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PRONIのロゴができるまで。 〜リブランディングの裏側〜

こんにちは、PRONI株式会社 デザイン室の柿本です。
2023年9月、株式会社ユニラボは創業当時よりの社名をPRONI株式会社に改め、併せてロゴを始めとしたビジュアルアイデンティティのリニューアルを行いました。

また、弊社が展開するビジネスマッチングサービス『アイミツ』も『PRONIアイミツ』と名称変更し、ブランドを統合・集約する取り組みを行ってまいります。
この記事では、リブランディングパートナーとともにロゴ制作のプロジェクトを進め、決定稿に至るまでのプロセスを振り返ってみたいと思います。


あたらしいロゴ

日の出を背景に、空を飛ぶペンギンをモチーフとしたロゴマークと、長体かつ斜字体のシンプルなタイポグラフィで構成されています。

PRONI株式会社が運営する「PRONIアイミツ」は、外注を検討している方に、様々な分野のプロフェッショナルな企業やサービスを紹介するBtoBのビジネスマッチングサービスです。
あらゆるプロに出会い、共に仕事をすることが、自身や会社の成長にもつながる。そんな発注体験を生み出すインフラを創ることへの想いと決意を「成長のために新たな一歩を踏み出すファーストペンギン」の意匠に込めました。本来であれば飛ばないペンギンが空を飛ぶ様には「不可能を可能にする」という意味も含まれます。
また、背景の日の出は 「受発注を変革するインフラを通して日本の企業をエンパワーメントする」というPRONIの姿勢を表しています。

モーションロゴ

Webページやムービー、スライド資料などのデジタルメディアでロゴの存在感をより際立たせるため、モーションロゴも制作しています。

プロニ モーションロゴ
PRONI モーションロゴ(ロングVer)

成長のために勇気を持って一歩を踏み出し、頑張って羽ばたきながら日の出と共に上昇するさまを表現しています。用途に応じて使い分けられるようにロングとショートの2バージョン制作していますが、特にロングVerは、飛び立つ前の助走やバタバタと羽ばたく様子から、努力や向上心のニュアンスを強調したものとなっています。

モーションロゴに合わせ、ペンギン単体のイラストを5パターン用意。
ノベルティやWebサイトのビジュアル展開で利用しています。


ロゴ制作のスケジュールや体制

制作スケジュール

PRONIのリブランディングプロジェクトは、大きく3つのスコープに分けて進められました。

  • スコープ1(2022年秋〜2023年1月)
    ブランドコンセプトの企画立案、社名/サービス名の決定

  • スコープ2(2023年1〜6月)
    CI/VIの策定(ロゴやコーポレートカラー、タグラインなど)

  • スコープ3(2023年3〜8月)
    WEBサイトやコンセプトムービー、営業資料など、対外的公開に向けた様々なメディアの制作

2023年1月、スコープ1の成果として新しいブランドコンセプトと社名/サービス名が社員に向けて共有され、ロゴの制作もほぼ同時期に始まりました。
ブランドコンセプトが決まるまでのプロセスは、弊社代表取締役の栗山のnote記事で触れられていますので、ぜひご参照ください。

WEBサイトやコンセプトムービーなど、スコープ3の大きな制作はロゴと並行して進められていましたが、いずれもロゴがFIXしていないと完成しないため、全体スケジュールから逆算して、ロゴの納期は6月末と設定していました。

制作体制

フェーズ1からのリブランディングパートナーであるNEWPEACEからの紹介で、Hi!Designの森田さんにロゴの制作を担当いただきました。
「NEWPEACE×Hi!Designでロゴ案を検討し、弊社メンバー(栗山、柿本)がフィードバックを行う」というラリーで進め、初稿からFIXに至るまで約6回のラリーとなりました。次章ではそのやりとりについて具体的に触れたいと思います。

あたらしいロゴに期待する機能的役割

プロジェクト開始当初より、ロゴの機能として目指していたのは、一目見て「ああ、あの会社のロゴね」と記憶し、思い出してもらえるものにすることでした。ビジネスマッチングという無形商材を扱うサービスであることから、様々な制作にてビジュアル展開をする上で、何かしら記憶に留めるフックとなるような要素がロゴには必須であると考えていました。

