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日々雑感その①

О君からの便り

ここ2ヶ月ばかり、日常業務や家事に加え、やんごとなき頼まれ仕事がいくつか舞い込んだおかげでNOTEから遠ざかっていた。

12月に入ってようやく落ち着いたので、さて今までの続きを書こうと思うのだが、なかなか筆が進まない。そうこうするうち、横浜に住む親友のО君から久しぶりにメールの便りが届いた。

新型コロナで人込みを避け、家に閉じこもりがちな生活を送っていたら、なんと痛風にかかった由。彼曰く、シャワーのしずくが足に当たっただけでも飛び上がるほど痛いんだとか。
 О君とは中学生時代からの付き合いだが、私などよりよほど規則正しい生活を送っており、バイクを乗り回してツーリングにいそしむなど健康面にも気を使っていたはずなのだ。

メールの終わりには、薬を飲み、家で日向ぼっこをしながら書いたという
七五調の抒情詩が記されていた。
「空が青いなあ」で始まるそれは、つまらぬ現代社会の喧騒を離れ、身近なところにいつもある風や土、水のにおいや音、飛び交う虫たちに心地よさを感じ取る・・・美しくも繊細な詩であった。

数日後、またもや彼からのメールが届いた。
さすが畏友О君。冷静に病気と向き合っているようだった。
 原因と思しきアルコールを減らしつつ、それによって生じた生活面での変化を観察し、むしろ楽しんでさえいるようだ。
 そして今回は、通販生活、もとい、痛風生活から教わったという、珠玉のエッセイまで書いて送ってくれた。

「暇にあかせて毎日Macに向かい、たわいもない事を書き綴ってます
書いたら誰かに見せたくなり、思い浮かぶのは貴君
災難だと思ってお受け取りください」

『酒を飲むということ』と題した文章は、減酒することで知り得た「酔う」ことと「酔っぱらう」ことの違いを静謐な言葉遣いで表現していたが、僕には、アルコールをこよなく愛してきた男の心情が切々と綴られているように感じられた。
 
そして何より嬉しかったのは、メールの最後に記されていた言葉だった。
 
「小春日和の日は明日香村で一緒にお酒を飲みたくなります。来年の春は花見でいっぱいやりたいですね」
 
О君、待っていますよ。
来年の春は、コロナも痛風も気にせずに、楽しくお酒が飲めますように。

続く


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