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パニック障害について

うつ病や躁うつ病、発達障害など、現代では多くの精神的疾患が知られるようになりましたが、生まれつきの特性である発達障害と違って、
精神的な疾患は決して遠い存在ではありません

精神疾患としてはうつ病が有名ですが、他にも起こりやすい疾患として
パニック障害があります。

パニック障害とは?

パニック障害とは特に体に病気のない健康な人が、突然動悸やめまい、呼吸困難などの発作を繰り返し、発作がおきることを恐れて外出などが出来なくなり、生活に支障が出ている状態のことを言います。

パニック障害の症状

パニック障害は、前触れなく起こる発作と、発作が何度も繰り返されることが特徴です。

ある日突然、動悸や息苦しさ、めまいに襲われて自分がコントロールできず、「このまま死ぬのではないか」「気が狂うのではないか」と思うほどの恐怖に襲われます。

発作が起こった人は重大な病気を疑って病院を受診しますが、病院に着くころには発作が治まっていて、受診しても多くは「異常なし」という結果になります。

パニック障害は体の病気ではないので、
発作が治まった後に受診しても検査値に異常は出ないのです。

異常なしという診断にもかかわらず、その後も発作は繰り返され、
「また発作が起こるのではないか」と過度な不安状態になってしまい、
これを「予期不安」と言います。

発作が起こると大きな恐怖に襲われるので、助けを求められない車の中や、電車、バスなどの利用を避けるようになります。
そのうち外出自体が出来なくなって、学校や仕事にも行けなくなります。

このように、発作によって普段の生活に支障が出るのがパニック障害です。

パニック障害の発症

パニック障害の原因は明らかではありませんが、発作は脳幹部、予期不安は扁桃体を中心とした大脳辺緑系、広場恐怖による逃避行動などは前頭葉が関係しているという仮説があります。

また、ストレスを溜め込みやすい環境の人がなりやすい傾向があるようです。

一生に1回だけパニック発作を起こす人は9人に1人で、その中の4分の1から3分の1程度の人がパニック発作を繰り返し、パニック障害に進展します。

好発年齢は男女ともに20~30歳代で男性の方がやや若い傾向があります。
また、女性の方が頻度が高く、男性の約2~3倍と言われています。

パニック障害の頻度は全人口の1.5~4.7%で、けっして稀な病気ではないのです。

パニック障害の治療

パニック障害の治療は薬物療法が中心で、認知・行動療法などの精神療法を併用します。

薬物療法

薬物療法はパニック発作を抑え、予期不安を軽くするために行います。

発作を抑える薬は抗うつ薬の一種であるSSRIを使いますが、効果が現れるまでに1~2週間かかるので、根気よく服用を続ける必要があります。
薬の副作用が出ることもあるので、処方については専門医に尋ねましょう。

服用機関には諸説ありますが、
薬の量を調整するのに2週間~3ヶ月
発作の再発を防ぐために1ヶ月~3ヶ月
症状が完全に消えてからその状態を維持する期間として半年~1年とされています。

それからさらに半年~1年をかけて徐々に薬を減らし、服用しなくなって治療終了になります。

服薬での治療は、かなり長い時間が必要になることがわかりますね。

認知・行動療法

パニック障害を持つ人は、階段を駆け上がった時のような生理的な変化も、
「死を招くような緊急事態」だと認知してしまう傾向があります。

誤ったこの警報が不安を呼び、さらに変化が強くなってまた不安を呼ぶという流れを起こし、この悪循環がパニック発作が起こる仕組みの1つと考えられています。
このような誤った認識を訂正していくのが認知療法です。

行動療法では暴露療法が使われることが多く、パニック発作が起きたときの状況や場所を聞いて、その中の不安の弱いものから順にその状況を実際に体験し、恐怖感が無くなるまで繰り返していきます。

この手法は決して無理はせず、回復度合いに合わせて難易度を調整し、成功体験を重ねて自信をつけていくのがコツです。

家族や周囲の人に出来ること

パニック発作は本人にもコントロールできず、大きな恐怖を体験します。
ですが体に異常はないので、数値として認識できるものではありません。

本人が訴える異常が確認できなくても、
「また同じことを言っている」
「気のせいなのに大騒ぎしすぎ」
のように、患者を否定することは、本人を追い詰めることになりかねません。

死にそうなほどの恐怖を感じているのに理解を得られず、味方がまったくいないというのはとても辛いことです。

そして、パニック障害の治療にはとても長い時間がかかります。

パニック障害という病気を正しく理解し、治療に協力することが大切です。

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