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本日開店!KAME’S BARの巻📚

前作、『兄さん、事件です。やらかしました!の巻』からのアフターストーリーになります。

やらかした、腹黒グラッちゃんに取り残された私。

切ない想いを断ち切り、心奮い立たせ前に進もうと闘う姿をご覧いただけたら幸いです。
 
 
【前回のあらすじ】
 
ブドウちゃんの牙を散り去るべく、市民病院に向かうグラッちゃん。
何故か半笑いの変な目をしている。

やらかしたグラッちゃんに置き去りされた私。

走り去るグラッちゃんの車。

ブレーキランプ3回点滅。
あ・い・し・て・る のサインはなかった。
(未来予想図Ⅱより)

そして私は天を仰いだ。
 

 
【本 編】
 
いかなる時もパニックにならず冷静に、私は次の策を頭の中で巡らせていた。
 
車の中でお一人様キャンセルの連絡を入れた。
 
お一人様、ソロキャンプ決行だ!
 
そうと決めたら、時間を無駄には出来ない。
直ぐ様、安全運転で現地に向かう。
途中、食料と薪を張達する。
 
出遅れた割には、当初の予定時間には現地到着した。

まずは、メスティンで鳥飯を仕込み、
その間にテントを設営する。
 
段取り良く、設営後にランチタイム。
中々の出来である。
旨し!

旨カメさん!
心の叫び。
一人では流石に大声で叫べない。
 
テント内の寝床も準備が出来たので、温泉に向かうことにする。
山道をゆっくり散策。

カメ散歩である。
樹々から溢れるマイナスイオンを身体一杯に吸い込む。

ふぇ~くしょん。

辺りに響き渡るクシャミ。
これもまた、おつ。
 
ぶらぶら歩くこと15分、温泉到着。
サウナも完備され、広さも申し分ない。
そう、今日は異国の裸の王国に入国だ。
詳しくは、「裸の王国!?の巻」にて。
 
サウナでしっかり整えてテントサイト戻る。
薪を適当な大きさに切り割し、焚き火の準備。
夕陽が沈んでゆく。
若干、風が出てきた。
 
少し早いが薪に火を付け夕食の準備に取りかかる。
火起こしには、麻紐を解きワタ状にした物に北海道でシャケ釣りの合間に拾い集めた白樺の皮で囲む。
そしてマグネ棒を擦り火花を飛ばして着火する。

キャンプの醍醐味である。

何故、簡単に着火剤で火付けしないのかって、そんな野暮なこと聞くんじゃねぇよ。
結構、簡単に出来るんだぜ。
その額からは汗が滲んでいた。
時間のある時に、楽しんで下さい。


 今日の夕飯は、トムヤンクン風お鍋。
まだまだ冷え込むこの時期には身体が暖まって美味しくいただける。
鍋仕立てのダッジオーブンを直火にかけ、
仕込んでいく。
薄暗くなってきたので、ランタンに火を灯す。

 
いい香りがしてきた。
出来上がりだ。
 
くぅ~、旨し。
旨カメさん!
出ました。
本日、2回目!
 
ふと空を見上げると、満天の星空になっていた。
 
もっと綺麗に星を見るためにランタンの灯りも消してみる。

天然プラレタリューム、360度のスクリーン。
当然、足元のスクリーンに星はない。
あっ、星砂。
それステキ!
 
あっ、はぁっ。
流れ星!
お願い事を。
3回唱える間もなく、過ぎ去って行く。
ちょっと、待ったりんかいな。

そうつぶやく私に突っ込んでくれるガヤは居なかった。
風がより一層冷たく感じる。
 
シェラカップに取り分けた鍋も冷めるのが早い。
入れ直したスープで身体を温める。
 
そろそろ始めるか。
独り言をボソボソ言いながら準備を始める。
 
テーブルにスポットライト、スコッチにアーモンドナッツ。

若かりし頃は硬いのが好きだったこともありピスタチオを殻ごと食べていた。
ワイルドだろう~。
しかし、今の歳になり災いしているのか歯にガダが来ている。
皆様、ピスタチオを食する際に殻を取り除いてお召し上がり下さいませ。
 
