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モラハラ・DVサバイバー。 被害者支援や心理について学びながら、死ぬまでどう生きるか模…

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モラハラ・DVサバイバー。 被害者支援や心理について学びながら、死ぬまでどう生きるか模索中。  *好きな音楽のことや思いついたことを書き散らかしてるブログ https://ameblo.jp/philumena/

最近の記事

まなざしの宛先

まなざし。 そこに居る誰かから、確実に「わたし」に向けられる柔らかい視線。 ほかの「誰か」に向けてではなく、また一瞥ですぐに逸れるものでもない、方向と意味と温かさを持って注がれるもの。 私はそうしたまなざしの先に、自分を感じたことがなかった。 誰のどんな気持ちの宛先とされるかで、ひとは作られていく。 鋭いもので打たれればそこが歪み、強く抑えつけられると凹んでゆく。 抑圧を跳ね返す弾力は、誰かのまなざしを十分に受けていることで、備えられていく気がする。 植物が陽の

    • DV被害者の支援ーできることとその役割について

      DV被害者の自助グループ DV被害者の自助グループに参加する中で、その役割や限界について最近よく考えていた。 問題を抱え回復を目指す人のための「自助グループ」は、援助活動を行っているNPOなどが主催していることが多く、DV被害者のための自助も各地に存在している。 自助グループでは、ミーティングを進行をするファシリテーターを中心に当事者同士が集まり、お互いの体験や心情を話し、聴き合う。批判や批評・アドバイスなどをしない、匿名のままで参加する、その場で聴いた内容は他言しない

      • ひとをかたち作る物語のはなし

        子どもが生まれた時、驚いたのは、その「つくり」の精巧さだった。 極小サイズの指先にある爪のひとつひとつや、目の周りを囲んだまつげの1本1本をはじめ、どれもが完璧だったこと。 これから徐々に完成していく、というような曖昧さがなく、すでに「ちいさなひと」が出来上がっている。その存在感といったらなかった。 子どもというのは、後天的な要素で形作られていくものだと思っていた。だから、少なからず心配でもあった。自分という人間に全く自信のない私が、もう一人の人間を作っていけるのかと。

        • 自分を育てなおす

          サバイバーであり神経症でHSPである自分を、育てなおしている。 別居してから1年以上が過ぎ、裁判での離婚成立からも半年が過ぎた。不機嫌や暴言・暴力に晒されることもなく、度々の怒りと不条理感を感じずにいられる「普通の日常」に少しずつ適応できてきたとは思う。 その「当たり前の普通」が、以前の私にとって「特別なこと」であった違和感なのか、理由もなく疲れてしまうことが多かった。だからと言って「以前の普通」に戻りたいとは決して思わなかったけれど。 戦場から平和な日本に来た人みたい

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        まなざしの宛先

          被害者支援について当事者が考えたこと

          被害者支援について、私が漠然と感じていたことを書いてある、非常に興味深い内容の記事を読んだ。 記事には「福祉には熱意や情熱よりも大切なものがある」として、虐待やDVなどでPTSDを負っている被害者に対する、知識やスキルのない者が行う支援は、洗脳や搾取、利用につながる怖れがある、ということが書かれている。そのような支援をする「知識のないもの」の立ち回りが、時にDV加害者そのものである、ということも。 私はこの春から通信の大学で心理学の勉強を始めた。 もともと、10代のころか

          被害者支援について当事者が考えたこと

          ことばとは何か

          こどものころから文章を書くことが好きだった。 自分の内から生まれてくることばが書かれたノートやPCは、自分の中身を整理するために用いる「器官」のようなものだった。日々、日記を書くことで考えていることを明らかにし、いつもそこを通してから話し表現していた気がする。 ことばと本当の感情にはどうしても距離があるから、自分にとって大事なことを大事な人に、自分の中身と一番近い形で伝えるために、言葉を選び組み立てた。話しながら言葉を選び、いちばん相応しいことばを。 元夫と出会った当初

          ことばとは何か

          飲んだ酒は吐かない・4「別居・離婚までのセルフケアについて」

          DV・モラハラの被害を受けていると、考えや行動の中心が自分自身ではなく、加害者である夫や恋人になっています。(モラハラ等の被害は親子や職場内、同性間でもありますが、この記事では親しい男女間の、男性から女性へのDV・モラハラについて書いています) 常に相手の顔色を窺い機嫌を損ねないように、と考えているので、自分の感情を感じにくくなっていくのです。 絶えず不機嫌な雰囲気に晒されていることや、安心できるはずの家庭で怯えて過ごしていることが、自分にとって良い事だと思うひとはいませ

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          飲んだ酒は吐かない・4「別居・離婚までのセルフケアにつ…

          飲んだ酒は吐かない・その3「DV・モラルハラスメント被害者とは」

          私を含め、DVやモラルハラスメント被害者となった人には、性格やタイプに共通点が見られますが、最初に強調しておきたいのは、それらの特性や性格が決して「悪い」ものではない、ということです。 加害者からの被害を受けやすい側面があったとしても、それらは、他の人との関係においては長所になりうるものでもあり、それぞれが持つ大事なその人の一部です。 ただ、自分でその特性を自覚しておくことや、自分を傷つけずに他者とより良く向き合うため、生きやすくなるために工夫が必要な場合があるので、その

