どくはく14「母の言葉は呪いのようだった」
実家を出てから、母に繰り返し言われていた言葉を言われなくなった。
例えば、私は小説や絵を描くことが好きだった。
それを見た母は繰り返した。
「あんたは妄想癖がすごいわねぇ」
例えば、私はおなかの調子があまりよくなかったときがあった。
それを見た母は繰り返した。
「あんたは便秘やけん毎日ヤクルトを飲まないかんよ」
例えば、私は紫色が好きだといった。
それを見た母は繰り返した。
「紫が好きな人は変人が多いのよ」
例えば、私は男勝りな性格だった。
それを見た母は繰り返した。