Hasui

興味関心のあることを気ままに書きます。 歴史、ゲーム、音楽、小説、映画、アートが好きで…

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興味関心のあることを気ままに書きます。 歴史、ゲーム、音楽、小説、映画、アートが好きです。

最近の記事

賃上げとは

先日、金属労協がベア3000円以上要求、というニュースをありました。 そこでふと疑問が湧いたので、備忘録としてまとめます。 まず、基本的に給与は需給のバランスで決まります。 (デヴィッド・グレーバーのブルシット・ジョブのように人の役に立っている仕事ほど給与が低いと言った話もありますが、今回は込み入りません) 要は自分の出せる価値や成果物がどれだけ企業に評価されるか、ということですね。 その上でベアに対する率直な問いなのですが、 そもそも何を根拠に賃上げを主張しているの

    • パーパスが騒がれていることについて

      最近、ビジネスの界隈でパーパスという言葉がよく言われていますね。 パーパスとは存在意義と訳されています。 会社が存在する意味や目的を決めよう、ということをパーパスという概念で説明しているわけです。 ではなぜ、パーパスが言われるようになったのでしょうか? それは率直に企業の存在意義が問われているからです。 なぜその会社が存在するのか、なんの目的があるのか、ということが世の中から突き付けられているということですね。 さらっと流してしまいそうですが、これは非常に面白いことですよ

      • 心を動かすとは

        最近、「春宵十話」という本を読んでいます。 著者は数学者の岡潔で、変人エピソードが多い人物として知られています。 変人数学者が書いた本であるからにして、読む前は複雑怪奇なんだろうな、凡人には理解するのは難しいだろうな、と勝手に思い込んでいました。 実際、読み込んでみると小難しい理論について書かれた本ではなく、理性と感性について書かれており、その語り口も非常に面白い本でした。 岡は「情緒」というものを非常に重視しており、それなくして教育は危険とすら言っています。 私が特に興味

        • 枠組みという可能性

          何かを分ける、名前をつける、特定の領域に入れる。 これらはあるモノゴトとべつのモノゴト分けるという意味で枠組みをするということになります。 日常を生きて行く上で枠組みをするというのは必要です。 ただ別の角度から見ると、可能性を奪っているでは?、ということをふと思いました。いわゆるレッテルを貼るということですね。 最たるものが文系と理系という枠組みです。 学生の頃を思い出すと、お前は理系だからいいよな、あなたは文系科目をがんばりなさい、と言ったことを普通に会話の中で使っていま

        賃上げとは

          海からの贈物

          「海からの贈物」の著者であるアンモロー・リンドバークは、大西洋単独無着陸飛行にはじめて成功したチャールズ・リンドバークの妻であり、また自身も女性飛行家として活動した人物です。また素晴らしい紀行随筆を残しており、彼女の紡ぐ文章には考えさせられることが多いです。 今回の「海からの贈物」はアンモロー・リンドバークがある離島に滞在した際に書かれた随筆です。 著作の中で素晴らしい文章や言葉は多いのですが、今回は現代において何かしらの示唆になるだろうと個人的に感じている部分を抜粋します

          海からの贈物

          希少性とモチベーション

          最近、資本主義や転職に関する本が売れているようですね。ベストセラーになるということは、何かしら人々の興味関心を引いているということなのでしょう。 そのような流行り?と以前から私が気になっていたことが頭を駆け巡っていたので、その備忘録として書いていきます。 今回は「働くモチベーション」についてです。 仕事に対してやる気がでない、モチベーションが上がらない、ということは、どんな人でも経験、もしくは周囲の人から感じられることでしょう。 どれくらいの人々が仕事に対してやる気がないの

          希少性とモチベーション

          蒙古襲来と先送り

          「戦争の日本中世史ー下剋上は本当にあったか」を読んでいます。 今回は私が興味深い、へぇと思った部分を備忘録のつもりで書き留めておきます。 p23~ 鎌倉幕府は今日とに使者を派遣し、朝廷に国書(皇帝フビライの詔書)を提出した。幕府は朝廷に外交権があると考えたのである。 朝廷では二月六日から連日評議を行い、モンゴルに対して返書を出さないことに決めた。ー中略ー なぜ無視することにしたのかは、色々推測出されているが、要は日本人お得意の先送りということだろう。 公家たちはモンゴルを

          蒙古襲来と先送り

          出挙から金融業

          【「土地と財産」で読み解く日本史】著者.大村大次郎を読み始めました。 歴史を考察するときにいろいろな観点からアプローチできるわけですが、今回は土地と財産です。 興味深い内容が多くて読んでいて楽しいです。まだ読了していないので、途中までで気になった、なぜと感じた部分を抽出していきます。 p94~ 【事実】 中世の寺社はその多くが高利貸し、つまり金融業を行っていたようです。 その由来は平安時代に出挙として、種もみを農民を貸し出して、秋の収穫に利息を付けて回収していたことです。

          出挙から金融業

          何かを解決するということは、問いや問題が必要です。 では歴史を考えるときに自分にとっての問題はなんでしょうか?

