どくはく11「親との別居」

高校1年の後半から高校3年の最初ぐらいまで約1年ちょっと、親と別居していた。
別居していた当初はなんとも思わなかったが、これはかなり珍しいことらしい。
また、子ども時代に親と分離されることもたくさんの影響が出るのだということも、心理学を学んで知った。

私が高校に進学すると同時に、兄も大学に進学して、実家には私、父親、母親の3人となった。
親との折り合いが悪い私が残り、親と仲の良い兄がいなくなったことで、実家は非常に殺伐とした空気になっていった。
私と母はことあるごとに衝突し、私が生理が酷くなって学校に行けなくなったりなど、家の空気は最悪だったのだろうと思う。

やはり、特に母の傍若無人さに拍車がかかったのが、父はよくないと思ったのだろう。
父は出張が多く、おそらく私と母が2人だけの環境がよくないと思ったのだ。
私に、
「俺の母ちゃん、おばあちゃんの家にしばらく住んでみないか」
という提案をしてきた。

母のことが嫌だった私は、願ってもない提案だった。
憔悴しきっていた私は了承し、父も「母ちゃんには俺から話すから大丈夫」と言ってくれた。

そしてすぐに父方の祖父母の家に移り、私はわりとそこでは、うつになるまでは穏やかに過ごしていた。
ただ、一つずっと引っかかっていたこと。

それは、父が母に、私が別居することを相談すると、二つ返事でOKを出したこと。
心のどこかで、母が
「娘と離れるのはいやだ」
と言ってくれることを、私は期待していた。
でも、母は、そんなことはなかった。
私のことを、どうでもいいのだと、そう突きつけられた気分だった。
母にとって私は、やはりいらない存在なのだと、そう思わせられた。

毎日のコーヒー代に。