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はじめまして。asamiです。学生時代、東京の舎人(とねり)という所に住み、小説家を目…

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はじめまして。asamiです。学生時代、東京の舎人(とねり)という所に住み、小説家を目指した経験があります。 その頃の想い出を記憶の引き出しから引っ張り出し、今の思いを重ねて綴っていこうと思います。 詩や短編小説、エッセイなどが中心になると思います。読んでいただけたら嬉しいです。

マガジン

  • 記憶の引き出しを開けて

    僕が文学に目覚めた頃、出会った風景や人々、感動した小説に関する記事を集めてみました。

  • おすすめの風景

    僕が住んでいる場所や仕事場近くで見つけた、四季折々の素敵な風景をご紹介します。

  • 短編集

    雑多な短編のつまった引き出しです。 ご自由にご覧ください。 引き出しを開けるときは、できるだけそっと・・・。

  • 詩、のようなもの

    僕が昔、小説家を目指していた頃に書きなぐった「詩」のようなものをご紹介しています。よかったらお立ち寄りください。

  • ワンコだっていろいろ考えている

    僕の家にいるトイプードルは、宝塚生まれのセレブ犬(?)。ミロクという名で、見た目は赤ん坊みたいだけど、もう11歳になります。ここでは、ミロクのこと、ワンコやペットに関することを書いています。

記事一覧

明日香村の春その②&私の職場その⑥

私が住む明日香村は、今まさに桜が見ごろとなっています。  最近は海外からのお客様も増えてきているようです。  有名なスポットだけでなく、ちょっとした穴場を探し当て…

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5か月前
16

明日香村のお正月

皆さん、新年明けましておめでとうございます。 筆無精でなかなか更新できませんが、今年もよろしくお願いします。 さて、今日は1月2日。ことのほか暖かい陽気に誘われて…

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8か月前
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僕が出会った風景、そして人々(番外編その⑪)

遺跡の発掘現場で芽生えた恋 前回はT坂遺跡の現場開始にあたり、新メンバーを招集したところまでお話ししたかと思う。  その現場はとにかく波乱万丈、僕の貧しい筆力では…

asami_kun
11か月前
8

明日香村の夏②

明日香村から暑中お見舞い申し上げます。 今年もまた暑い夏がやってきました。 皆様、くれぐれもお体を大切に。ご自愛ください。 冒頭の画像は、飛鳥京跡から多武峰(と…

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1年前
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日々雑感その③

またまた久しぶりの投稿となってしまった。 うかうかと時を過ごしているうちに、結局はなにもしないまま老いていくのかと、ちょっと怖い気もする。 ということで、近況報…

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1年前
19

日々雑感その②

エッセイのこと 最近、筆不精でnoteから遠ざかっていた。 特に忙しいというわけでもないのだが、不思議なもので少し書かずにいたら、いざ書こうとするとなかなか筆が進ま…

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1年前
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日々雑感その①

О君からの便り ここ2ヶ月ばかり、日常業務や家事に加え、やんごとなき頼まれ仕事がいくつか舞い込んだおかげでNOTEから遠ざかっていた。 12月に入ってようやく落ち着い…

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1年前
16

夜来たるもの

 私は夜の闇が嫌いだ。  そう、子供の頃から大嫌いだった。  日中は暗がりで息をひそめているが、陽が沈み、世界が夜の闇に閉ざされた途端、呪われた異界の者どもが蠢き…

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2年前
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僕が出会った風景、そして人々⑨

はじめにアルバイトありき 共同で一軒家を借りて、自由気ままな暮らしをしていた僕たちだったが、酒代を捻出するのが一苦労だった。 一緒に住んでいたI君は、行き当たり…

asami_kun
2年前
19

明日香村の夏

 明日香村から暑中お見舞い申し上げます。  今年は梅雨の時期も短く、夏の訪れとともに異常気象が続いています。  一度に降る雨の量がとても多く、天気予報で晴れとなっ…

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2年前
17

私の職場その⑤

今回は、館内の様子を少しご紹介しましょう。 大和のクスリ、配置薬、漢方薬に関係する資料を展示しています。 上の写真は資料館で展示している2体の白澤像を並べたもので…

asami_kun
2年前
10

私の職場その④

私が勤務する職場には、自然の景観があふれています。 和風庭園の池に、スイレンが美しい花を咲かせてくれました。 斜面にはササユリが咲いています。 ヤマユリ・・・かな…

asami_kun
2年前
13

私の職場その③

私が勤務する資料館に隣接する池に、蓮が美しい花を咲かせています。 これからは毎日ポンポンと咲いて行きます。 ポンポンといえば、蓮の花が咲く瞬間、「ポン!」と音を…

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2年前
18

KAMADOUMA

お前は突然私の前に現れた 冷たく澱んだ霧と 陰鬱な雨が交わる夜に 私は薄暗い書斎で 独り 古びた大きなデスクに向かい 虚ろなまなざしで部屋の隅を見つめていた 私は…

asami_kun
2年前
7

御所市稲宿にて

日曜日にお隣の御所市を妻と一緒に散策してきました。 目指す場所は稲宿と呼ばれる集落です。 「御所(ごせし)市」、「稲宿(いないど)」、どちらも難読地名に入りそう…

