桓騎の想いも、実は純粋で激アツだったということが分かります。 ここはあえて考察などせず、キングダムの流れを純粋に楽しむべきだと思っています。 さて、このブログで以前、「呉太伯は日本の天皇家の血脈だ」ということを書いたことがあります。 ハプロ的にも文化的にも間違いとは言い切れないこの件について(むしろ可能性が高いと思っています)、今話題のA

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        • キングダム考察と呂氏
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        • 時事を弄る~JIJIIJIRI
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          羌族の痕跡~姜寨遺跡

          今まで当ブログでは、秦の始皇帝(嬴政)が呂不韋の実子で、父・呂不韋=羌族の血が流れていることをいくつかの方面から考察してきました。 そもそも、嬴政が呂不韋の子であるということについては、中国の正史である「史記」の新始皇本紀や呂不韋伝に明記されていることであるため、考察というのはその裏付けをしてきた、ということになります。 呂不韋が羌族であるということについては、間違いありません。この羌族という一族は、前漢の劉一族に排除されて歴史の表舞台から一時期消えていくわけですが、それ

          キングダム第737話考察・趙人の結束

          やっとの思いで赤麗城入城を果たした、壁をはじめとした秦軍。体力を回復し、攻めてくる趙軍と対峙せんとしていたところ…赤麗城の井戸には毒が仕込まれていました。秦軍は壊滅したわけですが、この戦略を考えたのが趙将・舜水樹です。 秦vs趙の戦いにおいて、鍵となる人物が舜水樹です。その理由は、「地の利」も含めて以前書いたものをぜひご参照ください。 舜水樹の活躍については、恐らく他のキングダム考察で推察できた人はいないと思います。 自らの出身(中山国)まで明かされていた舜水樹ですから

          キングダム第737話考察・趙人の結束

          キングダム第732話考察・砂鬼の術

          久しぶりの考察記事です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 現在の本誌キングダムでは、秦と趙による「肥下の戦い」が行われています。結論から書きますと、この戦いは趙の圧倒的勝利で終わります。 史実では、桓騎軍が赤麗・宜安を占領してから戦いが本格化、李牧が参戦するのですが、キングダムにおいては流れが異なります。李牧は最初から趙軍の指揮を執り、秦軍を追い詰めます。そこから李信軍・蒙恬軍が籠城を目的として宜安を落としました。 赤麗については、宜安奪取前に既に秦軍が落としています。

          キングダム第732話考察・砂鬼の術

          再編集|李信の子孫が中華統一!?①

          中華の古代史を調べているうちに、なんと、秦の始皇帝を統一までサポートする秦の将軍「李信」の家系図にたどり着きました。 とある雑誌の特集からの抜粋なので、きちんと宣伝もさせてください。 (引用:中國紀行CKRM Vol.15/主婦の友ヒットシリーズ) ちょっと見づらいかもしれませんが、この李氏の家系図の頂点が…なんとあの李信なんです!秦の大将軍に上り詰める李信なんです!!キングダムファンならもうここで胸熱じゃないですか!? ここから先は、家系図から掘り下げて行きますので

          再編集|李信の子孫が中華統一!?①

          キングダム第716話考察・打開策の有無

          以前、「図解|肥下の戦い(紀元前233年)」という記事を書きました。今回は、現在のヤングジャンプ本誌キングダムの流れを見ながら改めて解説してみたいと思います。 まずは趙攻略図(更新:趙軍31万人)と前回の記事を。 肥下の戦いにおける史実での時系列を、完結に書いてみました。桓騎軍はまず①赤麗と宜安を占領しています。キングダムでは、ここが描かれていません。 ということは、桓騎軍による趙北伐に関しては「全く成果が無い」という展開が予想されます。李牧の戦略に圧倒され桓騎軍は既に

          キングダム第716話考察・打開策の有無

          キングダム第712話考察・奇跡の前進

          さて、秦vs趙の「肥下の戦い」の火蓋が切って落とされました。この戦いの詳細については以前まとめたので、下記の記事をご参照ください。 キングダム・原先生は始皇本紀をベースにストーリーを組み立てているようなので、この「肥下の戦い」の部分だけを抜粋すると下記です。 以前から書いてきた通り、下記の2点は史記において明らかになっていることで、そのうち①についてはキングダムにおいても史記に沿って描かれています。 問題は②です。 私の考えでは、史実では李牧の参戦はもう少し後だったと

