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環境問題はこころの問題~お家の庭から始まる環境保護~

センス・オブ・ワンダー

昨今、環境問題とりわけ地球温暖化による気候変動が顕著になってきている。ここ数年の夏は、異常な猛暑が日本各地を覆っている。そのような環境問題に対して市民レベルで行動を起こしていくためには、まず一人一人が「センス・オブ・ワンダー(自然等の事象に対して不思議な感動や驚異を覚えること)」を持つことが必要なのではないかと思う。

2019年6月、アメリカ留学から一時帰国した時に、草が茂った庭先の用水路で5~6匹の蛍を見つけた。蛍は上流に行かなければ見れないものと思っていたので、この発見には正直驚き、ちいさな感動を覚えた。そして、その年の夏に参加したフィリピンでのインターンシップ期間中は、休みの日によく海に泳ぎに行った。今まで教科書やテレビの世界でしかなかった熱帯魚の群れ、サンゴ礁、透き通ったルビー色の美しい海などを目にして、海のとりこになってしまった。これらの感覚やセンセーションが「センス・オブ・ワンダー」である。

庭先そして地域に目を向けて育む「センス・オブ・ワンダー」

その年の秋、一時帰国の後アメリカに戻った私は、「環境カフェ」をという環境問題についての対話イベントを留学先の大学で開催し、近くの自然保護区へハイキングにでかけたり、庭で無農薬野菜を作りエコホームに住んでいる先生のお宅にお邪魔したりした。普段自然と触れ合う機会がすくない学生が、エコな生活を実践している地域の人から学んだり、人里離れた自然に身を置く場を設けられたのはとても有意義だったと思う。

Central Kentucky Wilflife Refugeでのハイキングの様子


自然の神秘や美しさに心から感動し、大切にしようと思う気持ちこそが、環境保護活動や日々の生活でのエコな選択への原動力になるはずだ。

しかし、留学先の大学の学生たちの多くが、図書館などの建物の中で周囲の豊かな自然と隔絶された生活を送っている。また、フィリピンのインターンシップでは、語学学校に滞在している日本人の子供・親御さんとたくさん触れ合ったが、2010年以降に生まれた子供たちは特に、身の回りにデジタル機器があふれているので、自然の中で遊ぶ経験が少ない環境で育ってきているように感じた。

将来、気候変動の影響を大きく受けそれに立ち向かわなければならないのは、今の小中高・大学生である。若いころから「センス・オブ・ワンダー」を育まなければ、将来のアクションなど起こしようがない。身近にある物事に目を配り美しいと思う経験こそが、それを「守る」という行動につながっていく。気候変動へのアクションは自宅の庭先での心がけから始まるのである。

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