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状態変化【改】

※期間限定無料。本記事は電子書籍出版後に有料記事になります。予めご承知おきください。2021/8月現在 

 固体、液体、気体の3つの状態を 物質の三態 といいます。

状態変化とは

 氷が水に変わり、水が水蒸気に変わる。このように、同じ物質でも、温度を変えていくことで状態は変わっていきます。これを状態変化といいます。

 そもそも状態はなぜ変わるのでしょうか。

 それは、物質を構成する粒子と粒子の間に引き合う力が働いているからです。一方で、粒子は熱運動によってバラバラになろうとします。「引き合う力」と「バラバラになろうとする力」のバランスで状態が決まります。つまり、「粒子間の引力」「熱運動」が要因です。これらの大小関係で、固体、液体、気体の状態が決まります。

粒子のようす

三態のようす

 固体から液体に変わることを融解、その逆を凝固といいます。液体から気体に変わることは蒸発、その逆を凝縮といいます。また、固体から気体に直接変わることは昇華といいます。

状態変化のそれぞれの名前

 これは、温度を高くすると粒子の持つエネルギーが大きくなるからです。大きくなった結果、熱運動によってバラバラになろうとします。すると、粒子間の引力を振り切って、より距離を取れるようになり、固体から液体、液体から気体と変わっていきます。

 固体、液体、気体のそれぞれについて、「粒子間の引力」と「熱運動」についてまとめます。

三態の粒子のようす

【固体】粒子間の距離が小さく、引力が働きやすい。熱運動が小さく、ほぼ一定の位置にとどまってその場でわずかに振動しています。

【液体】粒子間の距離は小さく、引力が働きやすい。固体より熱運動が大きく、自由に移動します。

【気体】粒子間の距離が大きく、引力はほとんど働かない。激しく熱運動をするため、自由に飛びまわります。


 ここで、「物理変化」「化学変化」について、かんたんにふれます。

 水が氷になる状態変化や、物質が水に溶解する変化などをまとめて「物理変化」といいます。物質そのものは変わりませんが、状態のみが変わります。一方で、原子の組み合わせが変わり、物質が別の物質に変わることを「化学変化」といいます。例えば、水の電気分解で、水素と酸素に分かれる変化などです。

化学変化

融点と沸点

 固体が融解するときの温度を 融点、液体が沸騰するときの温度を 沸点といいます。

 水の場合、0℃から液体の表面から少しずつ蒸発は起こっています。水が内部からも蒸発が起こる温度は100℃で、このとき沸騰しているといいます。液体の内部からも蒸発が起こることを 沸騰 といいます。

 一定の圧力の下では、融点や沸点は決まった値を示します。融点や沸点では、その物質の状態が全て変わるまで温度は一定に保たれます。例えば、氷が水に変わるとき、氷が全て水に変わる間は、温度は0℃のままです。水の融点は0℃ということになります。

融点と沸点

まとめ

〇 固体、液体、気体の3つの状態を物質の三態といいます。

〇 固体、液体、気体のそれぞれについて、「粒子間の引力」と「熱運動」で説明ができます。距離の広がりがポイントになります。


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