ZUUMA|新解釈キングダム・中国古代史妄想局

読めば漫画キングダムがより楽しくなります。日本と中国を行き来するアントレプレナー。福島…

ZUUMA|新解釈キングダム・中国古代史妄想局

読めば漫画キングダムがより楽しくなります。日本と中国を行き来するアントレプレナー。福島県出身。猫が大好きです。勝者によって書き換えられた敗者の歴史を紐解きます。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

キングダム関連インデックス

記事のインデックスページです。 ヤングジャンプで連載中のキングダム考察をまとめました。ネタバレ情報がかなり含まれていますので、読む際にはご注意ください。一応記事内にネタバレ注意と記載してあります。 キングダムに登場する人物等についての考察をまとめました。 キングダムと直接は関係ありませんが、間接的に関係してくるトピックスをまとめました。 考察については、私の妄想がふんだんに盛り込まれています。史実の空白部分を深読みしたり、史実とは異なる見解をあえて考察しています。その

    • 南朝論を主張した徳川光圀

      かつて、天皇家が北朝と南朝に分かれて対立したことがあったのは、学校の歴史の授業で学びました。では、現在の天皇(徳仁天皇)が北朝か南朝か問われた時に、答えられる日本人はどれくらいいるのでしょうか。 答えを先に書くと、北朝です。 上記の天皇系図は、宮内庁が公開しているものです。北朝初代天皇の光厳天皇まで遡れば、良く分かると思います。現在の天皇家が北朝の子孫であることは、議論の余地の無い事実なのです。 「大日本史」を編纂した水戸・徳川光圀のことを知らない人はほとんどいないと思

      • 図解|太行八陘から見る趙包囲ルート

        新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。 昨年は「歴史から消された呂不韋の真実」を出版して、このブログで書いてきたことの1つの集大成となった気がしています。皆様に応援いただいた結果でもありますし、本当に感謝してます。 まだ読まれていない方は、ぜひお手に取ってくださると嬉しいです。まだ書き加えたいこともあるのですが、それは次回のお楽しみということで、引き続き歴史の探求をしていきたいと考えています。 キングダムで展開される「秦の趙攻略戦」

        • 出版|歴史から消された呂不韋の真実

          今まで呂不韋について執筆してきた考察をさらに深掘りし、まとめたものが出版されましたのでお知らせいたします。 以下のブックストアで購入できます。現在は電子版のみですが、書籍のご希望も多いので検討中です。 BBCCK AMAZON 紀伊國屋書店 ソニー・ストア 私は学者でもなければ作家でもないので、エンタメ要素を持たせつつも、できる限り史書を引用しながら執筆しました。歴史が好きな方にも、そうでない方にも、楽しんでいただける本になったと思っています。Kindleに転送して読む

        • 固定された記事

        マガジン

        • キングダム考察と呂氏
          109本
        • 時事を弄る~JIJIIJIRI
          48本

        記事

          キングダム第771考察・雪辱戦

          さて、久々の考察です。 時は紀元前232年、秦と趙による番吾の戦いが描かれようとしています。 壁の視点キングダム本誌では、史書にはない面白い構図が1つ形成されています。皆さんご存じの、秦将・壁。彼が捕虜として使役させられているのが、番吾という設定になっているのです。 その壁曰く「ここ(番吾)にはすでに李牧の罠が仕掛けてある」というコマがあり、壁はその罠の存在に気づいている模様です。他のコマもくまなく見たのですが、それがどんな罠なのかはまだ分かりません。この史書にない設定

          4年かけた執筆が完成

          前回の記事からなんと4か月も経過していました。皆様いかがお過ごしでしょうか。 実は以前から執筆してきたものがありまして、その最終仕上げに没頭していました。 費やした時間は4年。と言っても本業ではないので、時間を見つけては書いて…の繰り返しでした。A4で86ページ。謎多き呂不韋について、今まで誰も成しえなかった壮大な考察になったと自負しています。ただ、自分は考古学者でも歴史学者でもないので、素人なりに常識を疑ったアプローチをしたいとずっと考えてました。 実は先日、あの御大

          キングダム第757話考察・三晋の都

          さて、壮絶で感動的な桓騎軍の奮闘に涙した人も多かったのではないでしょうか。本題に入る前に少し振り返ってみましょう。 私は今までの経緯から、「史記・始皇本紀」をベースにして話が進むと思っていました。つまり、桓騎は敗走するものだと考えていました。 原先生は史記・始皇本紀と戦国策・趙策四をブレンドした形で、李牧軍が桓騎を含め桓騎軍の将たちを殲滅することにしました。 こうすることで、桓騎は伝説の秦将となり(敗北し、どこかへ逃亡したというストーリーにしなかった)、李牧率いる趙軍強

          時事|桓騎いよいよ…歴史でAIを活用すると酷い結果に

          キングダムでは、桓騎がいよいよ人生最大の傾奇者を演じるところです。楚攻略における名場面になりそうですね。桓騎に従ってきた面々の想いも、桓騎の想いも、実は純粋で激アツだったということが分かります。 ここはあえて考察などせず、キングダムの流れを純粋に楽しむべきだと思っています。 さて、このブログで以前、「呉太伯は日本の天皇家の血脈だ」ということを書いたことがあります。 ハプロ的にも文化的にも間違いとは言い切れないこの件について(むしろ可能性が高いと思っています)、今話題のA

