「文系より理系は有利」「IT系は有利」とかいう考えにこだわるな~社会人になった今、日本の教育観・学力観にもの申す
アメリカ留学から帰って来た2020年、なんとなく就活していたのだが、ちょうどその時はデジタルトランスフォーメーションなどという言葉が流行っていて、IT業界が人気の就職先だというから、ちょっとどんなもんなのかのぞいてみたことがある。
「IT無くして課題解決無し」と言っても過言ではない昨今、あらゆる業界、公的サービスにIT推進の波が来ている。
私は、現在の仕事が環境NGOで、「自然エネルギー」や「低炭素社会の実現はどうすれば可能か」といったことに関心があるのだが、これらにもIT技術は当然のように関わっている。
「IT=理系=プログラミング」ではない。
「ITの仕事」と言っても、パソコンに向かって数式を打ち込むような、いわゆる「プログラミング」だけではない。
実際は、「ITを『活用』して解決策を提供する」と言ったタイプのIT企業もあり、「ビジネスや社会の課題を分析し、ITを『活用』して解決する能力」の方が重視される場合が多い。
AIの発展が今後更に進めば、人間の役割は、「プログラミングを『する』」でなく、「ある問題解決のために、AIにプログラミングを『させる』」方に移っていく。ということも言われている。
IT活用のために、IT以外を勉強する必要性。
最近は小学校で「プログラミング教育の必修化」ということになってるようだが、私は「勉強したいことを何でも勉強する」という視点も大事だと思う。たとえプログラミングと関係が無くても、だ。そうでなければ、「ITを使って『何を』したいか?」の部分が見えてこないと思う。
アップルを創業したスティーブ・ジョブズも、大学では「カリグラフィ」という美術の授業にのめり込んでいた。もちろん、必修授業ではない。しかし、その授業で養った文字・フォントに対する美意識が、後のアップルのスタイリッシュで画期的な製品に繋がったのだ。
「点と点が繋がる」のが理想の仕事。
私も学生生活では、その時々の関心に応じて、色んな勉強をした。その過程で、自らの「解決すべき社会課題」を明確にできた。そういったさまざまなことを勉強したうえで考えるのは、「ITは課題解決の手段のひとつである」ということだ。
ある時、スティーブ・ジョブズは、「点と点を繋ぐこと」の重要性を語った。
「その時々で関心があることに熱中していけば、あとあと全ての経験が繋がって役に立つ」ということである。
その言葉の意味を、社会人になった今、しみじみ感じ入る。
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