キングダム第757話考察・三晋の都
さて、壮絶で感動的な桓騎軍の奮闘に涙した人も多かったのではないでしょうか。本題に入る前に少し振り返ってみましょう。
私は今までの経緯から、「史記・始皇本紀」をベースにして話が進むと思っていました。つまり、桓騎は敗走するものだと考えていました。
原先生は史記・始皇本紀と戦国策・趙策四をブレンドした形で、李牧軍が桓騎を含め桓騎軍の将たちを殲滅することにしました。
こうすることで、桓騎は伝説の秦将となり(敗北し、どこかへ逃亡したというストーリーにしなかった)、李牧率いる趙軍強し…という印象が強烈に描かれたと思います。今までも、様々な将軍の死から想いを引き継いできた李信が、桓騎から引き継いだものは一体何なのでしょう。
前置きが少し長くなりましたが、この「想い」が試されるのが、757話からのストーリーになると考えています。
騰「ある意味厄介な国だぞ韓は」
…少し補足しますと、騰はもともと韓の出身なんですよね。
李信に「人は生まれながらにして善か悪か」と質問してきた韓の男は、どうやら韓非のようです。
李信は一体、どのように答えるのでしょう。
ここで少し、議題になりそうな性善説と性悪説について書いておきたいと思いました。
性悪説は「人は生まれながらにして悪である」と理解されていることが多いと思いますが、実はそうではなく、もともとは画像の通り「人は本来弱く、努力することで善を獲得できる」という思想です。悪いわけではなくて弱い、ということ。韓非は史記において、荀子の弟子とされています(諸説あり)。その韓非が、「善か悪か」と李信に問いかけたのは、意外でした。
この韓非、史実では韓非の能力を恐れた李斯に服毒自殺を勧められたようです。キングダムのストーリー的に必要かな?と正直思ったのですが、韓非と李信が絡んだ事実は史実には存在しないため、何らかの伏線になりそうです。
現在は、肥下の戦いが終わったところなので、紀元前233年のことでしょう。ここから3年後、紀元前230年に韓は滅ぶことになります。ただ、その前に紀元前232年・番吾の戦いによって秦軍はまた李牧に破れることになります。李信は迷いながら番吾の戦いにも参戦するのでしょうか。
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