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侍の美的感覚を支え続けた伝統工芸、その技が奏でる“音”の魅力を旅する


ホテルの空間をその地域の音で包んでその地域をより感じて欲しい。

そんな想いでホテル空間のためのBGMを作り始めたのが2020年のコロナ禍における自粛期間でした。


音でその地域ならではの空間を生み出す。

そんなことを考えていました。


地域の音というのは自然が生み出す音もあればその地域の楽器が奏でる音もそしてその地域の伝統工芸を作り出す過程で生まれる音もあります。

その街でしか響かない音があります。

音も多種多様であると気づいて音を探すのが楽しみになりました。


そんな音の中で地域の伝統工芸の中での第一弾。

熊本に代々伝わる「肥後象嵌」(ひごぞうがん)という伝統工芸があります。

象嵌というのは”かたどってはめる”と書きます。


肥後象嵌に関して書いた以前の記事はこちら ↓


お恥ずかしながら私は今までこの象嵌という技術を知らず、熊本の音を探すという過程の中で教えてもらい知ることになります。

そこで稲田光秀さんという象嵌職人を紹介いただき、会いにいくことになります。

熊本市西区に位置する金峰山の中腹に稲田さんの工房はあります。

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金峰山(Wikipediaより)


この工房で作り出される象嵌は400年前から戦国武将としても名を馳せたあの加藤清正に仕え、その後、肥後藩主の細川家まで仕えた鉄砲鍛冶の林又七が、銃身や刀の鍔(つば)に九曜紋(くようもん)などの装飾を施したことが始まりとされ、武家文化の隆盛と共に発展したそうです。

武器の装飾にまで徹底的にこだわっていた昔の侍は、“美的感覚”に研ぎ澄まされていたのでしょう。

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2016年に開催されたG7伊勢志摩サミットで、各国首脳などへの贈呈品として肥後象嵌を施した万年筆が贈られたという記事も見つけました。


2017年にはレクサスニュータクミプロジェクトにもサムライをコンセプトに生み出されたジュエリーを発表しています。



そんな400年にも及ぶ歴史を持つ伝統工芸の技術を”音”という視点で映像にしました。

刻み、打ち込み、削り、そんな伝統の技を”音”で楽しんでもらえればと思います。


肥後象嵌を音で旅してみてください。



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