Hiroki Inomata (猪股紘樹)

平成元年生まれ / 物語と哲学が好き / 友達が少ないので気をつけてください

Hiroki Inomata (猪股紘樹)

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猪瀬直樹『公』(2020年)

僕が猪瀬直樹さんの本を読んだのは『昭和16年夏の敗戦』が最初です。 やたら名著だと話題になっているので読みましたが、最初は史実なのか小説なのかわからずに困惑した記憶があります。 そんな風に、猪瀬直樹さんは物語を創造する作家でもあり実務的な政治家でもあるという興味深い立場の人物です。 この『公』という本もその著者の人生を反映するように、政治史として読める一方で、作家や文学の世界について書いた本だともいえます。 日本政治に対する猪瀬直樹さんの問題意識は明確です。 「日本は三

    • 大阪万博のことはよく知らないけれど、僕は日本維新の会の 「オトモダチ利権に金が流れる不合理さを批判する」 「身を削って公務員や公共事業の無駄を削減する」 といった姿勢に惹かれていたのに、自分らも同じようなカネの使い方してんじゃんという失望は感じてますね。

      • 現代の日本に暮らしていておかしいと思うこと

        炎上という現象が社会正義の皮を被っていること → 罪人に石を投げて殺したり、残酷な処刑を公開の場でおこなうような風習は数百年前からありました。古代ローマのコロシアムでは罪人を猛獣に襲わせる処刑がおこなわれ人々はそれを娯楽としてワクワクしながら見に来ていたとのことです。 橘玲さんなどの考え方からすると 「悪いことをした人を罰することを快感に感じるのはヒトの遺伝子がそのように設計されているから」 です。 単体では生きていけず社会的な群れをつくって生活するヒトという動物にとって、

        • わからなさへの不安とフロイト・陰謀論

          "わからない" という状態は極度のストレスになるが、フロイトはなんとなくそれっぽい物語を提供してそれを "わかるもの" に変えることで、結果的にストレスが軽減されて神経症が落ち着いたりしたんじゃないかという話を思いついたので書いてみます。 まず "わからないという状態がストレスになる" とはどういうことか。 1. 好意をもってこちらに挨拶してくる相手 2. 敵意をもってこちらを無視してくる相手 3. なんだかわからないけどずっとこちらを見ている相手 これらのうち3番目の人に

        猪瀬直樹『公』(2020年)

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        • 雑記
          40本
        • レビュー
          8本

        記事

          壊れた外付けHDDから取り出したファイルの整理がやっと終わった…。接続しても認識しなくなって、データリカバリー会社に見積もり頼んだら10万円とか言われたから放置してたんだけど、EaseUSのソフト (約7000円) でだいたい欲しいファイルは取り出せました。ご参考までに。

          壊れた外付けHDDから取り出したファイルの整理がやっと終わった…。接続しても認識しなくなって、データリカバリー会社に見積もり頼んだら10万円とか言われたから放置してたんだけど、EaseUSのソフト (約7000円) でだいたい欲しいファイルは取り出せました。ご参考までに。

          半夢日記 (Twitterが嫌いな理由~権威と同調圧力)

          今日も12時間くらい寝たので記事を書きます。 たくさん寝たあとは、自分についての発見みたいなものが見つかることが多いというか、頭の中でいままでつながっていなかったもの同士がつながって、ひとつのストーリーみたいなものが出現する可能性が高いような気がしております。 あるいは夢を見ているときの脳の状態 ー つまり本来は関係ないはずのもの同士を支離滅裂なストーリーによってつなぎあわせているだけなのに疑いもなく受け入れてしまう状態 ー が、起きたあとも継続されているがために、統合され

          半夢日記 (Twitterが嫌いな理由~権威と同調圧力)

          世代別投票率と世代別投票 "数"

          すっごく大雑把に 「世代別人口」 に 「世代別投票率」 をかけて 「世代別投票数」 というのを算出してみた。(2022年参院選) 上がよく見る世代別投票率 下が算出した世代別投票 "数" なんてこったい\(^o^)/

          世代別投票率と世代別投票 "数"

          「共通のPlatform」 とはなにか

          僕は神保哲生さんと宮台真司さんの 「マル激」 という有料番組が好きでよく見ていたのですが、そこで宮台真司さんはよく "共通のプラットフォーム" という言葉を使っていました。 これを僕は公共という言葉と似たようなイメージで捉えていました。 みんなが使うもので、それがなければみんな困るから、みんなが気を遣って (たとえば市町村税などを払って) 支えておかなければいけないもの というイメージです。 そして宮台真司さんは 「日本人には共通のプラットフォーム感覚がない」 と批判して