初稿からFIXに至るまでの流れ

初稿/第2稿(3月上旬)

初稿/第2稿で提案いただいたA〜H案
(カラーバリエーションは省略)
検証案

初稿/第2稿では、NEWPEACEとHi!Designの解釈による数十種類もの検証案制作を経て、そこから絞り込まれた複数の案を提示いただきました。
見た目もコンセプトもバリエーションに富んでいますが、特に「PRONI = プロに」の響きを重視し、助詞の「に」に当たる"NI"にアクセントとしての装飾を施した案が中心となっていました。
提示いただいた案を皆で見ながらディスカッションを重ねていく中で、
タイポグラフィでユニークネスを担保するよりも『一目見て記憶に残る要素』としての役割はロゴマークが担った方が良いのではないかという話になり、次回以降マークがあるロゴも検討していくことになりました。

第3稿(3月下旬)

方向性A:シーリングワックス(手紙の封をする蝋)をモチーフに、品質、信頼や安心感、お墨付き感を演出する案。  方向性B:握手する手をモチーフに、仕事を依頼する人と受ける人の繋がり、信頼関係を表現した案。  方向性C:台詞のフキダシをモチーフに、仕事を依頼する人と受ける人のスピード感のあるコミュニケーションを流線型のスタイルで表現した案。  方向性D:「(本来であれば飛ばない)ペンギンが飛んでいる様」をモチーフに、「仕事を発注する」という業務体験を通じて仕事の幅を拡げていき、不可能を可能にする様を表現した案。  方向性E:ウサギをモチーフに「二兎を得る」「仕事を依頼したプロと共に飛躍する」様を表現した案。
第3稿

「マークのあるロゴ案」の方向性のアイデアをいくつか提示いただき、ブランドコンセプトを体現したモチーフになっているかをディスカッションしました。
結果、空飛ぶペンギンの案に最も可能性を感じたことから、次回はペンギンモチーフの案に絞り、さらにムードを追求していくことにしました。

目指すムードのすり合わせ方として、このタイミングで改めてムードボードを作成しました。これまでに出てきた案のコンセプトやビジュアルの方向性を整理すると

  • A プロに向かうイメージ・・成長の過程。コンセプトの主体はカスタマー。より高みを目指す向上心、情熱、躍動感、努力を描く。

  • B 「すでにプロ」のイメージ・・ビジネスパーソンとして成熟した状態。コンセプトの主体はPRONI。頼れる存在であること、信頼感を表す。明度/彩度が落ち着いた、どっしりとした雰囲気。

の2つに大別され、今後どちらの方向に集中するべきかをすり合わせるためです。A/Bどちらも「プロ」という言葉からもたらされたイメージですが、ビジュアルの方向性は大きく異なります。

作成したムードボード。ぼかしているエリアには、世の中のA/Bそれぞれのムードに近いクリエイティブのキャプチャが切り貼りされています。

結果、「プロに出会う。プロになる。」というコーポレートタグラインが端的に表すように、このリブランディングプロジェクトの方向性はAであり、今後さらに「プロに向かうイメージ」でペンギンモチーフのロゴ案を模索していくことを申し合わせました。

さらに、鳥などの生き物をモチーフとした様々なロゴをリファレンスしながら、ペンギンの造形の方向性や、どの程度キャラクター性を持たせるかについても会話をしました。
BtoBサービスのロゴマークとしてのシズル、前述の目指すムードを踏まえ、概ね以下のような話になりました。

  • 造形は、子供が真似して描けるくらいシンプルにする。

  • あらゆるカスタマーの成長の姿を投影したモチーフであり、そのムードに寄与しない要素は排除する。

  • ポップ、チャイルディッシュにはしない。

  • 最低限意志を感じさせる要素として、目はあっても良い。ただし、ニッコリ目にするなど、感情をもたせるような表現はしない。

第4稿(5月中旬)

