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それでも月は満ち欠けを繰り返す
バックパッカーと呼ばれる生活をしていたころ、やらねばならない事なんて一つもなかった。ワンデーワンスイング「一日一仕事」とよく言い、「今日は遺跡を見に行こう」とか「手紙を書こう」というビックイベントから「洗濯をした」とか「髪を洗おう」とかそれもカウントするのっていうレベルのものまで(寒い地域で水シャワーだったりすると決死の覚悟が必要)。
そんな生活が1年2年と続いていくと、人は仕事を探し始める。
小指を立てたホテルマン
「お金のためだけに働くわけでは無い」と言うのは、スゴく贅沢な環境に身を置く人間の言葉だと思う。だから、心のどこかに一抹の恥ずかしさを感じながら。
「人は働くために生きているのです」
昔アルバイト先のホテルの上司が言っていた言葉がふっと頭をよぎる。猫背でスーツ、磨き上げられた革靴に、反射するほど撫でつけられた髪、銀縁メガネの奥から部下を見下し、お客様のためには身を粉にして働く絵に描いたようなザ・ホ
たった一日でやめたアルバイト。
20代前半で1日だけセブンイレブンで働いたことがある。
面接に行って、採用されて、取りあえず研修としてこの日に来てと言われて一日働いて、翌日「やめます」と伝えに行った。
面接してくれた店長からは「なんでなの?」としつこく聞かれ「申し訳ありません」と繰り返し正直な気持ちは伝えなかった。とても失礼な内容だし、怒られても嫌な気持ちにさせてしまうよりは良いかと思った。退出するとき「そんなんじゃ一生何やっ