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失敗から学ぶサッカー審判の教科書『しくじり審判』「はじめに」を先行公開!

先人たちが犯した“ミス”を知ることで、審判としての実技レベルが向上することをコンセプトとした、サッカー本の新刊『しくじり審判 失敗から学ぶサッカー審判の教科書』(小幡真一郎 著)はいよいよ10月15日発売です。

発売直前の本書から冒頭の「はじめに」を先行公開します。


【はじめに】

スポーツのゲームは「相手」「ルール」「審判」によって成り立っていると言われ、審判はそのスポーツの魅力をも左右する重要なポジションです。われわれサッカーの審判もサッカーの発展のため、先輩たちが築いてこられた審判文化を引き継ぎ、審判の役割を自覚し、その魅力に引き寄せられ、やりがいを感じてやってきました。
 
審判をやってきて、いくら年を重ねても仲間と集まって話すことは現役時代の思い出です。今は審判指導者となり、難しい顔をして教えていますが、心の中では「自分のほうがもっとすごい失敗をしたなぁ」と思っています。だからこそ、失敗を乗り越えてほしい――。そんな思いを何とか伝えられないかと考えていました。

そして、多くのサッカー仲間に「審判の見ていること、考えていること、やっていること」などを知ってもらい、サッカーの新たな楽しみを発見してもらう。同時に、これから審判を目指す人、より高いレベルを目指す人に役立ててもらうには、どうすればよいかを思案しました。そこでたどりついたのが、自分たちの失敗を中心とした経験談やエピソードをまとめた書籍を出せないか、というものでした。
 
1993年、J リーグの誕生とともに日本のサッカーが大きく変動し、世界に挑んだ時代において、他の職業に就きながら審判に関わり、人生の多くを審判活動に捧げ、酸いも甘いも知り尽くした〝生き証人〞たちが数々のエピソードを披露しています。当時はインターネットもなく、テレビの地上波中継かワイドショー、新聞で取り上げられるくらいでしたが、社会的に大きな注目を浴びていました。あのとき語られなかった思いを裏話として知っていただけたらと思います。
 
周知のように、失敗やエピソードから学ぶことは少なくありません。失敗を怖がったり、責めたりすれば成長などあり得ないと言われています。第1章では、こうした失敗から自分に何を問いかけ、次に同じ失敗をしないようにどのようなことを考えたのかを綴つづっています。
 
第2章では、レフェリングに関するレクチャーを展開しています。審判の専門性や高度な技術について、あるいは主審と副審の特性や身につけたい資質・学び方などについて、そしてそれぞれの個別的な奥深さや魅力について触れています。さらに第3章では、日本代表としても長年活躍された都並敏史氏との対談で、J リーグ開幕前後における選手と審判の関係、選手と指導者の立場から見たよりよいレフェリングについて言及いただいています。
 
コロナ禍でいろいろな制限がありますが、その中でも楽しみを見つけ、本書を読んで「自分にも審判ができそうだ」と思ってもらえることが喜びです。今の時代、情報や映像はいつでも、誰でも探すことが簡単になりましたが、人の想いを知ることはなかなかありません。審判関係者だけではなく、本書を手に取っていただいた方々には、人々のさまざまな〝熱〞に触れ、笑って、そして元気になってもらえたらと思います。
 
そして、サッカー仲間や次の世代に「審判って面白いよ」と伝えていただければ大変うれしいです。

小幡真一郎


【著者プロフィール】

小幡真一郎(おばた しんいちろう)

1952年、京都府生まれ。東京教育大(現筑波大)卒業後、母校である京都教育大学附属高で教諭を務める傍ら、京都紫光クラブ(現京都サンガF.C.)でプレー。29歳で現役を退き、85年に1級審判員、92年に国際審判員となる。93年5月15日のJリーグ開幕戦(V川崎- 横浜M)で主審を務めるなど2001年まで国内の第一線で活躍。以降は後進の指導にあたり、JFA審判チーフインストラクター、AFC アセッサーなどを歴任。13年にはAFC功労賞ブロンズスターアワードを受賞。18年からは筑波大大学院にてレフェリー活動の研究を行い修士号取得。現在もアセッサーや専門学校での学生指導、ゼミの主宰(*)など精力的に活動を続ける。*「17条とコモンセンス」主にオンラインで実施。Twitter: @17commonsense



【目次】

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【サンプルページ】

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『しくじり審判 失敗から学ぶサッカー審判の教科書』
ページ数 256
判型 四六
定価 1,870円(税込)
ISBN:9784862556172
出版社 カンゼン
発売日 2021年10月15日


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