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ペナン島 1 僕の海外ゲイライフ


マレーシアは同性愛者には厳しい国らしい。イスラム教徒が多く、その教えの影響か。以前、知り合った人とホテルで会っていた時、部屋の外の何かの物音に、急に焦り出したことがあった。警察の手入れかと思ったらしい。何事もなかったが、Hはしていたのでなるほどと思った。
厳しい取り締まりがけっこう近い過去まであったのだろう。
ペナンで初めて発展場のゲイサウナに来ている。何度もペナンには来ているが、今回は人との会う約束もなくてその気になった。ネットの情報を頼りに場所はすぐ分かった。中に入るとバンコクのそれより明るくて洒落た感じだった。それほど広くはないが休憩所、ダークエリア、ジム、個室、バーコーナーもある。
一通り巡って休憩していると、こんにちは!と英語で声がかかった。40代後半ぐらいのマレー系だった。マレーシアは隣のシンガポールの影響か、英語教育が充実していて、老人までほとんどの人が英語を話す。少しお互いの情報交換をした。
もう1度館内巡りをしようと立ち上がると、彼から個室に行こうと誘われた。全くタイプでないのでやんわり断っても、しつこく誘われてウンザリしていると、日本語で日本人ですか?と声が。それがMだった。中国系のがっちりした体つき。笑顔が爽やかだった。10年ほど前に、日本への留学経験があり、随分忘れたと言いながらも会話が弾んだ。
状況を察した彼が、もう外に出ようと誘ってくれた。その日の夕方、Mがホテルに迎えに来てくれた。ホテル近くのビーチ沿いの屋外レストランでディナーを楽しんだ。地元のタイガービールを飲みながら、お互いのことを語りあった。
Mはペナンの中心ジョージタウンで写真店を経営していた。年上の人がタイプで、地元に彼氏もいるとのことだった。その優しい気取らない人柄に、初対面とは思えないほど私たちは打ち解けて時間を過ごした。
彼のナイトライフはスマートだった。バイクの後ろに乗って、行きつけのパブに移動した。そこでたくさんの友達や知り合いを紹介されて、ペナンの夜を楽しんだ。
ホテルに戻ったのは夜中の零時過ぎだった。当然のように彼も一緒に戻り、すぐにソファで初めてのキスを交わした。Mは積極的で、あっという間に二人はベッドで全裸で絡みあった。熱いキスを繰り返しながら、彼の舌が僕の体を次々に攻め立てて、僕の口からは何度も甘い喘ぎがもれた。
Mの腕枕で寄り添いながら、色々な話をした。お互いの彼氏のこと、日本留学時の話、僕のバンコクでの生活の様子。3度甘美の時を持った後、僕達は眠りに落ちた。
早朝に彼は帰って行った。午前中に仕事があるらしい。当然のように、その日の夕方に迎えに来ると言って。思いがけない出会いに、まだ体が火照っていた。
目が覚めたのはお昼過ぎだった。シャワーを浴びた後もしばらくベッドに腰掛けて、気が抜けたようにぼーっとしていた。前回までペナンで会っていた人とは、僕ののホテルで会うだけだった。李さんという中華系で、見た目は好みだったが、何となく気持ちが離れていた。所詮セクフレだったのか。
Mとは日本語で会話ができる。英語の相手とは大方の意志疎通はできるが、細かい感情の説明や込み入った話が出来るほど、僕に英語力はない。Mは近い将来、レストラン経営も視野に入れている。事業への野心、アフターファイブの遊び方、エスコートのスマートさ、そして少年のような笑顔。今まで彼氏として僕の人生に登場した人とは、多くの違う面を持っていた。
ペナンは長い橋でマレーシア本土とつながっている。Mには沢山のきょうだいがいて、一番上のお姉さんと共同で本土側にもアパートを持っていた。今日はお姉さんが留守で、Mと一泊で遊びに行くことになった。出発。しっかりつかまってと、私の腕をとって彼の腰にしっかりとまいて
くれた。夕方の爽やかな風に押されて、気持ちのいいツーリングになった。途中マレーシア料理の夕食をとって、彼のアパートに着いた。
リビングの他に小さな部屋が3つほどの小綺麗なアパートだった。ビールで乾杯するとMが目の前に来て、僕の手を取って立たせた。そして、ハグをして優しくキスしてくれた。僕もバイクで彼の腰にしっかり掴まりながら、今晩の営みに気持ちは高ぶっていたので、今度は自分から舌を絡めて甘えた。
その夜のMは情熱的だった。僕たちは全裸になって家の中をダンスでもするように回って愛し合った。立ったままでディープキスを繰り返しなから、お互いの身体に唇を這わせた。ソファでベッドでMは僕の身体の敏感な場所を何度も可愛がるように愛してくれた。僕は彼のリードに合わせて体を重ねながら、 I  love you とI  want youを喘ぎのように何度も漏らしていた。
昨夜はビールを飲みながら、何時まで愛を交わしていたのだろう。目を覚ますと、もう南国の日差しは熱く部屋に差し込んでいた。ベッドの隣には裸のMがまだ寝息を立てている。うつ伏せの背中に手を伸ばすと、半分寝ぼけながら
僕を抱き寄せて優しくキスしてくれた。
お腹すいた?うん、少し。そんな会話をして、
Mが僕の体に重なってきた。もうすっかり硬くなった僕のペニスをねっとりと口で包み、舌で何度も舐め上げた。気持ち良さにふるえながら、彼の頭を両手で包み、朝から淫らな声をあげていた。


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