【#5】就活を辞めるまで④~決断~
どうも、くりすです。
このマガジンでは21卒大学生が就活から逃げた後の物語を記録しております。
よろしくお願いします。
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第1回(ストーリー仕立て)↓
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4月5日~22日
発見を経て
東京での気づきを受けて、僕は考えていた。
どうすれば社会人生活の充実を手伝えるのだろうか、と。
一般的には人材業界だと思う。
人材業界は求職者と人がほしい企業をマッチングさせる仕事。一見、ぴったりのように感じる。
しかし、僕はもともと人材業界や広告求人の企業を中心に受けており、自分の希望とは離れていると感じた。
なぜなら競争が激しすぎるのだ。
企業である以上、当然利益を出さなければならないし、それは人間をお金に換える作業のように思えた。
一人ひとりに向き合うのはとても難しい世界。
他には何があるのだろう。
インターネットで調べると、イベント業界、福利厚生代行企業、CtoC仲介企業などが見つかった。
しかし、今の私にはどうもしっくりこない。
・イベント業界→余暇活動の充実。仕事とは無関係だな。
・福利厚生代行企業→社員の待遇改善。待遇を改善すると満足度は上がるのだろうか。
・CtoC仲介企業→個人間取引の活性化で自由に稼げる人を増やす。webデザインやプログラミング、アプリ開発の知識必要。今の自分では無理だ。
調べては、
「ここが悪い」
「これではやりたいことができない」
「もっと良いところがあるはずだ」
あーでもない、こうでもない。理想ばかり追い求めていた。
本当は心のどこかで分かっている。完璧な仕事なんてないことを。
だからこそ仕事に求めるものに優先順位をつけて、どこかで妥協する必要があるのだ。
もやもやの正体
一方、このころから、こんな心の声も聞こえてくるのだった。
「このまま社会人になっていいものなのか」
あのときの自分。
実家で自己分析をしていて、まだ働きたくないと思った自分。
説明会で新卒就職しなくても何とかなると知り、心が軽くなった自分。
面接で大した成果ではないガクチカを話すことに嫌悪感があった自分。
彼らを裏切っていいのだろうか。
圧倒的に人生経験が足りていなかった。
心を揺さぶられた経験。自身の価値観の原体験。
昨日今日思いついた、「社会人生活の充実を手伝いたい」は本心なのだろうか。
そう考えてしまう程度には、自分を信じられる要素が少なすぎた。
*
僕は高校、大学と受験に苦しんだ。
なぜならそれまでに勉強をサボっていたから。
テスト期間以外は自宅学習なんてしない。
それまでのツケを、受験期に払わされていたのだ。
受験勉強をしながら後悔するのだった。
「もっとちゃんと勉強しておけば良かった」
なんだかんだ、やればできる方ではあったのかもしれない。
特に無茶苦茶な目標を掲げていなかったこともあり、ストレートに合格していた。
そして、受験勉強を乗り越え、入学したときには
「よし。しっかり勉強するぞ」と決意したものだ。
しかし、"喉元過ぎれば熱さを忘れる"とはこのことで、結局取り組まなかった。
結果、最終的には「もっと頑張ればよかった」と再び後悔することになるのだ。
そんな頑張れない自分に、いつも後ろめたさを感じてはいた。
*
自分の人生を取り戻すために
僕はこのまま就活を続ければ、これまで同様に平均的で、そこそこ良い会社に入れるのかもしれない(もちろん盛大にコケる可能性もあるが)。
そして、内定を得ると「よし。入社したら頑張るぞ」と思うのだろう。
果たして、僕はそこで本当に頑張れるのだろうか。
例のごとく転職を決めたとき、あるいは定年を迎えたとき、「もっと頑張ればよかった」と後悔するのではないか。
人生に後悔するのではないか。
明日やろうという気持ちが積もり積もって、人生を終えてしまうのではないか。
たしかにそういう人生も悪くないのかもしれない。
だけど、このままぼんやりと60年も生きていくのは本望なのか?
本当は最初から答えが決まっていたのだった。
就活を通して、ごく一部ながら社会に触れた。
「週5日8時間、こんなことがやりたいの?」
「どんなことに時間を使い、何を実現したいの?」
そんな答えを探したかったのだ。
もちろんリスクはあるが、十分なセーフティーネットもあると知った。
やらない理由を見つけて逃げるのはもう散々だ。
僕は決断を下した。
今やってみたいことをやり尽くしてから就活に取り組もうと。
知りたい世界を知ってから、知らない世界を見てからでも遅くないはずだ。
社会的には逃げの部類に入るのだろう。
それでも、自分の人生からは逃げたくなかった。
この先はどうなるのかわからないけど。
こうして僕は就活を辞めた。
【続き】
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