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刀展示会記録

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#刀剣博物館

第69回 重要刀剣指定展を見て

第69回 重要刀剣指定展を見て

開催から1ヶ月程経ちましたがようやく見に行く事が出来ました。
第69回重要刀剣等新指定品展。4/14まで両国の刀剣博物館にて行われています。

この展示会は撮影不可なので個人的に好みだった作品をいくつか思い出しながら書いてみます。(順番は目録順です)

・刀剣の部1.刀 無銘 五条国永無銘ながらぱっと見で五条国永と見える作品。
何と言っても匂口が深い中直刃調の刃の中には小乱れや小丁子を交えながら金

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正宗十哲展で見た「島津正宗」の真相

正宗十哲展で見た「島津正宗」の真相

先日ようやく正宗十哲展を見に行く事が出来ましたが、京極正宗や稲葉郷などはじめ、よくもこれだけの名刀を集めたものだと感心しきりの展示会でした。
その中でも個人的に特に大ニュースというか驚いた点で言えば「島津正宗」の新事実でしょうか。

島津正宗の伝来について刀剣ワールドさんのHPから抜粋すると以下の通り。

この島津正宗は継平押形に掲載されたものと同様物が2014年に見つかった事で、京都国立博物館に

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「日本刀の装い展」を見て【後編】刀装具

「日本刀の装い展」を見て【後編】刀装具

現在刀剣博物館にて「日本刀の装い 豊かなる刀装・刀装具と名刀展」が行われています。
結論から言うと刀は重文や国宝のみ15振の名品が並び、刀装や刀装具も特別重要指定品含む個人蔵の名品も多く並んでいて見応えがありました。
また目貫や、柄、鎺などの製作方法が工程ごとに分かりやすく展示されており、またそれらを製作する道具にまで言及された展示で非常に内容の濃い良い展示に思いました。

その為、前編では刀につ

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「日本刀の装い展」を見て【中編】刀装

「日本刀の装い展」を見て【中編】刀装

現在刀剣博物館にて「日本刀の装い 豊かなる刀装・刀装具と名刀展」が行われています。
結論から言うと刀は重文や国宝のみ15振の名品が並び、刀装や刀装具も特別重要指定品含む個人蔵の名品も多く並んでいて見応えがありました。
また目貫や、柄、鎺などの製作方法が工程ごとに分かりやすく展示されており、またそれらを製作する道具にまで言及された展示で非常に内容の濃い良い展示に思いました。

その為、前編では刀につ

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「日本刀の装い展」を見て【前編】刀編

「日本刀の装い展」を見て【前編】刀編

現在刀剣博物館にて「日本刀の装い 豊かなる刀装・刀装具と名刀展」が行われています。
結論から言うと刀は重文や国宝のみ15振の名品が並び、刀装や刀装具も特別重要指定品含む個人蔵の名品も多く並んでいて見応えがありました。
また目貫や、柄、鎺などの製作方法が工程ごとに分かりやすく展示されており、またそれらを製作する道具にまで言及された展示で非常に内容の濃い良い展示に思いました。

その為、前編では刀につ

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「現代刀職展2023  後期展示」を見て

「現代刀職展2023 後期展示」を見て

現代刀職展2023の後期展示(9/12~10/15)を見に行ってきました。
特賞受賞作は前期に続き展示され続けていますが、無鑑査の方の作であったり、優秀賞や努力賞の方の作は入れ替えが行われていますので、前期展示から6割近く展示替えがされていた印象です。

という事で今回も後期展示で個人的に特に記憶に残った作を独断と偏見で紹介していきます。
尚、特賞受賞作やその他前期展示されていた物は以下にまとめて

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「現代刀職展2023 前期展示」を見て【前編】

「現代刀職展2023 前期展示」を見て【前編】

現代刀職展2023(前期展示)を見に刀剣博物館へ行ってきました。
現代刀職展とは年に1回開催される刀職の方のコンクールです。
尚、前期展示(~9/10)と後期展示(9/12~10/15)に分かれています。

