鹿児島の警察ヤバすぎ (追記あり)

はじめに

6月13日にこんなニュースが報道されていました。

えっ、令状も見せずに家宅捜索して勝手に削除ってどんだけヤバいデータだったんだと興味が沸いたので、記事に載っているハンターというニュースサイトを見てみました。

そしたらびっくりで闇が深いこと深いこと……
経緯を追うだけでも大変だったのですが1~2日かけてそれなりに把握できたので、僕のようなニュース消費者仲間のためにかいつまんでご紹介したいと思います。



鹿児島県警の内部文書流出 (2023~2024年)

先ほどの記事には 「ハンターは2023年10月、県警の内部文書を掲載」 と書かれていたので、それを頼りに探してみましたが該当するのはおそらくこの記事です。

「告訴・告発事件処理簿一覧表」 というそれっぽい文書が掲載されてます。

ただこの記事だけを読んでもいまいち経緯がわからなかったのでさかのぼっていったところ、そもそもの発端は2021年に起こった強制性交疑惑でした。


警察官の息子が強制性交で告訴された事件 (2021~2022年)

2021年にコロナの療養所で勤務していた医師会所属の男性職員 (S) が、派遣されていた女性スタッフと性的行為をおこないました。
女性スタッフは無理やりの強制性交だったとして年が明けた2022年1月に鹿児島中央署の警察に相談しています。
しかし対応した警察官にはまともに取り合ってもらえず、後日弁護士の力を借りてやっと告訴状を提出することができました。

この時点で問題がひとつありました。
女性が相談した鹿児島中央署には、相手男性の父親が警察官として働いていたのです。
そこからこの父親が中心となって、息子の起こした強制性交事件をもみ消そうとしていたのではないかというひとつ目の疑惑が生じました。
女性の相談に対応した警官が 「上司に確認するため」 として何度も離席していたというのも疑惑を深めています。


男性Sが女性の関係者を名誉毀損で告訴する (2022年3月)

とはいえ弁護士の力を借りたことで女性の告訴状は受理されました。
これによって鹿児島中央署には捜査を行う義務が生じます。

ところが次の問題が3月に起こります。
告訴された男性Sが、逆に女性の関係者を名誉毀損で刑事告訴したのです。
それ自体はいいのですが、問題はその "事実上の反訴" の処理のされ方です。

この名誉毀損の訴えは、本来ならば鹿児島西署が対応するはずでした。
しかし西署が告訴相談を受理したあとに 「上層部からの指示で鹿児島中央署で処理することになった」 のだといいます。

これは少なくとも一般人の僕の感覚でいえば相当おかしな話で、そもそも中央署には男性Sの父親が勤務しています、その中央署が 「職員の息子が加害者と疑われている事件をそのまま担当すること」 自体おかしいのに、更に息子の "事実上の反訴" の担当まで強引に中央署に変更されているのです。

これによって鹿児島中央署は男性Sを 「強制性交の加害者の疑い」 で調べるのと同時に 「名誉毀損の被害者」 としても聴取をおこなうという摩訶不思議な状況が生じたそうです。


鹿児島中央署の内部資料流出によって発覚 (2023年10月)

しかし最もおそろしいのはこの摩訶不思議な状況が、警察の内部文書の流出なしでは発覚しなかったことです。

そこでやっと冒頭のハンターの記事につながります。
この記事に載っている2件分の 「告訴・告発事件処理簿一覧表」 というのは
1件目 = 女性が男性Sを強制性交で告訴した事件
2件目 = 男性Sが女性の関係者を名誉毀損で "反訴" した事件
これらが警察内部でどのように処理されたかの記録です。

注目すべきなのは2件目の男性Sの "反訴" の処理で、
令和4年 (2022年) 3月31日: 鹿児島西署管轄と判明
令和4年 (2022年) 4月11日: 上層部から当署 (※中央署) で処理方針との伝達

といった内容がはっきりと記されています。

これは本来であれば警察外部の人間が見れない書類なのでしょう。
その辺りは僕には確かなことは言えませんが、警察内部の誰かが内部告発のためにハンターにタレこんだと考えるのが自然かなと思います。

こうした内部文書の流出によって、男性Sの事件の処理に父親の存在が影響した疑惑はより深まりました。

ちなみに男性Sの父親は現在は中央署の勤務から外れています。
しかし2023年3月頃までは中央署で勤務しており、事件捜査がおこなわれていた時期には現役だったようです。


内部資料流出の対応に追われる鹿児島県警 (2024年頃)

ハンターへの内部文書のタレコミは鹿児島県警を焦らせたようです。
その前後の県警の対応は以下のように記事にされています。

このような情報流出の際に公的機関がどのように対応するのが誠実・適切なのか僕には正直よくわかりません。
でもひとつ目の記事で取り上げられてる鹿児島県警のこの一文にはシビれましたね。

再審や国賠請求等において、廃棄せずに保管していた捜査書類やその写しが組織的にプラスになることはありません!!

鹿児島県警の『刑事企画課だより』から

流出元の特定と大手メディアの報道 (2024年5月頃)

それから半年ほど経ってつい最近、内部文書を流出させた人物が特定されたようで全国ニュースでも広く取り上げられました。

しかも流出させた警察官は少なくとも2人いたようです。

上の記事は2024年4月に "元公安課の警察官" が逮捕された件について。
この記事では 「自分が情報を得るために相手に情報を渡した」 といった理由で流出させたと書かれています。

一方で下の記事は "元生活安全部の部長"の件についてです。
彼は 「上司が盗撮事件を隠蔽したこと」 を告発するために流出させたと書かれています。

記事を読む限りでは2人はそれぞれ別々の思惑から内部告発をおこなったようです。


男性Sと医師会と鹿児島中央署の関係?

内部文書の流出元はともかくとして、男性Sと元鹿児島中央署の父親らによる介入疑惑についてはまだ明らかにすべき部分が残っているように思えます。

というのも、これまでは省いていましたが、そもそも女性が男性Sを強制性交で告訴した事件の処理には、鹿児島の医師会選挙が絡んでいたという疑惑もあるんです。

性的行為が起こなわれた2021年9月、男性Sは鹿児島県医師会に所属していました。
おさらいになりますが、その翌年1月に女性が鹿児島中央署へ行って告訴したわけです。
しかし医師会はその告訴前後の時期には、すでに事件のもみ消しに動いていたのではないかと疑われています。

ハンターの記者は鹿児島医師会と鹿児島県警が共謀して事件をもみ消そうとしたのではないかと考え調査を続けているようです。
その辺りについては僕が書くよりもハンターの記事が時系列表などもあって読みやすいと思うので、よければご覧ください。

ひとまずここまで読んでくださってありがとうございました。


追記

(2024年6月21日) 告訴した女性がコメントを発表

6月21日、強制性交で男性Sを告訴した女性がハンター上にコメントを発表したようです。

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