 
それではお待たせいたしました。
KAME’S BAR開店! パンパカパーン。
本日、生ウクレレ引き語り演奏! 
お静かにお願い致します。
 
ロックで一杯やりたかったが、寒いのでホットウイスキーとしました。
 
そして、ウクレレを取り出す。
チューニング。
結構、音が響く。
天然エコーがかかる。
お値段以上、実力以上に上手く聴こえるのではあるまいか。

野外演奏に胸が高鳴る。
 
ふと我に帰ると辺りは静まり返り、ウクレレの音だけがこだまする。
ビビるくらいに響き渡っていたのである。

遠く離れたキャンパー達の声が何を言っているのか聞き取れない程度に何やら聞こえて来る。
 
もしや隣人のキャンパーにご迷惑をかけてやしまいか。
それとも有線みた~い、歌手みたい。
と聞き入っているのか。
よせやい、照れるじゃないか。
妄想に耽る。
 
時の頃は、まだ早い20時前くらい。
もう一曲くらいと、気を取り直し奏でていると、今度は遠くから私のウクレレに合わせる様に犬が歌ってきた。
草木で姿こそ見えはしないが、タヌキやウリ坊達も聞いていることでしょう。
次第に犬の歌声が大きくなってゆく。

うむっ。
これは、もしや遠吠えでは。

その犬の遠越えは、ずいぶん遠い山向こうの谷から聞こえるようであった。
ウクレレの音色はどこまで響き渡っているのか。
野犬を呼び寄せても何ですので、今日のところはこれぐらいにしといてやることにする。

苦情が出る前に辞めておかなければ、出禁になるやもしれない。
少し物足りないが、ウクレレを置くことにした。
しかし、KAME’S BARはまだまだ営業中である。
満点の星空をアテにホットウイスキーをやる。
 
薪をくべながら
『 ウイスキーがお好きでしょ もう少ししゃべりましょ ありふれた話でしょ それでいいの 今は 』
いつの間にか口ずさんでいた。

今夜は最高!
ほろ酔い気分。

グラッちゃん、その他関係者にLINEを送りまくる。
レスポンス良く返信が届く。
今回、野外生ライブ配信予定であったがカメラマン不在のため断念。

第一回目にしては、こんなもんでしょう。
 
時間は23時。
このくらいにしとくか。
KAME’S BAR閉店、ガラガラ。
 
次回のご参加お待ちしております。
 
ほんじゃねー。
 
 
良い夢が見られますように。
お休みなさい。
チュッ!

おぇ〜。
チュッって、何すんねんってか。
お気になさらず。
火遊びしたからオネショしないかな。
 
そやっ、エエこと思い付いた!
 
ペットボトルを尿瓶がわりに横に置く。
ペットボトルじゃちょっと小さいかな、アロマコーヒーの飲口の大きいやつであればなんとか。

お茶と間違わないように注意が必要ですが!
なんてね。
これって、ペットボトルだと大きさも合いそうやし使い方によっちゃ、ナニに差し込んだら大にも使えるかも。
キャップも出来るし、ニオイも防ぐなんてねー。

ほんで、検便の時に使うあれよ、アレ。
プラッチックの綿棒みたいな水色のでスジの入ったヤツ。
その部位がキャップのネジになると閉めた時に手に付くんとちゃうかな。

想像厳禁!!
手遅れでしたか。
 
催した際は、お近くの厠へレッツらGO!
我こそはと、お試しの際は自己責任でお願い致します。
 
何か最後に香りが漂うようで、申し訳ございません。
 
あっ!また、エエこと思い付いた!

もう、いいっ。
 
あらまっ、お後がよろしいようで。
 
どこらへんが。

 
 
おしまい

by まるまるの虫 カメさん

 
【あとがき】
 
やりたい事は一人でもやる。

決めた事をやり通す。

ソロキャンプはソロの楽しみ方がありますが、
仲間とのキャンプは、その場を共有、共感でき楽しみは倍増し思い出の一コマに刻み込まれる事でしょう。

あなたは、どちら派でしょうか。

色んな楽しみ方を味わって下さいね!

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