          飲んだ酒は吐かない・その3「DV・モラルハラスメント被害者とは」

          飲んだ酒は吐かない・2「DV・モラルハラスメント加害者の人物像」

          前回「その1」では、DV・モラルハラスメントとは何かということと、モラルハラスメントには段階がある、ということについて、実体験を交えて解説しました。今回は加害者(ここでは、夫婦や恋愛関係にある男性から女性に対するDV・モラルハラスメントについて)の思考や行動について考えてみます。 まるで「金太郎飴」8年前からアメブロで、私と同じDV・モラルハラスメント被害ツマである、多くのブロガーさんたちと交流していますが、各家庭の「モラ夫」(モラルハラスメントをする加害夫のことを指すこと

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          飲んだ酒は吐かない・1「DV・モラルハラスメントとはなんなのか」

          DV・モラルハラスメント加害夫と長らく結婚生活を送り、昨年ようやく離婚。その体験については「モラハラ・DV夫との離婚手順」というタイトルで1から11までの記事にまとめ、脱出準備、離婚までの手続きや住まいの探し方など具体的な情報や知恵を書きました。 ここでは、そこで書ききれなかったこと、DVやモラルハラスメントとは結局のところ何なのかを始め、被害者となってしまうタイプ、加害者の人物像などについて、私自身がさまざまなものから学んだり体験から実感したことを掘り下げていきたいと思い

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          飲んだ酒は吐かない・1「DV・モラルハラスメントとはなん…

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその11「その後の結論」

          これを書いている現在、世界中が大きな災禍に見舞われています。外出を自粛し自宅待機や自宅勤務になり、DVやモラハラ、虐待の被害者が加害者と長時間過ごさなければならないことで、相談することも逃げることもできない状況になっている、と被害の悪化が懸念されています。 noteにまとめた意味私は、これまで8年ほどアメブロで自分が日々考えたことや、自分の家庭のとんでもない状況について備忘録のように書き記し今も書いていますが、それは自分の精神安定のためだったり、吐き出しの意味合いが大きかっ

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその11「その後の結論」

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその10「面前DVの影響」

          離婚の顛末については「その9」までにまとめましたが、今回は子どもに対する面前DVの影響について、そのような場からもっと早いうちに子どもを守れなかった反省もこめて振り返ろうと思います。 これまでの子どもの様子私の家庭では私自身は掴みかかられたり殴られることがあったものの、子どもに対して夫が手をあげることはありませんでした。しかし些細なことで執拗な説教をしたり、私に対する当てつけで子どもを叱ることはよくありました。そうすれば私が必ず子どもをかばい、静止したり抗議するので、それを

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその10「面前DVの影響」

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその9「離婚届提出と面会交流調停、弁護士費用の詳細」

          前回は裁判の経緯とその費用に関する援助申請について詳しくお伝えしました。今回は面会交流の調停内容と、私のほぼ希望通りになったその結果について、一連の調停・裁判にかかった費用詳細をお話しします。 離婚届提出と戸籍手続き離婚届は、裁判が終わった翌日に受け取った和解調書を区役所に持参し、提出しました。裁判で離婚が成立した場合、相手方の署名・捺印や証人も不要で、その場で離婚届に記入し調書を添えて提出するだけで受理されます。

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          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその8「離婚調停と裁判」

          前回は調停の申し立て準備や費用についてお話ししました。今回は調停がどのように行われるかと裁判の提訴に至った経過や準備について、裁判費用の援助申請についても詳しくお伝えします。 離婚調停に家裁へ調停を申し立ててから、約1か月後に第1回目の調停になり、指定の時間前に弁護士事務所で打ち合わせをして、弁護士と一緒に家庭裁判所に向かいました。来庁時刻は、裁判所側が私と相手が会わないようにずらして設定してくれたようでした。

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          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその8「離婚調停と裁判」

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその7「別居後の状況と弁護士依頼」

          前回は物件の契約と荷物の搬入などについてお伝えしました。今回は別居後の精神状態や経過、法テラスへの連絡と弁護士への依頼、調停申し立ての詳細、子どもの学校への対応についてお話しします。 別居直後の状態夜間に突発的に家を出たので、最低限の住環境を整える間、友人宅にお世話になっていましたが、1日目は本当に一睡もできませんでした。疲れているのに眠くならずお腹も空かない状態で、友人と一緒の食卓では少しは食べ物を口にしましたが、それ以外は食欲も全くありません。 翌日もほぼ同じ状態で、

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          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその7「別居後の状況と弁護…

          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその6「物件契約から引っ越しまで」

          前回記事では、賃貸物件探しの注意点などについて詳しくお伝えしました。今回は物件の契約に関してと、引っ越し準備の手順や体験から気づいたことなどをお伝えします。 申し込みから契約までこれまでの住居が持ち家の方だと、賃貸物件の契約については忘れてしまった・わからない、という人もいると思うので、申し込みや契約のことを少しおさらいしてみます。

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          モラハラ・DV夫との離婚手順ーその6「物件契約から引っ越…