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「調整力」と「競争力」をちゃんと抱えよう。

 他人と仲良くし、協力して働かなければならない。労働とはそういうもので、「調整力」が全てだと言われるくらいに、スムーズに物事を進めるための能力やルールが必要になる。
 しかし一方で、そればかりにとらわれて、スピード感がなく、判断が遅れ、機会を逃すということもある。その場合に必要なのは瞬時に物事を決めることであり、言ってみれば他者との「競争力」が必要なのだ。

 この2つは矛盾している。つまり、誰かと手を取り合うことと、誰かを突き放すこと。どちらかが大切なのではなく、どちらも大切であり、しかも同時に必要なのだ。いわば働くこととは常に「調整」し「競争」せねばならない。誰と手を取り合うか、誰を突き放すかを決めて実行していく。そういう考え方が求められる。
 しかし往々にして、このどちらかに偏るというのが、私達が労働を基本として生きていく上での悩みとなる。自覚していようが今井が、偏ってしまうのだ。調整力は伝統性に繋がり、競争力は革新性を呼ぶ。元来、この2つは対局に位置するものと言えるから、そのちょうど真中を、あるいは両取りして歩み続けることはとても大変だ。
 人は、大変なことをわざわざやろうとは思えない。そして楽に偏り、片方を捨て去る。対立が生まれ、本当に必要な益が取れなくなってしまう。働く上で、そしてビジネスをする上でこれは致命傷になる。

 だから重要なのはまず、この「調整力」と「競争力」のどちらも必要だと知っておくこと。そして、偏らないように注意するのではなく(それは難しいから)、今、自分がどちらかに偏っているのかを認識できるようにすることだ。それはふと1人になった時とか、頭を冷やしたり、一瞬でも仕事から離れたりすることで可能である。
 そうして自分の立ち位置がわかったら、偏っていない方のことを考えることも大切だ。もし自分が今、そちらを優先したら? そちらを重視している人は誰か? 今、そちら側に歩みよる方法とメリットはあるか? そういったことを考えてみる。
 それだけで、働き方と、生き方の矛盾が見え、視界は晴れていく。なんとなく抱えていた悩みが、クリアになることもある。どうせ私達は、誰かと手を取り合わねばならないし、しかし、競い合わねばならない。

 相反するどちらもが求められてしまうのだから、それらを見ないよりは、見つめて対処しようとすることに、悪い理由はない。

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