第4稿

ペンギンをモチーフとした案に絞り、新たに5つの案を提示いただきました。結果、日の出を背景にしたB案が良いという意見で一致しました。日の出というモチーフが加わったことでよりコンセプチュアルになり、コーポレートカラーが赤になることも概ねこのタイミングで決まりました。

ペンギンの試作。形状や体の向きも、多くの検証を経ています。

第5稿(5月下旬)

第4稿からあまり間を置かず、主にロゴマークのバリエーション案の提案と、タイポグラフィのサイズ・配色を検証いただきました。

ロゴマークのバリエーションと赤の色味検証

日の出がグラデーションになっている案や、ペンギンに黄色い差し色をアクセントに加える案を提示いただきましたが、グラデーションの無い赤/黒/白のみで構成された案が最も潔くシンプルであると判断しました。

サービス名の「PRONIアイミツ」におけるタイポグラフィのサイズ、配色検証

タイポグラフィの配色は、赤と黒の組み合わせを全パターン検証した結果、当初案通り「黒と白を使うのはペンギンだけ。日の出とタイポグラフィは全て赤」としました。ペンギン以外の要素に黒い色が使われると、メインのペンギンよりも、サブエレメントであるはずの赤い日の出が際立って見えてしまったためです。

また、このペンギンは揚力というよりロケットが打ち上がっているような角度で飛んでおり、ある意味不自然かもしれませんが、躍動的でユニークなのでそのまま活かした方が良いと考えました。

スタディとして、ペンギンを揚力で飛んでいるような角度にしてみたもの。「鳥が飛んでいる図」としては自然かもしれないが、ロゴとして凡庸な印象に。日の出やタイポグラフィも含めた全体のバランスも悪く感じられた。

むしろペンギンの飛翔角度に合わせてタイポグラフィを斜字体にして、ロゴ全体で右肩上がりな印象を持たせることで、目指すムードにより近づくのではと考え、斜字体を試していただくようリクエストしました。

第6稿(6月上旬)

ロゴマークと「PRONI」「アイミツ」のタイポグラフィそれぞれで2〜3パターン提示いただき、どれを組み合わせるかという会話になりました。

ロゴマークと「PRONI」「アイミツ」のタイポグラフィのパターン。
マークの違いは分かりにくいかもしれませんが、ペンギンのサイズや形状が異なります。
組み合わせパターン(一部抜粋)

組み合わせるとパターンは多かったですが、これまで会話を積み重ねてきたおかげで栗山と私の選んだ案が一致し、前回リクエストした「PRONI」が斜字体のパターンにすんなりと決定しました。
その後、最終的な精緻化へ進み、6月下旬にFIXすることができました。

社内のお披露目

完成したロゴは、ユナイテッド・シネマアクアシティお台場のシアターを借り切って開催したセレモニーにてお披露目となりました。

2023年7月21日、社内イベント「PRONIセレモニー」の集合写真

ロゴと並行して制作が進められていたPRONIのブランドムービーもこの場で上映しました。ブランドムービー制作の舞台裏については、弊社CEO室 和田の記事もぜひご覧ください。

さいごに

PRONI ブランドステートメント

上に掲載したのは、今回ロゴと共に制作された、PRONIの新しいブランドステートメントです。
このロゴ制作のプロジェクトは、まさに「社外の能力のあるプロの力を借りて、会社に新しい風を吹き込む」というPRONIが目指す世界観を体現するものになったと思います。
タイトなスケジュールで、こちらからの大小さまざまな注文に応え、愛着の湧くロゴを仕上げてくださったHi!DesignとNEWPEACEの皆さん、ありがとうございました。

PRONIのデザイン室について

PRONI株式会社のデザイン室は、PRONIアイミツのプロダクトデザインや、ブランディング施策におけるデザイン関連業務を主管している横断組織です。新たなブランドアセットも活かしながら、デザインの力を通してPRONIアイミツを「最適なプロに、最速で」出会えるサービスにするため日々取り組んでいます。
現在は、PRONIアイミツのサービス体験品質向上を担当いただけるデジタルプロダクトデザイナーを募集していますので、興味のある方はぜひお声がけください!


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