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飲んだ酒は吐かない・4「別居・離婚までのセルフケアについて」


DV・モラハラの被害を受けていると、考えや行動の中心が自分自身ではなく、加害者である夫や恋人になっています。(モラハラ等の被害は親子や職場内、同性間でもありますが、この記事では親しい男女間の、男性から女性へのDV・モラハラについて書いています)

常に相手の顔色を窺い機嫌を損ねないように、と考えているので、自分の感情を感じにくくなっていくのです。

絶えず不機嫌な雰囲気に晒されていることや、安心できるはずの家庭で怯えて過ごしていることが、自分にとって良い事だと思うひとはいませんし、できれば毎日笑顔で過ごしたいと思っているはずです。

そのためには、まず原因である夫や恋人から離れることだと思いますが、そのための決心も気力もまだ無い、自分でもどうしたらいいかわからないという人が大半かもしれません。

そこで、まず現実を客観的に見て、その上で自分がどうしたいのかをはっきりさせるために、以前の記事で加害者の実像を説明しました。

今回は特に、加害者と共存(夫婦やパートナー関係を継続)している被害者が、自分の感情や精神がどのような状態なのか認識し、離婚や別居などの行動に向かう気力を取り戻すために、どのように自分を受け入れていくかを考えてみます。


自分の状態をよく知るには

自分の状態をよく知るには、まず自分が感じている苦しみを受容することが必要だと思います。この場合の「苦しみの受容」とは、虐待を甘んじて受け続けるという意味ではなく、自分自身が苦しみを感じていることを自分に許すという意味です。

被害者の多くは「自分が悪い」と思い込んでいるので、無意識のうちに「苦しんでも当然」あるいは「苦しいと思ってはいけない」とも考えています。

または、自分が体験していることを「大したことではない」と考え、自分の感情を麻痺させているので、苦しい、とも感じていないかもしれません。
それは、こころを守るための自己防衛なのですが、感情を自分の手に取り戻さなければ、それを癒し回復させていくこともできないのです。

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