てくてく

着付け師と家族ものがたり 知人やお客様から見聞きした、心温まるエピソードや家族について綴ったり/ 着付け師着付け講師としての活動を投稿 のんびり更新ですが、どうぞ宜しくお願いします。 https://www.instagram.com/tekutekukimonomichi/

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    最近の記事

    着付け師という副業のすすめ

    以前、別のブログで投稿した記事をnoteにも残しておこうと思います。(2021年に投稿した内容を一部修正して投稿しております。) 着付け師という仕事 着付け師とは、その名の通り着物を他者に着せて差し上げるお仕事です。"着せ付け"などといったりもします。 雑誌や映像なのでモデルさんにお着付けする商業用着付けと、一般のお客様にお着付けする着付けと、大きく分けて2パターンあります。 同じ"着付け"ですが、実はそれぞれ着付けの目的(見せ方)が異なるため、着付けの際に気をつけるポ

      • 〜”初めの一歩”を踏み出せずにいる方へ〜

        着付け師をしていると着物を通して見聞きするあたたかい想いやエピソードとよく出会う。そんな素敵な出来事・お話しを、私の中だけで閉じ込めておくのは勿体無い。少しでも多くの方にお裾分けできたらな。という思いで始まったこちらの着付け師noteですが、そういえば、着付け師として着物に関わる私自身の想いのようなものをお届けしていなかったと、ふと気がつきました。 着物が日常着であった頃は、自分で着るのが当たり前、着物の着方は親から教わり手順もその人それぞれで、当たり前のように着用していま

        • 辞める勇気

          今までやってきた事を辞めるのって勇気がいる。 新しい事を始める時も勇気がいるけれど、 きっと、辞める時の方が勇気がいる気がする。 だって、"途中で諦める"みたいで、ネガティブな事のように感じるから。 でも、勇気を出して、やめることにした。 2015年12月。SNSなど全くやった事のない私が、産まれたての着付け師として何かを始めようと、アメブロを投稿し始めました。 なぜアメブロなのか。 理由は、当時の先生がアメブロを書いていたから。 それ以外のツールを知らなかったし、わ

          • 誰も知らなかった、おばあちゃんの想い。

            このnoteは、着付け師着付け講師として働いていると出会う、「家族の物語り」を基に綴っています。 え、いらないよ。ポイ。っとせずに、”おばあちゃんが大切にしていた着物を着てみたい”と、引き取って下さったことに、着物好きの一人としてとても嬉しく思いました。 早速ご自宅にお伺いし、引き取られたお着物たちを拝見。 着物やコートが7着、帯が4~5本くらいだったでしょうか。その他着付け小物類が少しございました。一つ一つ畳紙(着物が包まれている紙の袋)を広げ、この子は何者なのかをご説

            かたちを変えても そばに置きたいもの

            礼装の際に使用する「袋帯」 私には、ずっと気がかりな袋帯がある。その帯は、銀糸で織られた、袋帯のなかでも格の一番高い黒留袖用の帯だ。つまりは、人生の中でそうそう出番の来ない帯ということだ。 持ち主である母はもう他界しており、仮に自分が使用するとしても、何十年も先になるであろう息子の結婚式の時になるだろう。 さて、どうしたものか。 もう一つ私を困らせているのが、その帯の柄。一般的な正倉院文様や吉祥文様ならそのまま箪笥に眠らせて置くのも手だが、可愛らしい椿の文様なのだ。プ

            結納で詠んだ祖父の歌

            結納式に向かわれるご両人のお着付けをさせて頂きました。 結ばれるお二方だけではなく、ご両家も結ばれ一つに納まることを意味する結納。古来からの日本伝統の儀式ですが、価値観の多様化などもあり、略式結納、結納を行わない方、ご両家お顔合わせのお食事会にされる方など、現在は様々な形がとられています。 「結納 される方は少ないのでしょうか、、、」 とお嬢様。 「確かに私どもの一つ前の世代と比べると、割合的には少なくなっているのかもしれませんが、結納いいですよ。私もやりました。」

            どんどん集まってくる

            着物好きなんだって? よかったらウチの着物もらってくれない? 私自身もそうですが、生徒さん達からもよく聞くお話しです。いわゆる、着物好きあるあるですね。 着用しない着物があったら頂けませんか?とわざわざ言わなくても、どこからか情報を得た親戚や実家のご近所さんから、どんどん着物が集まってきます。サイズが合わなかったり、汚れがあったりで、中には着用できないものもありますが、有り難く頂戴し、うまいこと活用させて頂いております。 ある生徒さんのお話し。 普段着着物が好きで、