          何かを解決するということは、問いや問題が必要です。 では歴史を考えるときに自分にとっての問題はなんでしょうか?

          なぜその出来事が起こったのか?、という問いと、なぜその出来事を起こす必要があったのか?、という問いに本質的な違いはあるか?

          なぜその出来事が起こったのか?、という問いと、なぜその出来事を起こす必要があったのか?、という問いに本質的な違いはあるか?

          過去と未来との対話

          『歴史とは何か』著者 E.H.カー、第五章-進歩としての歴史-の中で気になった部分をまとめました。 E.H.カーは第五章の中で客観的な歴史家について論じています。 私たちがある歴史家のことを客観的であるといって誉めたり、甲という歴史家の方が乙という歴史家より客観的だと言ったりするのは、どういう意味でしょうか? p182-183 学問としての性質上、歴史学においても客観性は求められます。E.H.カーはその答えを二つ述べいます。 第一に、その歴史家が、社会と歴史とのうちに

          過去と未来との対話

          優れた歴史家たちは、意識すると否に拘らず、未来というものを深く感じているものです。「なぜ」という問題とは別に、歴史家はまた「どこへ」という問題を提出するものなのですー『歴史とは何か』p160

          優れた歴史家たちは、意識すると否に拘らず、未来というものを深く感じているものです。「なぜ」という問題とは別に、歴史家はまた「どこへ」という問題を提出するものなのですー『歴史とは何か』p160

          社会科学と自然科学の違い

          『歴史とは何か』著者 E.H.カー、第三章-歴史と科学と道徳-について気になった部分をまとめていく。 E.H.カーは社会科学と自然科学について同じ研究の異なった部門に属していると主張している。 なぜそのようなことをわざわざ主張しているのか? 18-19世紀の学術世界において-現代も同じようなことを主張している人もいるかもしれないが-社会科学と自然科学には根本的な違いがあるとされていた。論点は社会学、歴史学といった学問は「科学」ではない、ということだった。 それに対してE.H

          社会科学と自然科学の違い

          事実の仮の選択と仮の解釈

          『歴史とは何か』著者 E.H.カー、第一章-歴史家と事実-について、自分なりに気になった部分をまとめていく。 E.H.カーより以前の歴史家には二つの潮流があり、彼はそれらを批判しつつ、自分の立場を明確にしようと試みている。 一つ目として史料批判を中心とした実証主義が挙げられている。有名な論者としてはドイツのランケ(1795年-1886年)だろう。 二つ目のとしては客観的事実を認めない解釈主義を挙げている。歴史は歴史家が作ると言った個人の解釈に重点を置く。 これら二つの理論

          事実の仮の選択と仮の解釈

          歴史とは何か

          学生の頃から気になっていて読めずにいる本はたくさんある。そのうちの一つが『歴史とは何か』著者 E.H.カーだ。 まだすべては読めていないが、冒頭の清水幾太郎のはしがきに非常に興味深い部分があった。 はしがきにおいて清水は本著を現代における最も新しい、最も優れた歴史哲学の書物であると語っている。(ちなみに本著の初版は1962年) さらに清水はE.H.カーの歴史哲学の精神として「歴史は、現在と過去の対話である」を挙げている。その詳細については本著を読み進めていけば分かることだろ

          歴史とは何か

          微笑みの魅力

          戦国無双シリーズ、信長の野望などのゲームに熱中していたので、 人生で最も触れていた時代は戦国時代だと思います。 逆にあまり触れていない時代はいつだろうと、ふと思い立った次第です。 各時代、それぞれに思い入れはあるのですが、 室町時代についてはあまり思い入れがないんですね、、、 なぜだろうと考えた結果、興味が持てる人物がいなかったからですね。 そこで室町幕府を開いた重要人物の足利尊氏について、興味深いエピソードがありましたので、それが今回の表題につながります。 人物像今回は尊

          微笑みの魅力