結納で詠んだ祖父の歌
結納式に向かわれるご両人のお着付けをさせて頂きました。
結ばれるお二方だけではなく、ご両家も結ばれ一つに納まることを意味する結納。古来からの日本伝統の儀式ですが、価値観の多様化などもあり、略式結納、結納を行わない方、ご両家お顔合わせのお食事会にされる方など、現在は様々な形がとられています。
「結納 される方は少ないのでしょうか、、、」
とお嬢様。
「確かに私どもの一つ前の世代と比べると、割合的には少なくなっているのかもしれませんが、結納いいですよ。私もやりました。」
当時は若かったこともあり、結納の有り難みもわからず、今では記憶もほとんどありませんが、大切に迎え入れてもらったこと、丁寧に送り出してもらえたこと、今では感謝していますし、自分の子供にもそのようにしてあげたいと思っています。
と、お嬢様にお話しさせて頂きました。
仕事を終え帰宅すると、結納の際に祖父が歌を詠んでくれたことを思い出しました。クローゼットの中から、埃にまみれた結婚式関連の段ボールを引っ張り出し、半紙に書かれた祖父の短歌を取り出しました。
結納は地元では有名な鴨料理のお店で行いました。嬉しそうに饒舌に喋り続ける亡き祖父の姿を思い出します。
水澄める川をのぼれる つがいの鴨の 愛のさざ波 岸辺におよぶ
要
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