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2021年6月の記事一覧

全部を教わらない方が良いのかもしれない

全部を教わらない方が良いのかもしれない

刀屋さんで刀を見せて頂く時。
例えば茎を隠した長光を見せて頂いたとして、誰に見える?みたいな遊びをしながら色々教えてくれるわけですが、「乱れ映りがあるから備前だよ」とか「帽子が三作帽子になってるから長光だよ」というようなアドバイスはされた事が無い気がします。
しかし暫く見せて頂いた後に無言で次の刀、例えば景光や兼光など同派のものを時代をずらして見せて頂ける。
時には「匂口を見てみて」ぐらいのアドバ

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所有感が出てこない刀

所有感が出てこない刀

何というか、いつも通りお金を出して買ったにも関わらず所持した感じがしない、自分のものになった感じがしない刀がある。
こんな感覚は初めての事で若干驚いている。
いや、日本刀を手に入れてもその長い歴史の中で一時預かっているだけなので正確には「自分の物になる」という表現も正しくないのかもしれないが。
それでも所有者変更届を出しているので一般的に見れば現在の所有者は自分自身である事は間違いない。

この刀

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刀の傑作を見極めるのは凡人には無理

刀の傑作を見極めるのは凡人には無理

「日本刀 傑作」で検索すると、大包平や天下五剣(童子切安綱、三日月宗近、鬼丸国綱、大典太光世、数珠丸恒次)などが出てきます。
そして、個銘で検索すると、その中の傑作が出てきます。
例えば「正宗 傑作」で検索すると、城和泉守正宗、歓世正宗、日向正宗、九鬼正宗…
「国広 傑作」で検索すると、山姥切国広が。
「虎徹 傑作」で検索すると、浦島虎徹、蓬莱山虎徹などそれぞれの刀工の中での傑作が検索できます。

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刀が刀を呼ぶ現象について

刀が刀を呼ぶ現象について

刀を買うと、それに引き寄せられるように1振り、また1振りと増える。
その買った刀が実は昔同じ場所にあった物だったりする事もあるから不思議だ。
また、日本刀の研ぎを生業にしている人が、ある時長船長義の刀を研いだら立て続けに長義が来るようになった。
普段長義が来ることなんて滅多にないにも関わらず。
他にも、郷義弘が5年以上入ってこなかったのに、ある時1振入ってきた事をきっかけにその後立て続けに郷が2、

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重要美術品の登録が増えた背景

重要美術品の登録が増えた背景

日本刀は出来や歴史などにより色々な指定を受けてますが個人的には大体こんな位置付のイメージでいます。

(特重は「重美に相当、重文に準ずる」という審査基準のもと指定されてますが、中には重文クラスも全然あるという話を聞くのでこのように位置付。重刀も同様の理由)

今回は国指定の一番下にある「重要美術品」の登録が増えた背景についてです。
(※今回の記事は「薫山刀話 著:本間順治」を参考に書いています)

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刀の稲妻

刀の稲妻

金筋という刃中の働きを聞いたことのある人は多いかと思いますが、実は「稲妻」と呼ばれる働きが刀にはあります。
稲妻は金筋と似ています。
因みに以下で黒い線のように見える所が金筋。

対して稲妻はというと、結構本や人によって微妙にニュアンスが異なり、どれが正しいのか私もいまいち分かっていません。

まず「日本刀の教科書(渡邉妙子・住麻紀 共著)」を見ると、以下のように「稲妻は金筋が長く連なっているもの

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大事なのは位列を間違えない事

大事なのは位列を間違えない事

刀を観る時に作者は当てられなくても良いが、「刀の位列を間違えてはいけない」と聞いた事がある人もいると思います。
これはどういう意味なのでしょうか?

①位列とは位列とは刀の作者の等級の様なもので、古刀だと「本朝鍛冶考」や「掌中古刀銘鑑」、「新刀弁疑」などで紹介されています。(「刀剣要覧」より)
ただ刀の位列の付け方は時代毎に評価が変わる事もあります。
そこで、昭和に刀の鑑定や研磨をしていた藤代義雄

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刀ブログ1年間毎日更新達成!(振返り)

刀ブログ1年間毎日更新達成!(振返り)

純粋に刀が好きで、刀の魅力を多くの人に知ってもらいたいという気持ちで1年前に始めたnote。
毎日更新したら想像してなかった何かが起こるかもしれないので、とりあえず毎日更新を目標に続けた結果、昨日遂に達成しました!

いやぁ〜!
大変でした。
体調不良の日や展示会最中などの更新が特に辛い。夜中23時位から書き出して2時位に書き終わるというのも結構あった。
でも毎日ブログテーマを考えるのはもっと辛い

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「良い刀」と「名刀」の違い

「良い刀」と「名刀」の違い

何となく巷では「良い刀=名刀」みたいな感じで捉えられている気がしますが、私は微妙にニュアンスが違うと思っています。
今回は良い刀と名刀の違いについて、私が思う所を書きました。

①「良い刀」と「名刀」のニュアンスの違い一般的に言われる「良い刀」は研ぎ減りの少ない健全な姿、そして地鉄や刃の出来が良いものの事を言うと思います。
但し、「値段の割には」という一文が隠されている気がします。
例えば100万

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俳優の金田賢一さんにお会いしました

俳優の金田賢一さんにお会いしました

ひょんなことから俳優の金田賢一さんにお会いする事になりました。
俳優さんにお会いしてお話する事は人生で経験の無い事なので緊張します。

①金田賢一さんとは1961年生まれ。ホリプロ→オフィスコットン所属。
株式会社カネダ企画代表取締役。(Wikipediaより)
大河ドラマ「獅子の時代」や「功名が辻」、「風林火山」、他にも「大奥」や「水戸黄門」など時代劇や「太陽にほえろ!」など数多くのドラマに出演

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現代刀職展の賞の種類について

現代刀職展の賞の種類について

現代の刀職人が腕を競い合う「現代刀職展」の結果が出て盛り上がっていますね!
刀職のフォロワーさんの受賞報告も沢山見れて私もテンションが上がっています^^
ところでこの努力賞や優秀賞とはどのような賞なのでしょうか。
そして第1席や第2席とはどういう意味なのでしょうか。
今回は現代刀職展の賞の種類について書きます。
これを知っておくと、「おお!あの方はこの賞を受賞したのか!!」とより一層Twitter

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行き着く先は短刀、らしい。

行き着く先は短刀、らしい。

刀趣味は多くの人が長いものになるようで、数年ですぐ飽きてやめてしまうという人が少ないのだとか。
その何十年という間にはお金を貯めて新しいものを買い足したり、下取りに出して少し良い物に買い替えたりなどを繰り返し、そんなことを繰り返すので見る目も肥えていくようですが、その最後に行き着くのが短刀らしいです。

理由は高齢になると目が悪くなるので長い刀だと帽子の方が見えない、重い物が扱いづらくなる、場所を

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刀の鑑定会、こんな人も多いらしい

刀の鑑定会、こんな人も多いらしい

刀の鑑定会では茎を隠して作者が見えない状態で姿や刃文、地鉄を見て作者を当てるゲームのような鑑定会というものがあります。
私含め最近は若い人も参加してる人も多いですが、今でも鑑定会となると比較的平均年齢は上がり高齢な方の参加が目立ちます。
実はその鑑定会の場でこんな人が多くいるらしい。

それが「刀以外を見て記憶する人」。
言っている意味が分からないと思うかもしれないが、例えばハバキを見てこのハバキ

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