かみはら@女性に寄り添う美容健康ライター

「女性が生きやすい社会づくりへの貢献」がモットー/薬機法を意識しながらエビデンスに基づ…

かみはら@女性に寄り添う美容健康ライター

「女性が生きやすい社会づくりへの貢献」がモットー/薬機法を意識しながらエビデンスに基づき執筆/コスメ薬事法管理者/作りおき料理コーディネーター/SEO対応/ライター歴8年/元役員秘書/お仕事はTwitterDMまで https://twitter.com/kamihara0730

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恋が下手な教師から教わったこと

10代という多感な時期に読んだ文章の中には、心の奥深いところに残って長い間消えないものがある。20年以上経ったいまも忘れられない文章を紹介したい。 高校生の頃、学校の先生がリレー形式でおすすめの本の紹介文を書き、生徒全員に配るという企画があった。私は先生たちの本音が垣間見えるこの企画が大好きだった。 授業中に笑わない古典の先生は、『源氏物語』を紹介していた。 「古典の本当に面白いところは、高校の授業では教えられない(笑)」 という文章が添えられていて、 「あ、実はお

    • 大人の読書感想文⑤『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』(原田マハさん著)

      今回の読書感想文は、大好きな原田マハさんのアート小説『板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh』(2024年)。 世界の「ムナカタ」として国際的な評価を得た版画家・棟方志功(1903-1975)の生涯が描かれている。この小説の最大の特徴は、棟方の妻・チヤの目線で書かれていることだ。 ゴッホに憧れを抱く棟方は、画家になるために青森から上京するが、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない。展覧会に出品し

      • 大人の読書感想文④『メンタル強め美女白川さん』(獅子さん著)

        「読書感想文にマンガってありなの?」と自分でも思うけれど、大好きなマンガなのでぜひ書き留めておきたい。 『メンタル強め美女白川さん』は、タイトル通り「メンタル強め美女」であるOL・白川さん(25歳)が、ひがみや嫌がらせ、マウントなど、女性を苦しめるストレスを次々とはねのけていくストーリーだ。 白川さんの職場ではさまざまな女性が登場する。ぽっちゃり体型がコンプレックスの町田さん(33歳)、仕事ができる自分よりちやほやされる白川さんが面白くない梅本さん(33歳)、そばかすがコ

        • 大人の読書感想文③『52ヘルツのクジラたち』(町田その子さん著)

          今回の読書感想文は、町田その子さんの『52ヘルツのクジラたち』(2020年・中央公論新社)。本屋大賞を受賞し、映画化もされている小説である。 タイトルにある「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラたちには聴こえない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラのこと。他のクジラとは声の周波数が違うため、いくら大声をあげても仲間にその声は届かない。 世界で一頭だけというそのクジラの存在自体は確認されているものの、姿を見た人はいないと言われている。 主人公は、自分の人生を家族に搾取され

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          大人の読書感想文②『一橋桐子(76)の犯罪日記』(原田ひ香さん著)

          今回の読書感想文は、原田ひ香さんの『一橋桐子(76)の犯罪日記』(2020年・徳間書店)である。 原田ひ香さんといえば『三千円の使い方』も非常に面白い。こちらは御厨家の女性たちがお金をどう貯めて、どう使うのかが読みどころである。そして今回の『一橋桐子(76)の犯罪日記』もお金に絡んだ小説だ。 主人公・桐子さんは老親の面倒を見てきて気づけば結婚もせず76歳になっていた。両親をおくり、わずかな年金と清掃のパートで暮らしているが貯金はない。同居していた親友のトモは病気で先に逝っ

          大人の読書感想文②『一橋桐子(76)の犯罪日記』(原田ひ香さん著)

          大人の読書感想文①『仕事にしばられない生き方』(ヤマザキマリさん著)

          子どもの頃から読書が大好きだったが、その割に読書感想文は苦手だった。なぜこんなに面倒なことをしなければならないのかと毎年のように思っていた。 大人になって気づいたのは、読書はインプットであり、読書感想文はアウトプットであるということ。インプットだけで終わりにしてしまうと、本を読んで学んだことも、感動したこともすぐに忘れてしまう。大切なことを忘れたくないから、大人になった今、読書感想文を書こうと思う。 初回は、ヤマザキマリさんの『仕事にしばられない生き方』(2018年・小学

          大人の読書感想文①『仕事にしばられない生き方』(ヤマザキマリさん著)

          『渡鬼』の名セリフから学べること

          私の母は、橋田寿賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』が大のお気に入りだった。言わずもがな、平成2年にスタートし、岡倉家の5人姉妹とそれぞれの家族のひきこもごもを描いた名物ドラマである。 義理の両親と同居して何かと悩んでいた母にとって、嫁姑問題をリアルに投影してきた『渡鬼』は、共感必至のドラマだったのだろう。毎週欠かさずドラマを見る母の隣で、私も自然と一緒に見るようになった。 ドラマの中で私がもっとも印象に残っているのは、5女の長子に向かって姑の常子が言ったセリフである。 常

          『渡鬼』の名セリフから学べること

          自分を褒めていますか?

