武田 果子(たけだ かこ)

仲の良い人達から書けばいいのに、書くべきだよ、書いてみたら、と三段活用のように言われた…

武田 果子(たけだ かこ)

仲の良い人達から書けばいいのに、書くべきだよ、書いてみたら、と三段活用のように言われたきっかけではじめてみる事にします。

最近の記事

麗子に会ってきた

日本一有名な麗子、 岸田劉生の展覧会に行ってきた。 嫌と言うほど麗子に会える。 目の中に入れても痛くないとは、こう言う事なのだ、娘が大好き、語りつくせない彼の気持ちがビシバシ伝わってくる、モナリザと同じアングルの油絵、寝ても覚めても麗子。 だけど、それよりも多いのが自画像。 この人はすごいナルシストなんだって事、 岸田劉生の自画像がめちゃくちゃ多い、 右向きの俺、左向きの俺、真正面からの俺、 俺、俺、俺、俺、なかなかイケてんだろ俺! 自画像だらけ、自画像まみれ。 丁寧

    • ファンレターはラブレター

      ファンレターを書いた事ありますか? 私はあります、5年位前に。 大好きな作家の先生に自分の想いと感謝と、 作品を読む事で元気や勇気をもらったり、深く考える機会が出来た事がうれしくてうれしくて、伝えたくて堪らなくて、その想いを淡いブルーの便箋に万年筆で書いた。 メールを送る事にしようかとも思った、でもそれだと宛先はどこになるのだろう?出版社宛にメールでファンレター?それは違う気がする、いや送れるかも知れないけど何かヤダ、先生はSNSとかやってないからアカウントをフォローする

      • 席譲るか譲らないか問題

        その日は気持ちの良い秋晴れの日でした。 夕陽が綺麗だなぁと思っていると、電車の扉が開いて、リュックを背負った中高年の男女5人組が乗り込んできました。少し離れた私の席にも賑やかな声が聞こえてきます。 「あーっ、疲れたぁ」 「楽しかったわねぇ、空気が気持ち良かった」 「山にまた、行こうね」 電車は空席はチラホラとあるものの、最初全員の方が座れなかったようですが、 程なく、サラリーマンが席を譲り全員座れたようでした。 山登りの人達が全員降りていった後、私の隣の席に座る大学生の

        • 受験生の冬

          会社帰りの私はコーヒーを飲みながら本を読んでいた、駅からほど近いビルの中に入っているミスタードーナツのお店。 「コーヒーお代わりいかがですか?」 「お願いします」 お店の人からすすめられるがままにお代わりをいただいて、本に眼を落とす、 しばらくすると隣の話し声が耳に入ってきた。 「コーヒーお代わり無料なの?俺知らんかった」 高校生男子二人組は随分前から滞在しているらしく、お皿の上には何も載っておらず、コップの中は空っぽで氷さえ残っていなかった。 受験生に違いない、そ

          ばあちゃんの恋バナ

          亜弥の実家は広大な土地を持つ地主だ、 代々稲作を中心に専業農家を営んでいたけれど、おじいさんの代でメロン農家に転向、 周囲は転向に大反対だったそうだ。 会社の同僚の彼女とは馬があい、よく家にお邪魔していた、家族だけでなく他の人も使ってメロン農家を経営している家は人の出入りも多く、招き入れる事に慣れているため大層居心地よく過ごさせてもらったものです。 私は彼女のおばあちゃんが大好きで、行くと必ずおしゃべりをした、話をしている時もメロンにシールを貼ったり、出荷する箱にゴム印を

          ばあちゃんの恋バナ

          頑張る事と、肩の力を抜く事

          「頑張る事と肩の力を抜いて取り組む事は別だからね」 最近、友人に言われた言葉が心に響いた。 一生懸命やる事、力いっぱい取り組む事は、 私的には得意科目で、例えばボーリング大会ならば良いスコアを出したくて、球に力をこめて思い切り投げる、ハイスコアは出るけど当然肩はガッチガチに力んでる。 脱力系のヨガでさえ、 「腕を出来るだけ遠くに伸ばしましょう」 これまた力をこめて精一杯伸ばす事が、そこへの近道だと思ってた。 音楽もそうだ、ギターやバイオリンを弾く時も力を入れて演奏する

          頑張る事と、肩の力を抜く事

          終わりがけの会話

          「電話の終わりがけには、そんな感じの話をするもんなんだよ」 私よりひとつ年上のその人はそう言った、 まだLINEやメッセンジャーが普及してなかった頃の事。 「果子の電話ってバイバイじゃあ切るね、ガチャって急に切っちゃうのな」 「普通はそろそろ切ろうかな? 時間も遅くなってきたし、明日早いし」 「って呟いてみたりそれ風の話をするんだよ」 「相手にそろそろ電話を終わりたいって事を認識してもらって、お互いに次の日の仕事とか学校の話をしたり」 「まだ話してたいし名残惜しい

          流行る店はモテる店

          私の家の近くに素敵カフェがある、 ウッディな外観に、深い茶色の床、寛ぎやすい椅子と机、思わず外を覗いてみたくなる出窓に小さな図書館の様な本棚、席数は12くらいのお店だ。 メニューはコーヒーや紅茶、カフェ・オ・レなどで食べ物は自家製ケーキ2種類のみ。 営業日は月に12日程度で水曜から金曜、Facebookで告知されている。営業時間は11時から18時まで、モーニングもやらなければランチもしない。会社帰りの人を狙う夜の営業もなし、さらには土日祝日もお店を開けない潔さ。 そんな風

