K. Suzushima

熊本県で生まれた九州男児。コロナ禍に巻き込まれた2020年5月のアメリカの大学を卒業。…

K. Suzushima

熊本県で生まれた九州男児。コロナ禍に巻き込まれた2020年5月のアメリカの大学を卒業。帰国して、日本の環境NGOに就職。質実剛健を旨とし、「何でもやってみよう」の精神で、環境活動、音楽、料理、読書、旅行、農作業に励む。首都圏在住。

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  • 人生のまくら話

    まだ若く、人生の「本題」を経験していない私・鈴嶋が、人生について考えたことを落語の「まくら」的に、場の空気を盛り上げる・会話の話題を提供するノリでつづるシリーズです。

最近の記事

未来から逆算して、人生を最適化する。

 学生生活が終わりに差し掛かっていたころ、「あっと言う間だったな」と思うと同時に、「社会人として、自分がどんな仕事でどんな風に世の中に貢献していくべきなのか」、真剣に悩んだのを覚えている。やるべきこと、やりたいことは山ほどあった(ように思えた)。  「でも、どうあがいても人生一度きりなのだな」と気づいた。ならば、未来から逆算し、人生を最適化するしかない! 「未来」を勉強する?  デイヴィッド・クリスチャン(著)『オリジン・ストーリー』の中に、「人間は『未来』という抽象的な

    • 「文系より理系は有利」「IT系は有利」とかいう考えにこだわるな~社会人になった今、日本の教育観・学力観にもの申す

      アメリカ留学から帰って来た2020年、なんとなく就活していたのだが、ちょうどその時はデジタルトランスフォーメーションなどという言葉が流行っていて、IT業界が人気の就職先だというから、ちょっとどんなもんなのかのぞいてみたことがある。 「IT無くして課題解決無し」と言っても過言ではない昨今、あらゆる業界、公的サービスにIT推進の波が来ている。  私は、現在の仕事が環境NGOで、「自然エネルギー」や「低炭素社会の実現はどうすれば可能か」といったことに関心があるのだが、これらにもI

      • 人生をワクワクさせるものとしての「英語力」

         アメリカ留学の経験から、「英語」とは「目的」でなくて、自分を鍛えるための「手段」であると言いたい。    日本人が英語が苦手なのは、中学・高校の英語教育が、「英語を使って自分の世界観を広げるワクワク感」を実感する内容になっていないからだと思う。  「英語ペラペラ」「文法100点」である必要はない。辞書を引きながらでも、取り敢えず「読む」ことができれば、そこから面白い世界が開けるのである。 情報の海に飛び込む  まず、英語で得られる情報量は、日本語のものと比して何十倍も大

        • 海外に出る前にやっておくべきこと~日本食の練習~

          アメリカのど田舎で出会う日本食ワード 誰しも長期間にわたって海外にいれば、日本食が恋しくなるものであるが、日本食の中でも特に有名なものは、割と田舎の方に行っても手に入ったりする。  私が留学したケンタッキー州の町・ダンビルは、北海道の十勝平野並みに田舎なのだが、「スシ」「トーフ」「ソヤ(醤油のこと)」などは、既に市民権を獲得している言葉である。  もっとも、「スシ」に関して言えば、アメリカ人の多くが「スシ」=「巻き寿司」のことと思っているらしく、田舎のジャパニーズレストラ

        未来から逆算して、人生を最適化する。

        • 「文系より理系は有利」「IT系は有利」とかいう考えにこだわるな~社会人になった今、日本の教育観・学力観にもの申す

        • 人生をワクワクさせるものとしての「英語力」

        • 海外に出る前にやっておくべきこと~日本食の練習~

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        • 人生のまくら話
          13本

        記事

          中学生の時にやっておけばよかったこと~自己分析~

          「就活」で振り返った人生  学生時代、僕は「就活」なるものをする気は全然なかったのだ。アメリカに留学していたときは毎日の勉強に忙しかったから、就活の「し」の字も考えていなかった。だいたい、アメリカに「新卒一括採用」という意味での「就活」は存在しない。  とは言っても、卒業前の最後の学期は、学業もだいぶ余裕を持ってこなせるようになったから、卒業間近になって「そろそろ就職のことも考えようかな」と思って「就活」について調べてみたものである。  まず、「自己分析」から入るのが鉄

          中学生の時にやっておけばよかったこと~自己分析~

          星空を眺めながら考えたこと

          今回はややぶっ飛んだ話で、科学的に不正確な箇所があるかもしれないことを先にお断りしておく。アメリカ留学中の2019年、科学史の授業で宇宙の歴史を勉強したついでに考えていたことで、人間の頭の中というか、精神活動の神秘をどうしても書いてみたいのである。 夜空の星と人間は遠縁 私たちがいる宇宙は140億年ほど前に生まれた。原子以下の小ささで、あらゆる物質が詰まった、とてつもなく熱い粒から始まり、膨張を続けた結果、今の状態に至っている。    これがビッグバン理論なわけだが、面白い

