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見るだけ化学基礎

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2021年8月の記事一覧

ファンデルワールス力【改】

ファンデルワールス力【改】

 分子どうしの間に働く引力 を ファンデルワールス力 といいます。分子間の水素結合と合わせて 分子間力 とよびます。

 このファンデルワールス力は、共有結合に比べて非常に弱い結びつきです。二酸化炭素 CO2 といった分子でも、ファンデルワールス力によって多数の分子が集まると固体になります。

 ファンデルワールス力が働く原因は、瞬間的に生じる電荷の偏り と捉えてよいです。電気的に中性な分子内でも

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分子の極性【改】

分子の極性【改】

※期間限定無料。本記事は電子書籍出版後に有料記事になります。予めご承知おきください。2021/8月現在

極性分子
 分子全体として極性がある分子を 極性分子 といいます。

 原子が2コからできる分子の場合は、それぞれの電気陰性度の値だけで、電荷の偏りについて考えることができます。しかし、原子が3コ以上になってくると、分子の形が分子の極性に大きく関係します。

無極性分子 分子全体として極性がな

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電気陰性度【改】

電気陰性度【改】

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 共有電子対を引きつける力の強さを 電気陰性度 といいます。

 各原子の陽子の数や電子配置は異なります。よって、異なる種類の原子が結合するとき、それぞれの原子が価電子を引きよせる強さに違いが生じます。

 電気陰性度は共有結合の強さをもとに定義したアメリカのボーリングの値と、イオン化エネルギ

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配位結合【改】

配位結合【改】

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 一方の原子から非共有電子対が提供されて、それを両方の原子で共有しているかのような結合を 配位結合 といいます。

 アンモニアNH3は、共有電子対が3組、非共有電子対が1組あります。水素イオンH+は電子を1つももっていませんが、NH3中の非共有電子対をH+に貸すかたちで、新しい結合ができます

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分子の形【改】

分子の形【改】

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 分子のカタチには、直線形、折れ線形、三角錐形、正四面体形 などがあります。

 「どの分子がどのようなカタチになるのか」を覚えてしまうのもアリです。しかし、ある考え方を1つだけ理解しておくと、ある程度予測を立てられるようになります。
 それは、電子対反発則 です。分子内にある 電子対どうしは

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共有結合と分子【改】

共有結合と分子【改】

 いくつかの原子が結びついてできたものを 分子 といいます。例えば、水素原子H 2コが結びつくと水素分子になります。

 分子を構成する原子の種類とその数を示したものを 分子式 といいます。例えば、水分子は2コの水素原子と1コの酸素原子からできているので、水分子の分子式は H2O です。

 2コの原子からなる分子を 二原子分子 といいます。水素分子H2、酸素分子O2、一酸化炭素分子COなどです。

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構造式【改】

構造式【改】

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 原子間で共有された1組の共有電子対を1本の線で表した化学式を 構造式 といいます。例えば、塩化水素分子HClは、次のように表します。

 

 水素原子は不対電子を1つ、塩素原子は不対電子を1つもっています。よって、共有結合したときは 共有電子対が1組できます。これを1本の線で結びます。これ

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You Tube でも見られます

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#1 イオン結合   #2 イオンからなる物質の性質   #3 原子の構造
#4 電子式   #5 イオン   #6 電子配置   #7 価電子
#8 イオン化エネルギー   #9 イオンの大きさ   #10 構造式
#11 電子親和力   #12 配位結合   #13 電気陰性度   
#14 粒子の熱運動   #15 状態変化
#15 状態変化
#14 粒子の熱運動
#13 電気

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電子式【改】

電子式【改】

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 電子配置のモデルを表したものを 電子式 といいます。

 元素記号の周りに、最外殻電子を黒い点 で並べます。次のように、元素記号の上下左右に最外殻電子を分けてかきます。窒素N は原子番号が7番なので、電子を7コもっています。K殻に2コ、L殻に5コ入るため、最外殻電子は5コです。

 最外殻電

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イオンからなる物質の性質【改】

イオンからなる物質の性質【改】

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 イオンからなる物質は、固体では電気伝導性はほとんどありません。融解して液体にしたり、水などに溶かして溶液にしたりすることで、電気を通すようになります。構成しているイオンが動きまわれるようになると、電荷を運べるようになるからです。

 塩化ナトリウム NaCl は水に溶けやすく、その水溶液は

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イオン結合【改】

イオン結合【改】

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 まず、金属元素は陽イオン、非金属元素は陰イオンになると考えておおむね良いです。例えば、金属元素のナトリウム Na は Na+ に、 非金属元素の塩素 ClはCl− になります。

 しかし、水素は非金属元素でありながら、水素イオンH+ になります。H+はとてもよく出てくるので、注意してくださ

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状態変化【改】

状態変化【改】

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 固体、液体、気体の3つの状態を 物質の三態 といいます。

 氷が水に変わり、水が水蒸気に変わる。このように、同じ物質でも、温度を変えていくことで状態は変わっていきます。これを状態変化といいます。

 そもそも状態はなぜ変わるのでしょうか。

 それは、物質を構成する粒子と粒子の間に引き合

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粒子の熱運動【改】

粒子の熱運動【改】

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 粒子をミクロでみると、並進、振動、回転 しているといえます。

 一方、マクロでみると、粒子は拡散しているといえます。物質の構成粒子が自然に散らばっていく現象を 拡散といいます。拡散のイメージは「水性インク1滴を水に落として、水中にインクの色が自然に広がっていく様子」です。例えば、赤褐色の

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電子親和力【改】

電子親和力【改】

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 電子1コを取り入れて、一価の陰イオンになる時に放出されるエネルギー を 『電子親和力』といいます。イオン化エネルギーと一緒に学ぶと良いでしょう。

 まず、なぜ電子を新たに取り入れようとするかというと、原子核からの引力が考えられます。原子核は陽子、+ の電荷をもっていますから、 ー の電荷

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