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2年前
14

『僕が出会った風景、そして人々』⑧

アルバイトのお話 舎人時代における僕の生活基盤が家庭教師だったことは前回までにお話ししたかと思う。  大学入学と同時に近所の高校生を教え始めたことがきっかけで、…

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2年前
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明日香村の春その②&私の職場その⑥

私が住む明日香村は、今まさに桜が見ごろとなっています。  最近は海外からのお客様も増えてきているようです。  有名なスポットだけでなく、ちょっとした穴場を探し当てるのが、今のトレンドなんだとか。 数日前、私が勤務する”とある資料館”にも、アメリカからの客人が3人やってきました。 「ヘ、ヘロー」「ウェルカム トゥ アワ ミュージアム」 と、アワアワしながら話しかけた私でした。 「〇×▽!ペラペーラ!」すごい早口で何を言っているのかさっぱりわかりません。 「ア、アイムソリ

明日香村のお正月

皆さん、新年明けましておめでとうございます。 筆無精でなかなか更新できませんが、今年もよろしくお願いします。 さて、今日は1月2日。ことのほか暖かい陽気に誘われて、いつもより少し足を伸ばして愛犬と散歩です。 なんとものどかな風景ですが、正月早々、大地震で大変な目に遭われている方々も・・・。 妻の実家が上越市にあるので、明日香村に住む私たちにとっても決して他人事ではありません。  親戚の安否を確かめ、みんな無事であることを知って、少しだけほっとしました。 災害に遭われた

僕が出会った風景、そして人々(番外編その⑪)

遺跡の発掘現場で芽生えた恋 前回はT坂遺跡の現場開始にあたり、新メンバーを招集したところまでお話ししたかと思う。  その現場はとにかく波乱万丈、僕の貧しい筆力では到底描ききれないほどエキサイティングで、しかも哀愁に満ちたドラマの舞台となったのである。 調査現場を仕切ったのは友人N君であったが、新しく入った面々はみなたいへん個性的かつマイペースであり、しかも(自称)天才ぞろいだったため、リーダーたるN君の苦労はひとしおであった。 なかでも俳優のH川氏は、背も高く声に張りが

明日香村の夏②

明日香村から暑中お見舞い申し上げます。 今年もまた暑い夏がやってきました。 皆様、くれぐれもお体を大切に。ご自愛ください。 冒頭の画像は、飛鳥京跡から多武峰(とうのみね)方面を写したものです。 弥勒石(みろくいし)は、幅1メートル、高さ2メートルほどの石造物で、首から上に顔のような浅い彫り込みが見られます。 造られた理由は諸説あって定かではありませんが、地元の人々が信仰の対象として大切にお祀りしているようです。 なんでも、下半身の病気を治してくれる御利益があるとか。

日々雑感その③

またまた久しぶりの投稿となってしまった。 うかうかと時を過ごしているうちに、結局はなにもしないまま老いていくのかと、ちょっと怖い気もする。 ということで、近況報告というかお知らせをひとつ。 5月27日と28日の2日間にわたり、推古天皇の薬猟で知られる奈良県宇陀市松山地区で「薬草・発酵博覧会」と題したイベントが開催される。 同地区の5か所に設けられた会場で、薬草・発酵の専門家が集まり、講演会やワークショップ、薬草観察会を開催するのだ。また、マルシェやライブなども催され、盛

日々雑感その②

エッセイのこと 最近、筆不精でnoteから遠ざかっていた。 特に忙しいというわけでもないのだが、不思議なもので少し書かずにいたら、いざ書こうとするとなかなか筆が進まない。 けれど、僕の記事を楽しみにしてくれている(?)数少ない愛読者のご要望にお応えするためにも、久しぶりに筆を執ってみよう。 先日、仕事の関係で奥大和に関するエッセイを書いてほしいとの依頼があり、自己紹介を交えて駄文をひねり出し、ネット上で公開した。  奥大和というのは、奈良県南部および東部地域を指しており

日々雑感その①

О君からの便り ここ2ヶ月ばかり、日常業務や家事に加え、やんごとなき頼まれ仕事がいくつか舞い込んだおかげでNOTEから遠ざかっていた。 12月に入ってようやく落ち着いたので、さて今までの続きを書こうと思うのだが、なかなか筆が進まない。そうこうするうち、横浜に住む親友のО君から久しぶりにメールの便りが届いた。 新型コロナで人込みを避け、家に閉じこもりがちな生活を送っていたら、なんと痛風にかかった由。彼曰く、シャワーの滴が足に当たっただけでも飛び上がるほど痛いんだとか。  

夜来たるもの

 私は夜の闇が嫌いだ。  そう、子供の頃から大嫌いだった。  日中は暗がりで息をひそめているが、陽が沈み、世界が夜の闇に閉ざされた途端、呪われた異界の者どもが蠢き始めるのに違いない。  大人になった今も、夜は部屋の灯りをつけたままでないとコワくて眠れないのだ。  そんな自分が、よりによって恐怖小説を書くようになるとは・・・。 書斎にこもり、パソコンのキーボードを叩き続けていた私は、視界の右端を白い影が横切ったような気がして手を止めた。  ゆっくりと立ち上がった私は、右手の

