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『円安の波紋・外国人就労者からの視点⑫』

現在の円安の状況について、情報をまとめてみました。

1.円安の現状とその影響

 現在の日本経済は急激な円安に見舞われています。2023年のデータによると、円は主要通貨に対して大幅に価値を下げ、特に米ドルに対しては過去数十年で最低水準に近い値を記録しました。

 この円安は、日本の輸入コストを大幅に増加させ、国内の物価上昇を加速させています。日本はエネルギー資源をはじめとする多くの輸入品に依存しているため、円安は消費者物価指数(CPI)の上昇に直結し、国民生活に大きな影響を及ぼしています。

 たとえば、2023年の統計では、エネルギー価格の上昇が物価上昇の主要因となり、食品価格も同様に上昇しました。これは、輸入コストの増加が直接的な原因です。

  円安が進むことで、輸入品の価格が上昇し、それが国内の物価上昇に直接影響を与える構造です。

2.円安の原因

 改めて円安の背景には、日本と他国との金利差があります。日本銀行は長期にわたり低金利政策を維持してきましたが、米国をはじめとする他国では金利が上昇しています。この金利差により、より高い利回りを求める資本が日本から海外へ流出し、円の供給過多となり円安が進行しました。

3.円安対策

 円安対策としては、短期的には金融政策の見直しや外国為替介入が考えられます。しかし、これらは一時的な効果に留まりがちで、根本的な解決には至りません。長期的な視点で見ると、国内経済の構造改革が必要です。

 具体的には、製造業の競争力強化、農業・漁業の生産性向上、エネルギー政策の見直しなどが挙げられます。これらの施策は、円安による輸入コストの増加を国内生産でカバーし、経済全体のレジリエンスを高めることを目指します。

4.具体的な施策と期待される効果

製造業の競争力強化
 技術革新と生産効率の向上を促進し、輸出促進策を通じて国際市場での競争力を高める。

農業・漁業の生産性向上
 先進技術の導入や生産基盤の強化を図り、食料自給率の向上を目指す。

エネルギー政策の見直し
 再生可能エネルギーへの投資拡大やエネルギー効率の改善を進め、輸入依存度の低減を図る。

 これらの施策は、円安による直接的な打撃を緩和し、中長期的には日本経済の基盤を強化することが期待されます。しかし、これらの施策の実施には時間がかかり、また、国内外の経済環境の変化に柔軟に対応する必要があります。

5.労働市場への影響

 円安が進行する中で、日本経済における多面的な影響が注目されています。特に、物価の上昇と生活苦に加え、円安が日本国内の労働市場に与える影響も重要な論点です。円安が進むことで、国内労働市場からの人材流出が加速する可能性があり、これは日本経済にとって深刻な問題に連鎖することが考えられます。

①円安と労働市場の関係 

 円安が進行すると、国内での生活コストが上昇します。特に、輸入品の価格が上昇することで、日常生活に必要な物品やサービスのコストが増加し、国民の生活費が増大します。
 これにより、実質賃金の低下が生じ、国内での労働意欲が減少することに繋がります。全国で中小企業、零細企業では、賃金上昇への昇給での格差が浮き彫りになると思います。
 また、円安は輸出企業には有利とされますが、輸入に依存する業界や消費者には不利な影響を及ぼします。

 円安による国内労働市場への影響は、特に若年層や高度な技術を持つ労働者において顕著です。これらの労働者は、より高い賃金やより良い労働条件を求めて海外への移動を選択する可能性が高く、これにより日本の労働市場からの人材流出が加速することが懸念されます。

②人材流出の長期的影響

 国内労働市場からの人材流出は、日本経済にとって複数の長期的な影響をもたらします。まず、高度な技術や専門知識を持つ労働者の流出は、国内産業の競争力低下を引き起こす可能性があります。これは、イノベーションの減少や生産性の低下につながり、経済成長の鈍化を招く恐れがあります。

 また、若年層の流出は、既に深刻な問題となっている日本の人口減少問題をさらに悪化させる可能性があります。若年層が海外に流出することで、国内の労働力不足が加速し、社会保障制度への負担が増大することが予想されます。

③対策と提案

 円安による国内労働市場からの人材流出問題に対処するためには、複数の対策が考えられます。まず、国内での労働条件の改善が必要です。

 これには、賃金の引き上げや労働環境の改善が含まれます。また、若年層や高度技術労働者に対するインセンティブの提供も重要です。これにより、国内での就業機会を魅力的にし、人材の流出を防ぐことができます。

 さらに、国内産業の競争力強化に向けた投資も重要です。技術革新や研究開発への投資を通じて、国内産業の競争力を高め、高度な技術を持つ労働者に対する日本国内での魅力的な就業機会を生み出すことが求められます。

 円安による国内労働市場からの日本人、外国人の人材流出は、日本経済にとって深刻な問題です。この問題に対処するためには、国内での労働条件の改善や産業競争力の強化など、総合的な対策が必要です。

 これらを先取りして、円安の進行による負の影響を最小限に抑え、日本経済の持続可能な成長を実現する方向へ向かうことが重要だと思います。

~次回に続きます~


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