            あばあちゃんの帯

            あるお客様のお話し。 七五三のお着付けを担当させて頂きました。7歳の女の子です。小柄で恥ずかしがり屋さんの女の子。でも着物が着られるのを喜んでくれているのか、時々ハニカミながら「かわいい、、、。」と呟いてくれていました。はぁぁ〜(ため息)。癒されます。そんなあなたが可愛いわよ。と心で思いながら、丁寧にお着付けさせて頂きました。 ご用意頂いたお着物は、お母様が七五三の時にお召しになったお着物と、帯はお祖母様が七五三の時に使用したものでした。大切に保管して下さっていたのでしょ

            これからの七五三について真剣に考えた

            着付け師、着付講師として活動し、数多くのハレの日に立ち会ってきて思うこと。それは、一回一回のお着付けが、お客様にとっては一生に一度の本当に本当の特別な日であるということ。 生後1ヶ月のお宮参りから始まり、七五三、入学式、卒業式、十三詣り、成人式、結婚式。子供の成長と健康を祈りながら、日々の平穏に感謝する。幼少期の成長は著しく、今日のこの子は今日しかいない。次の日には一つ成長したこの子になっている。 時間の流れが早くなり、慌ただしい日々を送っているからこそ、ひとつの区切りで

            結納

            結納の日のお着付けを担当させて頂いた時のおはなし。 「本日はおめでとうございます。お天気も良くてよかったですね。」と、お声掛けさせて頂きながらお嬢様のお着付けをしておりました。 「結納なんてやらなくてもいいかなぁと思ったんですけどね。」と照れながら話すお嬢様に対して、「やっぱり区切りですし、けじめとしてやっておきたかったんです。私のわがままなんです。」と、お着替えの様子をご覧になりながら、少し寂しそうにお話しになったお母様。 「私たちの時代は当たり前のように結納をしてい

            家紋に込められた母の想い

            嫁ぎ先で恥をかかないようにさ、ちゃんと準備したからさ、お父さんには内緒だよ。 今時嫁入り道具なんていらないし、そもそも都会のマンションじゃ狭くて箪笥なんて入らないよ。と伝えておいたが、冬用夏用の着物喪服一式と、それがちょうど納まるローチェスト型の桐箪笥を用意してくれた母。父には内緒ということは、そんなのいらないだろと言われたのかもしれない。 家紋はウチの家紋を入れたからね。黒留袖は柄の好みもあるし、必要になった時に嫁ぎ先の家紋をいれて用意したらいい、と母。親類一同集まる葬

            おばあちゃんに見せたくて

            着付け師という職業柄、お客様とお会いする日のほとんどがお祝いの日。 お客様のご自宅や美容室に伺いお着付けさせて頂く場合と、大きな会場で多くのお客様を対応させて頂く場合があります。 そんな中で出会った、あったかエピソードをご紹介。 桜が咲き始めた3月中旬。ある卒業式袴着付け会場で、たくさんのお嬢様の対応をさせて頂いておりました。その中で、袴と、少し落ち着いたふんわりと柔らかい桜色や翡翠色が散りばめられた小紋をお持ちのお嬢様がいらっしゃいました。 優しいお色ですね。と、お

            義母と亡き義父の思い出

            着付けを習い始めたと義母に話した。 着物好きな義母はとても喜んでくれ、自分はもう着ないからと、着物と帯をいくつか譲ってくれた。そのなかにひと際可愛らしい着物があった。若緑色(わかみどりいろ)の地色に撫子色(なでしこいろ)の花の柄が散りばめられた小紋。 「かわいいですね、この着物。」思わず声に出すと、義母は嬉しそうに 「結婚する前に着ていた着物なんだよ。かわいいでしょ。お気に入りだったんだけど、もう年齢的に着られないからあげるわね。」 お父さん(義母の夫)とのデートでも

            はじめまして。

            着付け師着付け講師のてくてくです。着物に携わるお仕事をしております。今年の秋から七五三に特化した新サービスを始めようと、只今絶賛準備中です。 日常生活の中では、着物と触れ合う機会が少なくなっている昨今ですが、それでも、行事ごとでは着物を着たいと仰ってくださる方はまだまだ多くいらっしゃいます。お子さんのお宮参りから、七五三、入卒業式、十三詣り、成人式、結婚式。こうやって挙げてみると着物は子供の成長と共にあるのではないでしょうか。 親から子へ、子から孫へ、代々受け継がれていく