電気陰性度【改】
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共有電子対を引きつける力の強さを 電気陰性度 といいます。
各原子の陽子の数や電子配置は異なります。よって、異なる種類の原子が結合するとき、それぞれの原子が価電子を引きよせる強さに違いが生じます。
電気陰性度は共有結合の強さをもとに定義したアメリカのボーリングの値と、イオン化エネルギーと電子親和力をもとに定義したアメリカのマリケンの値が知られています。
電気陰性度は、周期表で右上側にある元素ほど大きいです。フッ素Fが最大です。貴ガスは電子配置が安定なため、電子を引きつけようとしないので、貴ガスに電気陰性度はありません。
極性
原子間の電荷の偏りを 極性 といいます。
塩素分子Cl2について考えてみましょう。
2コの塩素原子Clの電気陰性度の値は同じ3.2です。よって塩素原子と塩素原子の間の共有電子対は両方の原子から同じように引き寄せられます。偏りを生じていないので、極性がありません。
次に、塩化水素HClについて考えてみます。
Hの電気陰性度の値は2.2、Clは3.2です。塩素原子の電気陰性度の値の方が大きいため、共有電子対はCl原子側にいくらか引き寄せられます。偏りを生じているので、極性があります。
電子を引きつけている側のClは、いくらか負の電気を帯びています(δ− デルタマイナスとよみます)。逆に、Hの方は電子が少し遠ざかっているので、いくらか正の電気を帯びています(δ+デルタプラスとよみます)。
このように、電気陰性度が異なる原子間で結合ができるときには、必ず結合に極性が生じます。さらに、電気陰性度の差が大きくなると、大きく電荷が偏るため、それをイオン結合とよんでいます。
〇まとめ
・電気陰性度・・・電子を引きつける力の強さ。
・極性・・・原子間の電荷の偏り。
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