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今日は西田幾多郎の誕生日!【5月19日】

哲学者、西田幾多郎。1870(明治3)年5月19日、石川県生まれ。

(ちなみに、昨日18日はバートランド・ラッセルの150回目の誕生日、そして今日は神木隆之介さんの29歳の誕生日でもある)

生きていたら、今日、152歳です。おめでとうございます。(ということはラッセルの2歳年上)

最近、「善の研究」について書いて、思いのほか読んでもらえた。

上の記事を書いたとき、「善の研究」だけを読んで、あえて解説や参考書の類は読まなかった。

その後、気になって少し西田の研究書を読んでみたが、私の「解釈」は概ね間違っていなかったようで、安心した。

西田は1945年6月7日、尿毒症で75歳で亡くなった。

明治が始まってすぐに生まれ、太平洋戦争敗戦の直前に亡くなった。その人生の期間も興味深い。まさに日本の「戦前」を生きた人だった。

30歳そこそこで出した「善の研究」が大ベストセラーとなった西田は、戦前の日本人哲学者の代表のように思われる。だが本人は、哲学者として異端であることを自覚していた。ケーベルに発し、九鬼周造、和辻哲郎などにつながる東大アカデミズム主流とは距離を置いていた。

絶筆となった「私の論理について」(未完)に、こうある。

「私の論理というのは学界からは理解せられない。否未だ一顧も与えられないといってもよいのである。」

体系的哲学を目指したいが、自分は力が足りないと自覚し、生涯、哲学の道を掘り進めるだけの「坑夫」だと自認していた。(参照:藤田正勝『現代思想としての西田幾多郎』)

今後、「善の研究」以外の著作にも挑戦し、西田と京都学派の哲学研究を老いの手遊びにするつもりだ。


西田幾多郎の名言

「哲学の動機は『驚き』ではなく、深い人生の悲哀でなければならない。」
(「場所の自己限定としての意識作用」1930)


*タイトル画像は「哲学の道」

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