          「共通のPlatform」 とはなにか

          民主主義が起こす戦争 : 三浦瑠麗『シビリアンの戦争』

          『シビリアンの戦争』は三浦瑠麗さんの初著にして集大成!と冠をつけたくなるような本でした。とにかく難しい。5年前にいちど読もうとして挫折したのですが、それから世界史の知識をつけて再挑戦したらなんとか読めました。つかれた。。。 内容は 「なぜ戦争は起こるのか」 という大きなテーマ。イギリスが参戦したロシアとのクリミア戦争 (1853年) や、イスラエルのレバノン戦争 (1982年 / 2006年) を取り上げていて、タイムリーといえばタイムリーです。 だけど本書のメインはアメ

          民主主義が起こす戦争 : 三浦瑠麗『シビリアンの戦争』

          取りに行かない時代

          SkypeやらDiscordやらTwitterやらインターネット時代のコミュニケーションツールはそれなりに体験してきたつもりです。 日本人コミュニティだからなのか、全世界的にそうなのかわかりませんが 「取りに行かない使い方」 をする傾向があるなと思います。 言い換えるなら 「能動的でない状態」 が好まれるというか 「たまたまそうなってしまった」 という状態が好まれる。 ただ完全に受動的というわけでもなく 「嫌だったら拒否する」 という自由はあるけど 「好きなものを取りに

          取りに行かない時代

          日雇い系イベントスタッフが考える人事

          桂大介さんのこの記事を読みました。 読みながら 「こんなのジレンマでもなんでもなく、ありふれた日常の一コマじゃん」 と思いましたが、そう感じたのは僕が大きな会社組織に所属したことがなく、日雇い系のイベントスタッフを長年やっていたからだと気づいて 「そうか、世の中の大多数の人は僕みたいな経験や感覚を持ってないのか」 と思い、少しでもジレンマに悩む人々の参考になればと、この記事を書き始めたところです。 僕がやっていた "日雇い系のイベントスタッフ" というのは、主にコンサート

          日雇い系イベントスタッフが考える人事

          1~2時間の生配信イベントのために1~2日間かけて準備をする人たちの気持ちがちょっとだけわかった。雑談系のイベントとかだと話がどこに向かうかわからないから広範な知識をいつでも取り出せるようにまとめとかないといけない。でも実際に本番で使うのはそのごく一部。氷山の一角。すごいことだ。

          1~2時間の生配信イベントのために1~2日間かけて準備をする人たちの気持ちがちょっとだけわかった。雑談系のイベントとかだと話がどこに向かうかわからないから広範な知識をいつでも取り出せるようにまとめとかないといけない。でも実際に本番で使うのはそのごく一部。氷山の一角。すごいことだ。

          DJ SODA・ひろゆき・ファクトチェックと服装の問題

          もともとのきっかけはこのDJ SODAさんのツイートのようです。 これに対して、ひろゆきさんがこのように返します。 (しかしコミュニティノートによって誤読・誤訳だと指摘されています) またその後、日本ファクトチェックセンター (JFC) なる団体によっても指摘されています。 これを3行の会話にすると、 DJ SODA   「服装と性被害は絶対に関係がない!」 ひろゆき   「絶対は嘘ですよね?22人に1人は服装が一因ですよ?」 JFC            「服装が原因

          DJ SODA・ひろゆき・ファクトチェックと服装の問題

          過去に自分が書いた約15年分・5000記事くらいの日記やら下書きやらブログ記事やらをNotionで非公開データベースにまとめて、テーマごとに選集をつくったりしてます。自分自身への愛が強すぎて笑える。でもいまの僕の思考回路がどうやってできあがったのか追えてとてもおもしろい。

          過去に自分が書いた約15年分・5000記事くらいの日記やら下書きやらブログ記事やらをNotionで非公開データベースにまとめて、テーマごとに選集をつくったりしてます。自分自身への愛が強すぎて笑える。でもいまの僕の思考回路がどうやってできあがったのか追えてとてもおもしろい。

          インターネットを汚すな!!

          僕はこの自分の考え方が時代遅れの頭悪い意見だというのをわかった上で言うんですけど、 「インターネットを無駄に汚さない」 という感覚をもっと持った方がいいと思うんですよね。 我々、紙媒体世代のおじちゃんおばちゃんならわかると思うんですけど 「くだらないことを書いたら紙が無駄になるでしょ!」 という感覚があるじゃないですか。紙ってのは木からつくられるわけで 「自然の資源を消費してる」 という感覚にもつながるわけですよ。 メールの時代にはまだその "紙感覚" が残ってたと思うん

          インターネットを汚すな!!

          河井克行と検察の不起訴 /『検事失格』市川寛

          河井克行 (元法務大臣) 氏の事件が話題になっています。 もともと河井克行・河井案里 夫婦は、選挙のときに政治関係者に金を配って買収した罪でそろって逮捕されていたようです。これが2019年の話。 最近になって、その事件の捜査方法に不正があったんじゃないかという疑いがでてきています。 どうやら汚い金を "受け取った側" の政治関係者たちを取り調べるときに、担当の検察が 「あなたを不起訴にするから "渡した側" の河井夫妻を有罪にできるような証言をしてくれ」 と交渉した疑いがあ

          河井克行と検察の不起訴 /『検事失格』市川寛