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『円安の波紋・外国人就労者からの視点⑧』


はじめに

この5年間で起きている急激な円安のトレンド、為替レートの変動は、外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。

この円安トレンドに焦点を当てて、日本で働く外国人就労者たちの支援の立場から、連載を書かせていただいています。

1.外国人労働者への影響


現在の為替市場の5年間の劇的な円安動きは、日本で、働く外国人就労者に、大きな影響を与えています。

彼ら彼女らは、さまざまな国から来日し、日本の社会や産業の成長に貢献しています。

その活動は、製造業からサービス業、そして介護業界まで、多岐にわたります。

彼ら彼女らは、自らと家族のために、将来を切り拓くため、仕事の技術習得や語学力向上を目指しています。

その中には、社会的使命を感じている人も多くいます。

そのほとんどが、もちろん、私たち日本人と同じく、本人と家族のために、生活や教育、治療などのために、また、将来を切り拓く希望を捨てないで、お金を稼ぐために、経済的な理由から、日本で働いています。

彼ら彼女ら、外国人労働者たちの大きな課題の一つが、母国への送金です。

この送金は、家族を養うため、または教育や医療費など、母国での生活を支えるために必要不可欠なものとなっています。

そのため、送金額は、彼ら彼女らの働き手としての、労働成果を直接、反映しています。 しかし、為替レートの変動が送金額に大きく影響を及ぼします。

円が安くなると、円の価値が大幅に落ち込んでいますから、同じ額の円を、母国の通貨に換算したときの金額が、減少します。

これはつまり、彼ら彼女らが、一生懸命働いて稼いだお金が、送金時にはその価値が、下落してしまうということを意味します。

https://fx.minkabu.jp/pair/USDJPY 9年間

この5年間の円安の激変は、グラフで見ると衝撃的なものです。

特に、昨年から、現在のように、円が、急激に安くなると、その影響は、一層深刻となります。

彼らが稼いだお金の価値が、3割から4割までも、大きく減少し、その結果、彼ら彼女らや、その家族が、現在と将来、直面する経済的困難は、深刻に増大します。

鉾先は、当然に、日本に対する不信感でしかなくなります。

このように、為替レートの変動は、外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。

今現在と、今後の円安の動きが、彼ら彼女らの生活と気持ちに、どれだけ影響しているか、引き続き、注視していく必要があります。

2.円安の解消が見込めないのか

昨年、2014年12月7日の円安トレンドからの、一転振れた「1ドル141円台の円高に振れた為替変動の話題」は、SNS、特に、Facebook、Tiktokで、外国人就労者たちのみなさんの歓喜、嬉しいさが飛び交いました。

しかしながら、再度、円安の状況は、私たちからすると悪化する傾向です。

2024年1月19日の時点で、ドルとの為替レートは1ドル=148.09円から148.10円で、前日比で+0.22(+0.14%)となっています。

2024年1月13日には、円が対ドルで下落し、一時1ドル=151円台後半と2022年10月以来の円安・ドル高水準を付けました

この円安は、日本とアメリカの政策金利の違いによって生じているといわれています。アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は生活費高騰に対処するため、金利を2022年3月以降0.25%から積極的に引き上げました。2024年1月19日時点で、FRBの政策金利は5.5%。

しかし、金融当局者の大半は、今年利下げを実施し、インフレ率の低下に対応するため、引き締め策を解除し始めると予想していると報道されています。

今年5月までに最初の利下げが実施され、その後0.25ポイントの利下げが、年内に5回実施されると予想されています。

一昨年からの長い激しい円安の期間になっています。

円安の進行には、複数の要因が絡み合っており、これらを整理してみます。

〇アメリカの利上げと日本の金融緩和策の継続により、高い収益を提供するドルが投資家に選ばれ、結果として円が売られる動きが広がっています。

〇アメリカの雇用統計の好調さ、失業率の低下、賃金の伸びなどが示すアメリカ経済の強さがドルを支えています。

〇ウクライナにおけるロシア軍の攻撃とそれに伴う地政学的リスクの高まりが「有事のドル買い」を加速し、円安を促進しています。

〇アメリカの高インフレ率とCPIの上昇がFRBのさらなる利上げの見込みを高め、ドルを強化しています。

〇イギリスの政治的混乱と政策の変更がポンドに影響を及ぼし、それが円の動向にも影響を与えています。

〇日本の経常収支が赤字に陥り、貿易収支、サービス収支※1の悪化が、円の価値を下げる要因となっています。

〇市場の動きと投資家の心理、特にインフレ期待による負のスパイラルが円安を加速しています。

※1
日本のサービス収支の中で、旅行収支以外にも重要な要素があります。
これには輸送サービス、知的財産の使用料、ビジネスサービス、金融サービス、情報技術サービス、個人・文化・娯楽サービスなどが含まれ、これらは日本の経済活動の多様性を示し、国際市場での競争力を高める要素となっています。特に高度な技術力と専門知識を活かしたビジネスサービスや情報技術サービスは、日本の経済的安定性と成長を促進する重要な要因です。これらのバランスは、国の経済全体の健全性を示す指標となります。


現在の為替レートの変動は、歴史的な円安が、日本を選んでくれている外国人労働者たちにとっては、深刻な痛手となり、その生活や家族への影響は計り知れません。

その立場で、お伝えしたいと考えて書いています。


日本は、将来の日本の社会のためにより良いしくみを構築できるはずです。

~次回に続きます~

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