見出し画像

パーパスが騒がれていることについて

最近、ビジネスの界隈でパーパスという言葉がよく言われていますね。
パーパスとは存在意義と訳されています。
会社が存在する意味や目的を決めよう、ということをパーパスという概念で説明しているわけです。

ではなぜ、パーパスが言われるようになったのでしょうか?
それは率直に企業の存在意義が問われているからです。
なぜその会社が存在するのか、なんの目的があるのか、ということが世の中から突き付けられているということですね。

さらっと流してしまいそうですが、これは非常に面白いことですよね。
企業の存在価値が問われているということは、現状、存在価値が示せていない、ということだからです。
しかも、名だたる上場企業の経営層が、うちの会社がこの世界に存在する意味はなんだろうか、と必死になって考えているのです。

別の視点から考えると、世の中が企業に求めていることは単に売上を上げる、税金を納める、雇用を創る、といったことだけではなくなったということが言えるかと思います。
なぜなら、パーパスを考えている企業も一応は売上を上げて、財務的には成り立っているわけですから。

ただ最もパーパスを叫んでいるのは、働き手だと私は思っています。
なぜ、うちの会社は存在しているのか、なんのためにこんなことをしているのか。
仕事に熱意がない社員が94%いるという統計からも、会社の存在意義や意味を感じていない人が多いのではないでしょうか。
意味や意義を感じられない会社で働いている人が多いとどうなるのか。


それは素晴らしい商品やサービスが生まれにくくなる可能性が高い、ということです。
人、物、金が経営資源ですが、最も可変的な指標は人です。
物や金には限界がありますが、人の能力やモチベーションには限界がありません。
どれだけ体裁の整ったパーパスが決められても、自分が〇〇のために働いている、という強い実感がないと何の意味もないでしょう。

なんとなくではありますが、パーパスも一過性の議論になるだろうと感じています。
SDGsも同じだと思いますが、企業の経営層は流行りだから決めておかないとまずいよね、くらいの感じかもしれません。
それこそ本末転倒なのですが、、、


随分前に企業のビジョンやミッションが大切だ、といったこともありましたが、どれだけの企業が行動、実行しているのでしょうね。
もしくは、どれだけの働き手が共感しているのでしょう。

企業はパーパスを定める前に、なぜ定めるのか、何のために議論するのか、ということを真剣に考えたほうがいいかと思います。

追記
似たようなパーパスの文言が揃うかもしれませんね。
ビジョンやミッションのときのように。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?