僕が出会った風景、そして人々⑨

はじめにアルバイトありき 共同で一軒家を借りて、自由気ままな暮らしをしていた僕たちだったが、酒代を捻出するのが一苦労だった。 一緒に住んでいたI君は、行き当たりばったりの僕に影響されることなく真面目な大学生活を送っていたので、親からの仕送りはあった。  けれど僕の場合、途中で勝手に大学を辞めてしまったので、さすがに親のすねをかじるわけにもいかず生活費は自分で稼ぐ必要があった。 当時、井の頭に住んでいて足繁く我々の下宿を訪ねてきていたO君も、郷里の高校を中退して上京し、芸

明日香村の夏

 明日香村から暑中お見舞い申し上げます。  今年は梅雨の時期も短く、夏の訪れとともに異常気象が続いています。  一度に降る雨の量がとても多く、天気予報で晴れとなっていても、まったく安心できません。  急に黒い雲がモクモクと現れたかと思うと、激しい雷雨が襲ってきたりします。  雷雨がおさまり、職場から自転車で帰る途中に見た虹です。  向かって左側、虹の足が明日香村の中心部に降りていました。  自転車を飛ばして明日香村にさしかかったときにもう一度撮影。  今度は右側しか見えま

私の職場その⑤

今回は、館内の様子を少しご紹介しましょう。 大和のクスリ、配置薬、漢方薬に関係する資料を展示しています。 上の写真は資料館で展示している2体の白澤像を並べたものです。  白澤は古代中国における伝説の獣(神獣、聖獣)で、人々にあらゆる災難から逃れるための方法を教えたといわれます。  日本では、獅子(ライオン)のような体に九つの目、六本の角を持つ姿で描かれることが比較的多いようです。  今、巷でもてはやされている「アマビエ」の元祖的な存在です。 上の画像は厚労省が作成したアイ

私の職場その④

私が勤務する職場には、自然の景観があふれています。 和風庭園の池に、スイレンが美しい花を咲かせてくれました。 斜面にはササユリが咲いています。 ヤマユリ・・・かな? 通路を歩いていたらナナフシを発見。本当に不思議な虫です。 奈良県御所市(ごせし)にある、小さな資料館。 探し当ててぜひ一度ご来館ください。 お待ちしています! 次回は資料館の内部をご紹介しましょう。 乞うご期待! (つづく)

私の職場その③

私が勤務する資料館に隣接する池に、蓮が美しい花を咲かせています。 これからは毎日ポンポンと咲いて行きます。 ポンポンといえば、蓮の花が咲く瞬間、「ポン!」と音を立てるそうです。ほんとかな?と思うのですが、花が開く瞬間に立ち会ったことがないので、わかりません。どなたかご存知の方がいらっしゃったら教えて欲しいです。 上の写真はキハダの苗です。キハダはミカン科の広葉樹で、黄色い内皮を乾燥したものが漢方生薬「オウバク」です。  長野県の「百草丸」、奈良県の「陀羅尼助」、鳥取県の「

KAMADOUMA

お前は突然私の前に現れた 冷たく澱んだ霧と 陰鬱な雨が交わる夜に 私は薄暗い書斎で 独り 古びた大きなデスクに向かい 虚ろなまなざしで部屋の隅を見つめていた 私は何かを待っていたのだろうか? いや、それとも? 私は戦慄し微かに悲鳴を上げた お前は私自身が作り出した幻影? お前は私? いや、私がお前なのか? 得体のしれない不安に私は恐怖する か細く神経質な触覚を長々と伸ばし 禍々しいまでに発達した後肢を曲げ 褐色の衣の下に艶めかしい肌を隠し ひっそりと不気味に佇む冥府の

御所市稲宿にて

日曜日にお隣の御所市を妻と一緒に散策してきました。 目指す場所は稲宿と呼ばれる集落です。 「御所(ごせし)市」、「稲宿(いないど)」、どちらも難読地名に入りそうですね。 上の写真は稲宿にある高野山真言宗の寺院・安楽寺(あんらくじ)です。ここは沙羅(さら、しゃら=夏椿)の花が美しく咲くことで知られています。 スマホで撮ったので、画質が荒くてすみません。 沙羅の木の足元にはドクダミが咲いていました。 ドクダミは別名十薬と言われるほど効能効果の多い薬草です。 生の状態だと

『僕が出会った風景、そして人々』⑧

アルバイトのお話 舎人時代における僕の生活基盤が家庭教師だったことは前回までにお話ししたかと思う。  大学入学と同時に近所の高校生を教え始めたことがきっかけで、特に宣伝などはしなかったのだが、1軒また1軒と口コミで家庭教師の話が舞い込んできたのだ。 けれども、最初のうちは軒数も少なく、僕は「生活費=家賃+食費+酒代+その他」を捻出するためにさまざまなアルバイトをした。 一番初めのバイトは学生援護会の『日刊アルバイトニュース』(100円)を見て決めた教育グッズのセールスだ