          星空を眺めながら考えたこと

          民主主義はめんどくさい~カギは『教育』~

           毎年12月になると、「今年一年、実はそんなに学んでないのでは?」「少しも成長してないのでは?」との思いに肩を落とし、暗澹とする。アメリカに留学していた2019年の12月は、そんな気持ちがスカッと晴れ、光明が差す思いをした。「アメリカの外交政策」という授業で、Walter Russel Mead著の “The Paradox of American Democracy Promotion (アメリカの民主化支援というパラドックス)”という記事を読んだ時のことである。 一朝一

          民主主義はめんどくさい~カギは『教育』~

          芸術の秋~芸術は教養だ!

          アーティスト豊富なキャンパス  僕が留学したアメリカの大学には、音楽から演劇、美術まで、「アーティスト」がたくさんいた。学期末の11月になると毎週のようにコンサートやら発表会が続いていたのを思い出す。僕も、オーケストラ、演劇、カントリーミュージックの演奏など、毎週何かしらの催しを見に行ったものだ。学生数1,500人程度の小さい学校で、ここまで芸術活動が盛んなのは正直驚きだ。    芸術系の科目を専攻している学生は割合で言うと1%ぐらいだったと思うが、他の学問を専攻しながら芸

          芸術の秋~芸術は教養だ!

          あなたのセンター(中心)はどこ?~留学をすると知りたくなる日本のこと~

          Building Bridges and Community Day  2019年の秋、留学していたアメリカの大学(Centre College)で、"Building Bridges and Community Day" という、先生、職員、学生が各々のパッションや経験を共有し語り合うイベントがあって、そのセッションの一つを持つことになった。自分が開いたセッションでは、自分や他の日本人の留学経験や考えを発表し、ディスカッションする内容にした。積極的な参加と自己主張が求めら

          あなたのセンター(中心)はどこ?~留学をすると知りたくなる日本のこと~

          環境問題はこころの問題~お家の庭から始まる環境保護~

          センス・オブ・ワンダー 昨今、環境問題とりわけ地球温暖化による気候変動が顕著になってきている。ここ数年の夏は、異常な猛暑が日本各地を覆っている。そのような環境問題に対して市民レベルで行動を起こしていくためには、まず一人一人が「センス・オブ・ワンダー(自然等の事象に対して不思議な感動や驚異を覚えること)」を持つことが必要なのではないかと思う。 2019年6月、アメリカ留学から一時帰国した時に、草が茂った庭先の用水路で5~6匹の蛍を見つけた。蛍は上流に行かなければ見れないもの

          環境問題はこころの問題~お家の庭から始まる環境保護~

          アメリカ~大きく分厚い文明国家

          アメリカ留学は2年間だったのだが、最初に来た時はいろんな事に対して面食らったものだ。特に、アメリカの「文明」の大きさ・分厚さを実感した。 アメリカ合衆国は草原、湿地、砂漠などが広がっていた地に、祖国を離れた外国人が入植・開拓してきた若い国家である。日本人がアメリカと聞いてしばしばイメージする様な、ニューヨークやシカゴなどの街並みはほんの一部分でしか見られず、感覚としては全土地の9割以上は農作地帯や自然が広がっている。 時折、そんな大自然の合間を縫って、忽然と幹線道路や高層

          アメリカ~大きく分厚い文明国家

          国際協力は人間協力~『外国人』としての経験から学んだこと~

          2018年のフィリピンでの夏のインターンは3か月近くに及んだ。インターン先は日本人スタッフ2人、フィリピン人4人の小規模な国際協力NGO。貧しい農村の人々に対して所得向上を目的としたソーシャルビジネスを行っていた。地域の産品開発を行い人々の所得を向上するのが主な事業だ。「国際」協力と言うと「国と国の協力」という何か大層な響きがするが、結局の所は「人間」協力だ。今、振り返って、そう思う。 国際ビジネス、特に社会課題の解決を目的としたソーシャルビジネスには、経営が上手くいくか否

          国際協力は人間協力~『外国人』としての経験から学んだこと~

          「高校の『数学』はただの『算数』?~「学力」のいろいろ~」

          中学校や高校の「数学」という科目、実はただの「算数」程度のものであろう。 学力の発展には三段階あるのではないか、と感じたのは、アメリカ留学最初の1年を終えた夏休みのとき。その夏、僕はフィリピンのネグロス島にコミュニティ開発のインターンシップに参加していた。 僕は高校までは、「覚える」ことばかりやってきた。教科書の内容を覚えて、ひたすら問題に答えるわけだ。 一方、大学の学びにおいては「主張する」ことが要求される。留学したアメリカの大学では論文の課題が山ほど出た。留学して最

          「高校の『数学』はただの『算数』?~「学力」のいろいろ~」