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【女性文学】今、日本の女性作家が海外でブームらしい

海外で日本の女性作家がブームに
なりつつあるらしい。
2018年には多和田葉子さんが
全米図書賞に選ばれました。
2019年には、小川洋子さんが
最終候補にまで残り、
イギリスのブッカー賞にも
最終候補者に残りました。
そして2020年には、
柳美里さんが選ばれました。

他にも、海外で日本の女性作家の
翻訳が人気になっているらしい。
村田沙耶香『コンビニ人間』や
川上未映子『乳と卵』などが
アメリカやイギリスで売れているそう。

村田沙耶香さんはまだ若手だけど、
他の作家はみな、実力派のベテラン。
今頃になってなぜ?という疑問と、
やっぱり日本の女性作家は
外国人にも伝わる普遍的なテーマに
取り組んでいたんだ!という
まるで自分が褒められたような喜び。

80年代、90年代から、
日本の女性作家はキラキラしていた。
小川洋子さんや柳美里さんは、
とりわけ、時代の先端だった感がある。
他にも、江國香織、角田光代、西加奈子。

恋愛小説のようなのに
カフカみたいな不条理に至ってる。
ミステリーでもないのに、
ミステリアスな気配。
日常を描きながら、非日常な気配。
生きている人物を描いているのに、
死者のような奇妙な存在感。

海外での人気は、
村上春樹の翻訳を手掛けた
英語圏の出版社やエージェントが
取り上げたのが、きっかけらしい。

それにしても、男性作家ではなく
女性作家ばかりなのは、
女性作家好きとしては嬉しく、
また、謎でもある。
新聞やネットの記事では、
ベテラン女性作家はまだまだ
権利も待遇も遅れていた
マイノリティとして置かれていた立場に
敏感、かつ真摯に取り組んできたから?
と見る文学関係者の言葉が
個人的には、説得力があった。

今30代、40代、50代の女性は、
表沙汰にはならないけれど、
小さな不利益、小さな差別などが
日常にいくつも地雷のように
埋まっている社会に敏感に必死に
生きてきたのでしょうね。

残念ながら、最近の若手女性作家は
先輩たちが歩いて地ならしした道を
あまり困らずに生きているせいか、
「マイノリティ」ではなく、
村田沙耶香さんを除けば、
普遍的な作風の人は少なくなった…
ようにも感じてしまうが、
それは今後、期待していこう。

小川洋子や川上未映子や多和田葉子を
もっともっと日本のおじさんたちが
読んで夢中になるようになればなあ。
そう思うのは、無い物ねだりでしょうか。

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