未来から逆算して、人生を最適化する。
学生生活が終わりに差し掛かっていたころ、「あっと言う間だったな」と思うと同時に、「社会人として、自分がどんな仕事でどんな風に世の中に貢献していくべきなのか」、真剣に悩んだのを覚えている。やるべきこと、やりたいことは山ほどあった(ように思えた)。
「でも、どうあがいても人生一度きりなのだな」と気づいた。ならば、未来から逆算し、人生を最適化するしかない!
「未来」を勉強する?
デイヴィッド・クリスチャン(著)『オリジン・ストーリー』の中に、「人間は『未来』という抽象的なことを考えるのが得意なのに、『未来』について教える教育制度が皆無なのは驚くべきことだ。」という一節がある。
「言語による知恵の蓄積・共有」や「化石エネルギーの利用」が人間の繁栄を可能にした一方、「行き過ぎた科学技術」や「エネルギーの過剰使用」は地球の未来を危うくしている。「だからこそ、あるべき未来を考えたうえで、今の社会を軌道修正していくことが必要だ。」と著者は言っている。
確かに、自分の高校までを振り返ると、過去の歴史を「暗記」し、数学・科学の法則を「覚える」という類の、「過去・現在までに分かっていることの勉強」しかしてこなかった。
「課題先進国ニッポン」とか「SDGs」が何年も言われていて、「今のままでは、個人、国、そして世界により良い未来はない」ことは、社会全体では認識されている。にも関わらず、ほとんどの場合、高校までの教育で「未来」を教えていないのが現状なのだ。
「未来」を考え、意図を持って日々生きる
私が「未来」を考えるようになったのは、アメリカ留学中~帰国後にことである。科学史や国際関係を勉強した自分は、「環境面での持続可能性が、人間の未来にとって必須」という、自分なりの「未来ビジョン」を持つようになった。その考えに至るまで、19~23歳の5年ほどの年月を、ある意味無駄にしてしまったといえる。
もちろん、一人一人が自分の「未来」の姿を考えるにあたって、必ずしも天下国家を論じるような意識高い系である必要は無い。パーソナルなもので良いし、十人十色で良い。大事なのは、「未来」から逆算して、日々の行動に意図や目的を持ち、取捨選択力をアップし、大事な課題に注力することだ。
私も、もっと早い段階で何らかの自分の未来についてのビジョンを持てていれば、自由な学生生活をもっと有意義に過ごせたかもしれない。自由な時間は、強い意志が伴わなければ、無駄な時間になってしまう。また、未来のビジョンがあれば、小中高の勉強、進路選択、部活動なども、もう少し深い意図をもって取り組めたかもしれないし、他人に言われるがままに動くこともなく、目の前のことを全部やろうとして身心をパンクさせるようなこともなかっただろう。
未来のビジョンをしっかり持つことで、自分にとって大事なことを主体的に取捨選択して生きることができるはずだ。
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