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逆噴射小説大賞2021で奨励賞をいただきました+ライナーノーツ
こんにちは。電楽サロンです。
とりました。すごい。 この記事は発表翌日に書いています。全然実感が湧かないや。
Twitterではお祝いの言葉をたくさんいただきました。本当にありがとうございます🙇♂️
私は第一回から参加していて、自分が賞を頂けるとは思わなかったです。いや、思ってた時もあるけれど。いざ現実を目の前にすると「おお……」としか声が出なくなりました。
思えば初めて第一回逆噴
Sewcidal Boyz
悠一が家に着いたとき、液晶は午前2時を示していた。いつも通り音を立てず自転車を留め、裏口を開ける。新月の暗闇は深い。だが、家具の配置程度なら見当がついた。
居間を抜け、靴を玄関に置いてから階段を上がる。隣室の両親が気づいていないのを確認し、自室のドアを閉めた。
「悠一くんだ」
ネズミのぬいぐるみ、グレイがベット端で耳を動かす。彼は大きい耳で真っ先に悠一の帰りに気づく。
「ユーくん! ユーくん
Groovy!!にさよならを。
太晴は時刻表を調べていた。高校で初めてのダンスバトルはボロ負けだった。今日は母親を説得して門限を0時にしてもらったが、優勝は杞憂に終わった。
太晴はクラブ内を見回す。誰も彼も大人びていた。場違いな気持ちになり新品のキャップを被りなおす。
電車はまだ先で、会場では準決勝が始まろうとしていた。どうせなら見ていこう。太晴はフロアの端に陣取った。
「ユリカ、バーサス、DD! レディーッゴーッ!」