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"もしも企画の仕事を任されたら" 実践すべき6つのステップ

こんにちは。経営コンサルタントのJunです。

普段、企画の仕事を行っていないと、いざ、企画を練らないといけないとなったときに、「何をやったらいいのか」、「どこから手を付けたらよいのか」分からないものです。

そこで、今回は企画の仕事をする上で、実践すべき6つのステップを皆さんにシェアしたいと思います。

企画の仕事とは?

ビジネスにおける企画の仕事とは、会社経営に関する取組みの方策を考え、実行する仕事です。

ビジネスで行う企画には様々なテーマがあります。

例えば下記のような企画テーマで、突然、部長から「何か企画作ってよ」「調べておいてよ」と依頼されることがあります。

企画テーマ

種類は、様々ですゆが、いずれも、「会社を経営する上での問題解決」です。「企画の仕事は、問題解決である」と捉えると、何をすべきかが見えやすくなります。

問題解決を行う際には、下図のように①現状、②あるべき姿、③Gapの3つを明確にします。Gapが「問題」であり、これを解消する方策が問題解決策・課題解決策です。

問題解決

問題解決のための方策を考え、実行する仕事が、企画の仕事です。

企画のために実践すべき6つのステップ

いざ、問題解決のために企画を行おうとすると大きなハードルにぶつかります。

一般に、企画テーマは漠然としており、抽象的です。

そのため、「一体どこから手を付けていけばいいのか分からない」「どのように考えればよいのか分からない」となります。

そこで、実践すべき6つのステップがこちらです。

企画の6つのステップ

よくある落とし穴は、「とりあえず調べてみよう」「会議でみんなの意見を聞いてみよう」と動いてしまうことです。

動くのをぐっとこらえ、このステップに従って考えをまとめていくと効率的に企画を作っていけます。

①背景・目的の整理

まず、企画テーマに取り組む背景・目的を整理します。

「なぜその取り組みを検討することになったのか」「このテーマを検討する必要性は何か」「この取組みの意図は何か」といった点を整理します。

例えば、売上向上テーマであれば、背景・目的は下記の様になります。

背景:現状の売上高の推移を見てみると、中期経営計画で目標とする数値から10%足りていない状況である。中期経営計画が目標とする期限まで残り2年であり、売上向上のための施策立案が急務である。

目的:中期経営計画の目標数値を達成するため、2年以内に売上を10%上げること。

これは、依頼主である部長からヒアリングして答えが出る場合もありますが、たいていの場合は、部長本人も答えは持っておらず、断片的な背景や目的しか聞けません。

そのため、部長へヒアリングしたのち、背景・目的を自分で考え、整理する必要があります。

背景や目的を整理したら、依頼主である部長と打合せし、背景・目的を認識合わせしましょう。

よくある落とし穴は、背景・目的をきちんと整理しなかったり、そもそも整理することをやらなかったりすることです。

企画テーマの抽象度が上がるほど、背景・目的の重要度が上がります。

「目的を取り違えると、的を得た企画を作れない」というのももちろんありますが、背景や目的がきちんと整理できると、論点整理やアプローチ設計が論理的に行えるようになります。

抽象的な企画テーマにおいては、背景や目的こそが、以降の検討を行う上での「羅針盤」です。

②論点整理

背景・目的を整理したら、論点を整理します。

論点とは、答えを出すべき「問い」です。

例えば、売上向上テーマであれば、答えを出すべき問いは下記の様なものがあります。

・売上が低迷しているセグメントはどこにあるのか?

・上記セグメントの売り上げが低迷している要因は何か?

・上記要因を解消するための施策は何か?

論点をなぜ整理するのかというと、ステップ1で整理した「目的」を達成するための、最終解答を得る道筋を描くためです。

最終解答を一足飛びに得ることができるのは極めて稀です。最終解答にいたるには、いくつかの「小さな答え」を積み重ねていく必要があります。それらの「小さな答え」の結果、最終解答を導くことができます。

論点を立てる際には、大論点とサブ論点を分けて考えます。

大論点とは、「問いの骨子」であり、サブ論点とは、大論点に紐づく詳細な問いです。

思いつくままに問いを立てるのではなく、まずは大論点を整理して、アウトラインを描き、次に、それぞれの大論点に答えを出すためのサブ論点を整理します。

例えば以下のように大論点とサブ論点を整理します。

論点整理

論点整理を行う際には、以下のような定石的な論点を覚えておくと便利です。

論点パターン

③アプローチ設計

論点を整理したら、次にアプローチを設計します。

アプローチ設計とは、論点の答えを出すために行うべき実施事項を整理することです。

例えば、売上向上テーマであれば、下記の様なアプローチを設計します。

・商材別、支店別の売上高推移を把握し、売上低迷箇所を特定

・売上低迷箇所の売上低迷理由を特定

・売上向上施策の立案

アプローチは上記のように大きなタスクのカタマリを整理したのちに、より詳細なタスクを整理します。タスクに前後関係があれば、タスクの順序を並べ替えます。

こちらはアプローチ設計の例です。Stepごとにタスクのカタマリの前後関係を整理しています。

アプローチ1

他にもこちらのようなアプローチ設計のやり方もあります。こちらは週ごとのゴールと、タスクのカタマリも併せて整理しています。

アプローチ2

最後に、スケジュール化します。Step別にタスクの矢羽根で表現します。タスクを実施する際に留意すべきマイルストーンがあればそれも整理します。

アプローチ3

④関係者巻き込み

アプローチ設計が終わったら、関係者を巻き込みます。

部長から依頼された企画であれば、関係者は部長です。

本格的に取り組む前に関係者に対して、取組み背景や目的、論点、アプローチを共有し、理解を得ます。

この時パワーポイントなどで資料化し、のちに部長も自分も見返せるようにしておきましょう。一度資料化しておけば、進捗報告を行う際に使いまわすことができます。

資料化する際は、最低限、下記3点を記載します。ここまでのステップ1~ステップ3を実施していれば、いずれも書くのに困ることはありません。

ミニマム3点セット

⑤検討実行

関係者巻き込みが終わったら、本格的に検討作業に入ります。

ステップ3で設計したアプローチに従って、インタビューやリサーチ、施策立案などを行います。

検討結果や施策のドラフトは資料化し、打合せ時に関係者との検討に用います。関係者との検討結果を受けて、これらの資料を更新し、関係者と合意形成します。

⑥施策実行

検討が終わったら、施策の実行です。

「企画」というと、「計画策定」を指しますが、企画の仕事を任された場合、基本的には企画者である自分が、施策実行をリードしていくことになります。

施策の実行に当たっては実行計画を立案し、PDCAサイクルを回します。

様々なプロジェクトマネジメント手法を用いて施策の実行を行いますが、プロジェクトマネジメントの詳細は別途、記事を書いて皆さんにシェアできればと思っています。

最後に

企画の仕事のやり方は、正解は有りませんし、「こうすれば絶対OK」というものもありません。

しかしながら、先輩方や上司から学び、私自身実践してきた仕事を振り返ってみると、ある程度の「基本形」はあると思っています。

今回はその「基本形」を皆さんにシェアさせていただきました。

より短い時間で効果的な企画を作り出すヒントになりましたら、幸いです!

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