          キングダム第712話考察・奇跡の前進

          キングダム第709話考察・大きな選択

          いよいよ、秦軍が太原に大軍を動員し、趙の宜安に攻め込みます。 今回、確定したことが2点あります。 1点目:王翦はやはり同行しない 以前、「図解|肥下の戦い(紀元前233年)」の記事で書いた通り、王翦軍はやはり宜安攻略戦(肥下の戦い)に参戦しません。 王翦は、史実では無敗の大将軍です。秦が大敗する肥下の戦いには参戦しないと思っていました。よって、王翦が同行しないという設定は、キャラ設定的にも史実的にも実は非常に重要です。 よって、原先生が王翦軍を参戦させなかったことは

          キングダム第709話考察・大きな選択

          考察|中山国~舜水樹を登場させた意味を考える

          今日はストーリーの考察ではありませんが、この人物について少し。 趙将・舜水樹(しゅんすいじゅ)です。李牧の右腕のような存在ですが、趙の中でも徐々に存在感を高めています。個人的には、趙将の中で舜水樹が最後まで生き残る将だと考えています。 そのあたりはおいおい書くとしまして、第706話の中での虎白公との会話でキーワードが出てきました。 「北の狄の血を引く部外者」と虎白公に言われています。以前にも、異民族の血が流れていることが描かれていましたね。ここでポイントは2つ。 1つ

          考察|中山国~舜水樹を登場させた意味を考える

          大感謝|2021年を振り返って

          2021年最後の記事です。 今年もたくさんの方に記事を読んで頂き、本当に感謝しております。2021年の記録を掲載しておきます。 今年は、漫画キングダムの考察記事を書きつつ、呂氏の謎を掘り下げてきました。考察では地理的考察に加え、史実との相違点を。と言っても、史実と大幅に異なる脚色は無く、本当に小さな相違点だったと思います。呂氏については、史実を疑うところからスタートして、いくつか新しい発見が出来たと考えています。 最も良く読まれた記事が考察記事ではなかったというところが

          キングダム第703話考察・逆手の大戦略

          前回、肥下の戦いの図解記事を書きました。 本誌キングダム第703話で、キングダムにおける秦・趙の行軍ルートが分かりましたので引用させて頂きます。 なんと! 桓騎軍は王翦軍と合流し、太行山脈を越えずに閼与(あつよ)から宜安を目指すことに。これはかなり史実とは異なる展開かと思われます。 趙の長城については、下記の考察で詳しく記載致しました。 記載した通り、趙の長城は太行山脈の東麓から始まり、西に160kmに伸びた大きな長城です。よって、今回のキングダムで描かれたように、秦

          キングダム第703話考察・逆手の大戦略

          図解|肥下の戦い(紀元前233年)

          宜安(現在の、河北省石家荘市藁城区・南西部)での戦いがスタートする前に、このエリアでの一連の戦が「肥下の戦い」と呼ばれていますので、この戦いがどのようなものであったのかをいつもの図解を作成してまとめておきたいと思います。また、史実と本誌キングダムの違いについても書いておきたいと思います。 まず、戦のあらすじから。 1.肥下の戦い全貌 2.秦と趙の進軍ルート Baidu百科には、秦軍と趙軍の進軍ルートもあります。 この図を見ると、趙は北方(国境警備)と南方(王都邯鄲)

          図解|肥下の戦い(紀元前233年)

          キングダム第702話考察・驚くべきもの

          史実通り、李牧が「地の利」を活かせるであろう宜安(ぎあん)に決戦の舞台が移っていくようです。 漳滏長城 一方、平陽城と武城を攻略中の王翦は、邯鄲の南に「長城」を発見します。この長城ですが、史実でもその存在の痕跡が残っています。恐らく、邯鄲南にあった漳滏長城だと思います。 この長城を建設した時、趙は武霊王(紀元前340~紀元前295年)の時代。李牧は紀元前229年に亡くなってるので、紀元前333年の長城建設時には生まれてない可能性が高いと思います。よって、本誌キングダムで

          キングダム第702話考察・驚くべきもの