刀を作る職人もいれば、刀を研ぐ職人、鞘を作る職人、刀身に彫を施す職人、鐔やハバキを作る職人など様々いるのでコンクールも各部門に分かれて審査されます。

上から無鑑査、特賞、優秀賞、努力賞、入選

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「日本刀 記録の系譜」展は名展でした

「日本刀 記録の系譜」展は名展でした

7/30まで刀剣博物館で開催中の「日本刀 記録の系譜」展を見てきました。
日本刀の姿や刃文、茎の情報をどのように記録に残してきたか、にフォーカスした展示で今までにない面白い展示でした。
刀剣の展示もあり名刀ばかりです。

■展示は6部構成展示は全6章で構成されています。

・1章 記録の歴史

1章では茎や刃文の記録といったものが、どういう過程を経て進化してきたかが分かります。

ざっくり書くと以

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現代刀職展2022 ③刀身彫、白鞘、刀装、彫金、柄前、白銀の部

現代刀職展2022 ③刀身彫、白鞘、刀装、彫金、柄前、白銀の部

現代刀職展2022が11/29~12/5まで刀剣博物館にて行われています。
(前期と後期で展示物が一部変わります)
3回に渡る記事は今回が最後です。
今回は前期展示の刀身彫、白鞘、刀装、彫金、柄前、白銀の部の作品の紹介です。

①刀身彫の部優秀賞

②白鞘の部優秀賞

努力賞1席

③刀装の部優秀賞

④彫金の部無鑑査

薫山賞

優秀賞3席

努力賞1席

努力賞2席

努力賞3席

⑤柄前の部

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現代刀職展2022 ②研磨の部

現代刀職展2022 ②研磨の部

現代刀職展2022が11/29~12/5まで刀剣博物館にて行われています。
(前期と後期で展示物が一部変わります)
前回に引き続き、今回は前期展示の研磨の部の作品の紹介です。

作刀の部は以下↓

①研磨の部(無鑑査)藤代興里

柳川清次

斉藤光透

河本光誠

②研磨の部(鎬造の部)文部科学大臣賞(特賞)

※今回より新設

木屋賞(特賞)

竹屋賞(特賞)

千葉賞(特賞)

薫山賞(特賞)

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現代刀職展2022 ①作刀の部

現代刀職展2022 ①作刀の部

現代刀職展2022が昨日より、刀剣博物館にて始まっています。
前期と後期で展示物が一部変わりますので行かれる方はご注意ください。
今回私が見てきたのは前期展示です。

刀を作る刀鍛冶の方、刀を研磨する研師の方、ハバキなどを作る白銀師の方、柄を作る柄巻師の方、鐔を作る彫金や、白鞘を作る鞘師の方など、刀に携わる沢山の職人の方が腕を競い合う場です。
刀の注文打ちを検討されている方や、研ぎを検討されている

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「刀剣博物館 館蔵品・寄託品展」を見て

「刀剣博物館 館蔵品・寄託品展」を見て

現在刀剣博物館にて、館蔵品寄託品展が行われています。
刀剣博物館所蔵の名品や寄託された名品が一同に会している展示会で、重要美術品や重要文化財という品が沢山並んでいるとの事で早速見てきました。
写真はNGの物もありますが、撮影可のものもあります。
この展示会は2022年11月23日まで行われています。

①気になった作など・地斑映りの鮮明な古一文字宗吉

宗吉は福岡一文字派で1219~1222年頃に

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「日本刀多彩なる造形展」が面白い!

「日本刀多彩なる造形展」が面白い!

2022/2/26~2022/5/22まで両国の刀剣博物館で開催中の「日本刀多彩なる造形展」へ行ってきました。

多彩なる造形展と題しているだけあって様々な形をした刀剣、槍、剣、刀装具などが並びます。
その中でこれは面白い!と個人的に感じたものを紹介します。

①刀の起源とも言えるもの古墳時代のもので、いわば上古刀と呼ばれるもの。刀の起源にあたる。
この時代はまだ反りがなく直刀姿。
反りのある湾刀

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第67回 重要刀剣等新指定展レポ

第67回 重要刀剣等新指定展レポ

1/8~2/20まで両国の刀剣博物館にて67回の重要刀剣等指定展が行われています。
昨日見てきましたのでその感想です。

以下に書いたように今回は在銘24振、無銘66振と無銘率の高さが伺えます。

回を重ねる毎に良品は減るのが常なのでこれはしょうがない事と思いつつ、そんな事もあり正直そこまで期待はしていなかったのですが、これは!という凄い刀もやはり中にはあり、想像以上に楽しめました。
まだまだ新指

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