あっという間に人は死んじゃうらしい〜あっという間に人は死ぬから／佐藤舞

謎解き統計学 | サトマイ

Amazon.co.jp: あっという間に

自分の価値観を明確にし、それに沿った生き方をしましょう。
自分が本当にワクワクできるものを見つけましょう。
本当に大事なのはお金ではなくあなたの気持ちです。

で、テレビやYouTubeをみると、「天職」のようなものに出会い、忙しいながらもキラキラとして見える人が出てくる。
普通の会社勤めをしている自分と比較し、何やってんだろうな自分、とか、いいなぁやりがいのあることを仕事にできて、と羨む。
会社員生活を始めて数年経つと、よく経験することかもしれませんw

良くも悪くも、働き方が今ほど多様でなく、かつ独自の働き方をしている人がいてもそれらの方々の情報を得る手段が限られていた数年、数十年前まではこんなこともなかったのでしょう。
移り変わりの激しくなった現代と、YouTubeなど個人レベルでの情報発信ができるようになったからこそ生じた妬み、嫉妬なのかもしれません。

ただ、個人的にはこういった「羨み」も悪い点だけではないと思います。
なぜなら、そういった経験がないと自分の価値観ややりたいことに向き合う機会を得ることも難しくなるから。
羨むということは、少なくとも現状の自分に改善する余地があることの裏返し。
その改善に取り組む、取り組まないは別にしても、その気づきを得ることだけでも大事な気がします。
思考停止で黙々と目の前の作業を続けているだけよりよほどマシだと思います。

そのような多様な働き方、の中でも今回ご紹介するサトマイさんは異色。
大学のゼミで統計学を学び、それを活かした職業に就こうとしたものの失敗、パチンコ店員としてキャリアをスタート。
その後、仕事が合わないと言っていきなり起業し、今は統計や確率の知識を活かしたコンサルで食べているという面白い経歴。

パチンコ店員をやめてから起業という振れ幅の大きさに驚かされます。
大多数の方が、ある程度大学なりプライベートで学習して知識を持っていても、それがどうビジネスに結びつくか、マネタイズしていくかというのはある程度の経験やビジネス感覚がないと難しいところかと。
それを若いうちに成し遂げて月収100万円まで短期で持っていったサトマイさんの手腕には、一社会人として大変に驚かされるところです。

冒頭のYouTube動画の中に、さらタメさんという方が密着取材した動画がありますので、サトマイさんという人物に興味を持たれた方、就職・転職を考えてるけどなかなか踏ん切りがつかないという人は、みると得るところがあるかと。

動画の中でも紹介されているのですが、彼女が一番今労力をかけているのが本の執筆。
自分も今「あっという間に人は死ぬから」という最新作を読んでいる途中ですが、びっくりするのがその引用の多さ。
書籍、アニメ、最新のニュースからいろんなセリフや言い回しが引用されており、彼女のインプットの多様さとそれを残し、表現するスキルの高さにびっくりです。

このインプットの豊富さには裏があるそうで。
彼女、本の執筆に今一番労力を割いているそうですが、それは自分が本に救われた経験から。彼女の目標は「自分の本で人生が変わった」と言ってくれる人が出てくることだそう。それくらい、作家という立場に重きを置いています。
読書量の豊富さについては、本書での引用数を見るだけでも感じ取れるところです。

本書は統計学を駆使して、ワークを通じながら時間の浪費を修正していくもの。
SNSやスマホゲームで時間を無駄にしてしまったという経験がある方は少なくないかと。
その原因を分析し、具体的にどうしたら良いのかというところまでを一気に解説してくれる好著です。
文章も軽く読みやすいですが、中身は本格的。

人生の目的を明確化して充実した人生を送りたい方、時間の無駄遣いをやめたい方、ぜひ一度手に取ってみることをお勧めします。