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行き着く先は短刀、らしい。

刀趣味は多くの人が長いものになるようで、数年ですぐ飽きてやめてしまうという人が少ないのだとか。
その何十年という間にはお金を貯めて新しいものを買い足したり、下取りに出して少し良い物に買い替えたりなどを繰り返し、そんなことを繰り返すので見る目も肥えていくようですが、その最後に行き着くのが短刀らしいです。

理由は高齢になると目が悪くなるので長い刀だと帽子の方が見えない、重い物が扱いづらくなる、場所を取らない、など様々あるようですが、やはり大元にあるのは「短くても見所が凝縮されている」というのが一つ大きな理由かもしれません。

①短刀は短い。けれど刀工の特徴が詰まっている

以下は2019年に刀剣博物館で開催された「日本刀の見方パート1姿」展のものですが、例えば以下の来国次は沸映りが鮮明に立っていて、かつ相州のような地景がしきりに入る点、よく沸づいて刃が明るく冴えるといった特徴はよく言われる来国次のそれで、まさにその特徴が顕著に現れていた典型作だった記憶です。

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(来国次)

以下の兼光もとても健全で乱れ映りが鮮明に立ち、片落ち互の目などが見える点は景光からの繋がりを感じるような作だなと感じた記憶があります。

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(備前長船兼光 延文五年三月日)

どちらの短刀も充分に刀工の特徴が詰まっていて、短くてもこの範囲だけを見ればその刀工を特定できるというのは刀以上に特徴が良く出ていなければ難しい事なのではないか。
短い中に特徴が凝縮されている、これはやはり短刀の魅力かなと感じました。


②短刀の拵えはオリジナルの物が多い?

また短刀は装飾の豪華な拵えが付いたものも多いですね。

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(画像転載元:刀剣ワールド 短刀拵(短刀 銘 村正[素剣])

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(画像転載元:刀剣ワールド 短刀拵(短刀 銘 村正[素剣])

刀は拵えが付いているように見えて実は刀身に合わせただけというケースも多い気がするのですが、短刀で拵えが付いている物は昔からその短刀に付いていた拵えである可能性が比較的高い気もします。
そういう意味でも刀身と共に大切に残されてきた短刀に魅入られるのかもしれませんね。


③終わりに

私は、というと…
短刀も好きですがまだまだ太刀など長いものが好きです。
今家には刀が3振、短刀が2振あるのですが、刀は個人的に3振が限界でそれ以上は今の暮らしだとスペースがありません。
短刀だとまだ少しは行けるかもしれない。
よっしゃ!じゃあ次は短刀だ!
…と夢の中ではいつも考えているものの、いやはや現実ではなかなかに難しい。

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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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