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【練習記録】1000字程度のショートショート

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書くことを習慣にしたい。 1000文字前後で書く練習のショートショート。 ■ 練習作品のテーマにはお題サイト「腹を空かせた夢喰い」による100セットお題を引用しています。htt…
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#小説

14、空虚を掴む

 ボタンひとつで世界が変わる。一人暮らしの殺風景な部屋が雄大な荒野に変わる。右手には剣を…

三山 重
4か月前
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13、「見えないでしょ?」「見えるよ

 田舎のショッピングモールとは思えない盛況具合に軽く目眩がする。今日は日曜の朝に放送して…

三山 重
8か月前

12、ガスマスク越しに空を眺める

 パジャマを脱いで、制服に腕を通す。前髪を整えて、薄くリップを塗る。先週からコンタクトに…

三山 重
8か月前

11、キーボードを叩き割る勢いで綴る

「読まれた!」  ラジオネーム『影踏み単語』の名前がイヤホンから流れ込む。僕の名前だ。心…

三山 重
8か月前
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10、アイの輪切り

 見た目や行動は人間と遜色ない。食事は必要ないが、同じように食べ物を体内に取り込むことが…

三山 重
8か月前

【短編小説】 隠して

 隣の席の藤森菜々子さんはマスクを外さない。学生証の集団撮影の日はお休みで別日に撮影だっ…

三山 重
8か月前
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9、拒食症とカニバリズム

 爪を噛む。親指から順番に噛んでいたが、中指のターンでぺり、と音がして長く伸ばしていた爪が割れる音がした。そのままゆっくり剥いて口の中に含む。転がすと割れた爪が口内を刺激する。柔らかいところを探して噛みしめると、次第にしゃりしゃりと細かくなっていき、砂のように広がる。変に苦みがあるのは、薄く塗っていたトップコートのせいだろう。決して美味しくもないが、吐き出すのがもったいなく思えて喉奥を微かに痛めつけながらも飲み込んでいく。短くなった中指の爪先がギザギザに歪んで気持ちが悪い。指

8、固まった絵の具と君の心を解く方法

 放課後の美術室には絵の具の重く甘い匂いが沈んでいる。窓を開けると風が匂いを床から持ち上…

三山 重
8か月前
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7、焼却炉で見た夢

 お別れなんだと思ったのは、一ヶ月経ってもLINEに既読がつかなくなってからのことだった。少…

三山 重
8か月前
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6、〇〇を□□とするならば

 もしもの話である。  頭に「仮」がつく話をどこまで鵜呑みにすればいいだろうか。  明日…

三山 重
8か月前
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5、マスクに隠した劣情

 隣の席の藤森さんは、新学期の直前に左足を骨折して入院していた。聞けば階段から落ちたらし…

三山 重
8か月前
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4、ほんとどうしようもない

 左手に指輪の痕を見つけたのは、二時間前のことだった。指輪を着けている姿なんて見たことが…

三山 重
8か月前
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3、ありがちなおはなし

 昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、お…

三山 重
8か月前
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2、個性。

 僕は身体の形がほとんど存在しない状態で産まれた。肉体が十分に形成されることなく、どろどろのスライムのようだったという。母親は子を成す器として機能していない無能であるとして処罰を受けたと聞いている。どうやらもうこの世にはいないらしい。  遺伝子の相性や能力値を見て、理想の子供を産むためにカスタムをすることが一般的になった。一般的になったとはいえ、遺伝子操作は毎度実験的な要素が強く、一種の賭けのような要素もある。望むような能力を兼ね備えていなかったり、理想の顔立ちとは異なる場