          流行る店はモテる店

          どら焼き

          お正月を迎えると思い出す、 母方の祖父の話。 じいちゃんは和菓子職人だった。 丁稚奉公から勤め上げて、そこの長となった、餡を作るには相当なこだわりがあったそうだ。 茶会や初釜などに呼ばれ、お茶の先生とも交流が深く、そこには自分の手掛けた生菓子が出たりとなかなかの活躍ぶりだったらしい。クリスマスや誕生日、ひな祭りなど勤めていた和菓子屋の洋菓子部門で作られた大きなホールケーキが届き、母方の初孫だった私はたいそう可愛がられたものでした。 いつも、「よく来た、よく来た」と、私を呼

          新年のご挨拶と箱根駅伝

          今年もnoteを頑張っていこう! まだはじめたばかりで手応えなんて感じれるほど記事あげてない初心者ですが、沢山書いてゆきたいと思っています、どうぞよろしくお願い致します。 お正月と言えば 箱根駅伝。 頑張る選手を見るのも好きですが、いつも東海道を旅する人の気持ちでテレビを見ています。 街道沿いの立派な松並木、箱根の山道、遠浅の海岸線、サーフィンしてる人も結構いるし何より富士山が綺麗に見える。 こんな美しい景色なら源頼朝が鎌倉に幕府を開きたくなるのも納得だわ。 昔の旅人

          新年のご挨拶と箱根駅伝

          鉄瓶の取扱方法

          年の瀬です、もうすぐ新しい年もやってきます。そんな感じで冬っぽい話を書く事にしました、 よろしくお付き合い下さいね。 そうだ鉄瓶を使ってみよう! お湯を沸かすシュンシュンとした音に憧れて、家にあった古いのを引っ張り出して使い出したこの頃。 ガスで直火にかけて、ゴーゴー沸かして、 さすが鉄瓶で沸かしたお湯は違うわー、 冷めにくいし。しばらく使い続けたある日 蓋を開けて中を見ると、サビてる。 なんでサビてるんだろ? 取扱をグーグル先生に聞いてみたら、 ガスに直火はダメっ

          夏目漱石ってば、すごいよね、すご過ぎるんですけど。

          いや気づいてたけど、私が深く知らなかっただけでした… 「表面を作る者を世人は偽善者という。偽善者でも何でもよい。表面を作るという事は内部を改良する一種の方法である」 150年以上前にこんな事言ってるんだよ。これってさー、物を売ったり作ったりにも繋がるよね、マーケティングに長けてたんだよなぁ、そりゃあベストセラーだって書いちゃうし、女の人にもモテるに違いない。 だから自分のプロデュースだってイケてるのは当たり前かもしれない。 写真の中のポーズとか見てもカッコ良いし、昔の写

          夏目漱石ってば、すごいよね、すご過ぎるんですけど。

          ミックスジュースの思い出

          幼稚園に通っていた頃の事、 母の妹に可愛がってもらっていました。 いつも「えりちゃん」と呼んで後ろにくっついていたものです。 お出かけして、キティちゃんのメモ帳とペンを買ってもらってルンルン気分。 「疲れたから、ジュースを飲んで行こうか」 「うん」 喫茶店でジュースが飲めると思った私はワクワクしながらその時を待ちました。 「お待たせしました」 目の前に置かれたジュースは、白いようなクリーム色のような、何で出来ているかわからないものでした。 ジュースと言えば、オレンジジュー

          ミックスジュースの思い出

          富はパワー

          「富はパワーだと思うんだよね」 そう言い放った私に友達がびっくりした顔で振り返ってこう言った。 「果子さぁ、どうしちゃったの?」 「物言わぬ力があるんだよ富には、お金を使うって事よりも、持っているってだけで説得力があるの、だからそんなパワーがある人が彼だと良いよね」 「確かにそう思うけど、急にびっくりしたよ何だからしくない気がする」 彼女とは旅行に行ったり、合コンに一緒に参加したり、失恋した時は慰めてもらったりと私の事をよく知っている親友だから尚更だ。 当時我が家

          コメダ珈琲店における人生の岐路に立つ人々の現場を見てしまう事になってしまった私の話

          どーしたらいいの!私 お尻がもぞもぞする。 それはある日コメダ珈琲店で本を読んでいた時の事でした。私の隣の席にカップルが座りました、何となく胸騒ぎの予感。 まだ来たばかりだから帰りたくない。席が他に空いてなさそうってのもあるけど席を変わると話を聞いてましたって言っているようなもんだし、キョロキョロして席を探すのも変だよね。 だけどさぁ本を読んで静かにしているからって、聞こえない訳じゃないんだよ!もぉ〜。 婚約破棄、指輪返還の儀を目撃してしまう。 ブルーの紙袋に入って

          コメダ珈琲店における人生の岐路に立つ人々の現場を見てしまう事になってしまった私の話

          ちょっとだけって便利な言葉

          年の瀬です、忘年会帰りの人々で地下鉄の中もどこかそわそわしていて、普段より賑やかな車内。 今日も疲れたなぁ、残業していつもより帰宅時間が遅くなったし、夕飯はサクッと簡単な物食べて、お風呂に入ってゆっくりしよう。家に帰った後のシュミレーションをしながら、ネットニュースをチェックする私。 頬っぺたの赤いほろ酔いサラリーマン二人組の会話が耳に入ってきた。 「いやー今日もお疲れ様でした、ありがとうございました」 「これからちょっとだけラーメンを食べに行きませんか? まだ早いし

          ちょっとだけって便利な言葉