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線香花火

線香花火は儚いと
婆やはいつも言うけれど
私はそうは思わない
小さいながらもパチパチと
四方八方火を放ち
落ちる間際は火の玉作り
見事綺麗に地に落ちる
どこが儚い花火だと
婆やに聞いてみるけれど
婆やはにこにこ笑うだけ
儚い意味がわからんと
姉さんけらけら笑いおる
どうしたらわかるかと
婆やに聞いてみるけれど
婆やはにこにこ笑うだけ
子供が知らんでいいものと
姉さんけらけら笑いおる

わからない
儚いということが
わからない
なぜ婆やは笑うのか

夏の日のお葬式
婆やが歩んだ人生は
線香花火のそのように
見事に燃えては消えました
あの時笑っていた意味が
少しわかった気がします

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