          先日の土曜日、夫が所用で終日不在だったため、息子と二人の休日を過ごした。 「よし、ごはんは簡単なものにしよう。後はダラダラ過ごすのもいいかも」と前日から考えていた。 朝、6時半に起きてゆっくり朝食をとる。平日は5時半に起きてお弁当を作っているので、これでもよく寝た方だ。洗濯機を回したら、休日のルーティンである水回りの掃除をした。 その後は日課のストレッチをじっくり。そうこうするうちに息子が起き出してきて朝食を出す。 さて、これからどうしようか。車は夫が使っているからな

          ちくわ記念日

          私とSちゃんは大学で出会い、すぐに意気投合した。私たちは考え方や趣味嗜好がとても似ていた。 同じバッグ、同じブーツ、同じ文房具。一緒に買いに行ったわけではないのに、たまたま同じ持ち物を持っていることがよくあり、気づく度に私たちは驚いた。一緒に買い物へ行くと、同じ洋服に目が留まり、おそろいで色違いを買うこともあった。 就職活動に備えて一緒にリクルートスーツを買いに行ったときは、何軒もお店をまわったにも関わらず、2人して同じスーツが気に入り、またしてもおそろいを購入した。

          早起きは三文の徳?

          「早起きは三文の徳」ということわざがある。言わずもがな、「早起きするとよいことがある」という意味だ。 今朝は早起きでちょっとすごい体験をしたので、ここに書き留めておきたいと思う。 私は毎朝、家族の誰よりも早く起きて料理や洗濯などの家事をしている。今朝も6時前に起きて朝食の準備をしていた。 すると、キッチンに数ミリの小さなG(ゴキブリ)を見つけた。Gは非常に苦手だけれど、赤ちゃんサイズなら恐れることなく退治できる。Gを退治した私は何気なく足元へ目をやった。すると、今度は床

          旅はみんなを笑顔にする~コロナ禍の修学旅行で気づいたこと~

          息子が修学旅行から帰ってきた。高止まりの感染状況が続く中での県外への修学旅行。出発する直前まで「本当に行けるのだろうか?」と心配したし、出発後も「どうか元気で帰って来て欲しい」と祈るような気持ちだった。 コロナが流行し始めてこの2年余りで、修学旅行が”当たり前の行事”ではなくなったことを改めて実感した。 無事に帰ってきた息子から「楽しかった」という言葉を聞いた時、世界で一番うれしいお土産をもらった気分になった。 先日、『旅はみんなを笑顔にする』というJALのCMを見た。

          旅はみんなを笑顔にする~コロナ禍の修学旅行で気づいたこと~

          コロナ禍の帰省をどう考える?

          コロナ禍以降、長期休暇の度に、帰省するかどうかで悩んでいる。夫の実家は近いのでいつでも会えるけれど、私の実家は県外にある。 帰省した場合、県外移動はどれだけ気をつけても感染リスクがゼロではないだろうから、「もしも感染したら」「周りの人に迷惑をかけたら」と心配してしまう。 帰省しない場合、「(自分の)親に会えない」「孫の顔を見せてあげられない」と後悔の念に苛まれる。 悩んだ挙句、思い切って帰省したこともあるし、帰省を諦めたこともある。帰省のために移動するときも、「本当に帰

          父との交換日記

          子どもの頃、父と交換日記をしていた時期がある。仕事で多忙な父とは親子のコミュニケーションが少なかったため、母が考えついたことだった。 私はこの交換日記が苦痛で仕方がなかった。父が書く内容は硬いものばかりだ。「世の中で一番大切なものは何だと思いますか?」といった父の質問に対して、真面目に返事を書かなければならない。 あるとき、私と友人との間で小さなトラブルがあった。その話を母から聞いた父は、交換日記に「パパはそんな子はキライです」と書いていた。「父は私のことが嫌いなんだ…」

          子育て中に救われた忘れられない絵本8選

          子育てをしてよかったと思うことのひとつが、素敵な絵本にたくさん出会えたことだ。 子育ては想像をはるかに超えて大変だったけれど、絵本のおかげで楽しい時間を過ごせたことが何度もあった。子どもを寝かしつけるときも、よく絵本に助けてもらった。もはや絵本のない子育ては考えられない。 親子で繰り返し読んだ忘れられない絵本を紹介したい。 「バムとケロ」シリーズ(島田ゆか著)しっかり者のバムと、いたずら好きなケロちゃんとのやりとりが楽しい絵本。細部までこだわったかわいい絵は大人も子ども

          子育て中に救われた忘れられない絵本8選

          読書感想文にも!中学生におすすめの本11選

          我が家では不定期で中学生の子どもへ本をプレゼントしている。毎年夏休みになると、読書感想文におすすめの本も紹介する。 夏休みの読書感想文が嫌いな子どもは多いだろう。宿題だからと仕方なく本を読んで、どうにか読書感想文を仕上げている人もいるかもしれない。 でも、読書感想文を書くために読みたくもない本を仕方なく読むなんて、あまりにもったいないのではないだろうか。10代という今の時間は二度と戻らない。だからこそ「10代の時に読んで良かった!」と心から思える本に出会って欲しい。そんな

          読書感想文にも!中学生におすすめの本11選

          深夜の病室に笑顔を灯す

          忘れることのない大切な日々を、いま振り返って。 小さく生まれた赤ちゃんの子育て寒い冬の夜、里帰り出産で実家に戻っていた私は、あたたかい部屋で生後1ヶ月を過ぎた息子と過ごしていた。ほ乳瓶を使って授乳していると、突然、息子の顔色が蒼白になった。呼び掛けても反応がない。 私は動揺のあまり、泣きながら出産した病院へ電話をかけた。状況を伝えると「すぐに病院へ連れて来てください」とのこと。実家から病院まで、車で40分はかかる。その間に何かあったら…。必死に不安を振りほどき、母に付き添