見出し画像

【衝撃実話】結婚式1ヶ月前に彼がいなくなった 第五章

第一章・・・出会い。幸せな日々
第二章・・・憧れの島での生活。心の支え。
第三章・・・プロポーズ。両親への挨拶。
第四章・・・突然の別れ
第五章・・・彼がいなくなった訳
第六章・・・彼が消えてからの私


彼がいなくなった訳


私はリクと2人で結婚指輪を買いに行った日の事を思い出していた。

沖縄の給料は低い。2人ともお金がなかった。
私はリクに結婚指輪はいらないと言っていた。しかし、せっかくなので今買える金額のもので見に行ってみようと言われた。

当時、島には1件しか宝石を売っているお店はなかった。都会のようにあちこち探しに行って決めるという訳ではなかったが優柔不断な私たちにとっては好都合だった。

お店にはオーナーらしき年配の女性1人がいた。
種類はたくさんあった。普段からアクセサリーを身につけない私たちはどれがいいのか全くわからずその女性に
「結婚指輪を買いに来たんですが・・・。」と声をかけた。

予算が少ないにも関わらず快く、私たちに合う指輪を案内してくれた。いらないと言っていたが夫婦になることの実感湧いて来た。
買ってよかったな。
指輪の内側に二人のイニシャルや記念日を彫ることもできますと言われた。

私たちは入籍する日をいつにするかまだ決めていなかった。
もうすぐクリスマスだし覚えやすいから結婚式まで少し期間があるけどクリスマスイブの12月24日に籍をいれることにして指輪の内側に12/24と彫ろうかとその場で話合った。

その夜、なんだかわからないが心がざわついていた。

「ねえ、りく、入籍するのはやっぱり挙式当日にしない?」

理由はわからないがそうした方がいいと直感で思った。
翌日指輪を買ったお店に電話して挙式の日に刻印を変更してもらった。

あの時12月24日に入籍していたら私は今頃りくの奥さんでそうなっていたら今、私はどうするんだろう。

時刻は午前10時になろうとしていた。
夜勤明けで眠いはずなのにそんなことも忘れるくらい目が冴えていた。

ここはどこ。
胸が苦しい。
なんでここにいるの。
誰か助けて。
神様。

ここから先は

3,028字

¥ 400

この記事が参加している募集

ただいま失業中・・・サポートお願いします!面白い記事を書けるようにがんばります♪