          時事|桓騎いよいよ…歴史でAIを活用すると酷い結果に

          羌族の痕跡~姜寨遺跡

          今まで当ブログでは、秦の始皇帝(嬴政)が呂不韋の実子で、父・呂不韋=羌族の血が流れていることをいくつかの方面から考察してきました。 そもそも、嬴政が呂不韋の子であるということについては、中国の正史である「史記」の新始皇本紀や呂不韋伝に明記されていることであるため、考察というのはその裏付けをしてきた、ということになります。 呂不韋が羌族であるということについては、間違いありません。この羌族という一族は、前漢の劉一族に排除されて歴史の表舞台から一時期消えていくわけですが、それ

          キングダム第737話考察・趙人の結束

          やっとの思いで赤麗城入城を果たした、壁をはじめとした秦軍。体力を回復し、攻めてくる趙軍と対峙せんとしていたところ…赤麗城の井戸には毒が仕込まれていました。秦軍は壊滅したわけですが、この戦略を考えたのが趙将・舜水樹です。 秦vs趙の戦いにおいて、鍵となる人物が舜水樹です。その理由は、「地の利」も含めて以前書いたものをぜひご参照ください。 舜水樹の活躍については、恐らく他のキングダム考察で推察できた人はいないと思います。 自らの出身(中山国)まで明かされていた舜水樹ですから

          キングダム第737話考察・趙人の結束

          キングダム第732話考察・砂鬼の術

          久しぶりの考察記事です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 現在の本誌キングダムでは、秦と趙による「肥下の戦い」が行われています。結論から書きますと、この戦いは趙の圧倒的勝利で終わります。 史実では、桓騎軍が赤麗・宜安を占領してから戦いが本格化、李牧が参戦するのですが、キングダムにおいては流れが異なります。李牧は最初から趙軍の指揮を執り、秦軍を追い詰めます。そこから李信軍・蒙恬軍が籠城を目的として宜安を落としました。 赤麗については、宜安奪取前に既に秦軍が落としています。

          キングダム第732話考察・砂鬼の術

          再編集|李信の子孫が中華統一!?①

          中華の古代史を調べているうちに、なんと、秦の始皇帝を統一までサポートする秦の将軍「李信」の家系図にたどり着きました。 とある雑誌の特集からの抜粋なので、きちんと宣伝もさせてください。 (引用:中國紀行CKRM Vol.15/主婦の友ヒットシリーズ) ちょっと見づらいかもしれませんが、この李氏の家系図の頂点が…なんとあの李信なんです!秦の大将軍に上り詰める李信なんです!!キングダムファンならもうここで胸熱じゃないですか!? ここから先は、家系図から掘り下げて行きますので

          再編集|李信の子孫が中華統一!?①

          キングダム第716話考察・打開策の有無

          以前、「図解|肥下の戦い(紀元前233年)」という記事を書きました。今回は、現在のヤングジャンプ本誌キングダムの流れを見ながら改めて解説してみたいと思います。 まずは趙攻略図(更新:趙軍31万人)と前回の記事を。 肥下の戦いにおける史実での時系列を、完結に書いてみました。桓騎軍はまず①赤麗と宜安を占領しています。キングダムでは、ここが描かれていません。 ということは、桓騎軍による趙北伐に関しては「全く成果が無い」という展開が予想されます。李牧の戦略に圧倒され桓騎軍は既に

          キングダム第716話考察・打開策の有無

          キングダム第712話考察・奇跡の前進

          さて、秦vs趙の「肥下の戦い」の火蓋が切って落とされました。この戦いの詳細については以前まとめたので、下記の記事をご参照ください。 キングダム・原先生は始皇本紀をベースにストーリーを組み立てているようなので、この「肥下の戦い」の部分だけを抜粋すると下記です。 以前から書いてきた通り、下記の2点は史記において明らかになっていることで、そのうち①についてはキングダムにおいても史記に沿って描かれています。 問題は②です。 私の考えでは、史実では李牧の参戦はもう少し後だったと

          キングダム第712話考察・奇跡の前進

          キングダム第709話考察・大きな選択

          いよいよ、秦軍が太原に大軍を動員し、趙の宜安に攻め込みます。 今回、確定したことが2点あります。 1点目:王翦はやはり同行しない 以前、「図解|肥下の戦い(紀元前233年)」の記事で書いた通り、王翦軍はやはり宜安攻略戦(肥下の戦い)に参戦しません。 王翦は、史実では無敗の大将軍です。秦が大敗する肥下の戦いには参戦しないと思っていました。よって、王翦が同行しないという設定は、キャラ設定的にも史実的にも実は非常に重要です。 よって、原先生が王翦軍を参戦させなかったことは

          キングダム第709話考察・大きな選択

          考察|中山国~舜水樹を登場させた意味を考える

          今日はストーリーの考察ではありませんが、この人物について少し。 趙将・舜水樹(しゅんすいじゅ)です。李牧の右腕のような存在ですが、趙の中でも徐々に存在感を高めています。個人的には、趙将の中で舜水樹が最後まで生き残る将だと考えています。 そのあたりはおいおい書くとしまして、第706話の中での虎白公との会話でキーワードが出てきました。 「北の狄の血を引く部外者」と虎白公に言われています。以前にも、異民族の血が流れていることが描かれていましたね。ここでポイントは2つ。 1つ

          考察|中山国~舜水樹を登場させた意味を考える